NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~125

 

 side 我愛羅

 

「説明しよう!うずまきナルトとは!」

「サスケ君後で演習場」

「ごめんなさい許してください」

「許してあげるから演習場」

「行くから殺さないでください」

「サクラちゃんも連れて行くから安心だね」

「おっふ」

 

 突然ボケが始まったと思ったら即座に鎮圧された。だが、この二人は少なくともうずまきナルトの事を知っているらしい。いや、知っていると言うよりは覚えている、と言った方が正しいのかもしれないが。

 正直今はナルトの情報が欲しい。俺はナルトとはあまり深い付き合いであるとは言えないが、それでもナルトは一度あの無茶苦茶っぷりを見せられたらどう頑張ったところで忘れられるような存在ではない。むしろ忘れたくても忘れられないだろう。それを忘れているのだから何かしらの理由があるはずだ。

 

「簡単に言うとだな……ナルトは木の葉に愛想尽かして出て行っちまったんだよ。その時に自分に関わった存在から自分の記憶だけ全部焼き払って行ったお陰で、木の葉の里に居なかった奴と最後まで意識を保っていた俺達だけ記憶を持って行かれなくて済んでてな。俺からするとあの環境でよくもまあ15年以上も耐え続けたと思ってたからナルトが里抜けすると聞いて『やっとか』って気分になった」

「……つまり、今の木の葉にはナルトはいないのか?」

「うずまきナルトと言う存在を覚えている奴すら稀だな。ついでにナルトがそういう扱いを受ける直接の原因になった男がいたんだが、見事なまでに磨り潰されて死んでたぞ。まあそいつの右目にうちはシスイの目が移植されて大名すら操っていた疑いが濃厚だったし、ついでにうちは一族の虐殺を直接命令した奴でもあったっぽかったから俺としては死んでくれてとても胸がすくような思いだったがな」

「それより、ナルトが今どこにいるのかわからないのか?」

「ナルトは自分のチャクラを完全に消せてな。そのお陰で基本的に察知ができないのに加えてそもそも移動速度が人外のそれだ。さっきの雷影殿は目で追えたが、ナルトの場合目で追うとか影が映るとかそう言う領域にない。まともに戦えば『気が付いたら首が飛んでいた』と言う状態になりかねない」

「捕まえることは?」

「ナルトが遊んでくれるんだったら自分ルールに抵触させて戦術的勝利によってお願いと言う形をとることはできるだろうが、気分次第で勝手に抜けられることまで考えておいた方がいい。時空間忍術で様々な所にマーキングを残しているだろうから結界で封鎖したところで異空間を通って抜けられる」

「で、九尾の人柱力はどの程度強いんだ?」

「……あー……よし、ちょっとこれから俺がこの場にいる全員を殺さないように手加減しながら襲い掛かるから、全力で抗ってみてく」

 

 雷影が動いた。雷遁のチャクラを身体に纏った状態での高速移動からうちはサスケの首に手刀を叩き……込もうとして、左腕を正面から受け止められた。驚愕からか目を見開く雷影に対し、うちはサスケは軽く顎先をこするような高速の打撃を……見えた限りでは三発ほど叩き込んだ。

 すると雷影の身体がその場で崩れ落ちる。意識ははっきりしているようだし言葉もしっかりしているが、どうしても足だけが言うことを聞こうとしないようだ。幻術を疑ったが雷影のチャクラの流れは正常そのもので、足に何らかの傷があるわけでも縛りがあるわけでもないように見える。

 

「ば……馬鹿な……!儂の足が……足に力が入らん……立ち上がれない……!?」

「脳を軽く揺らしただけだ。四半時もすれば元通り歩けるようになる。……ああ、今のでいいか。俺はこういう事ができるし、あそこにいるヒナタは体術においては俺以上だ。まあ全部総合すれば俺の方が強い自信はあるが……」

「え? なに? 演習場でガチバトルしたい?」

「勘弁してくれお前と本気で殺し合いとか命がいくつあっても足りないだろうが。ともかく、訓練とか修行のような相手を殺してはいけない戦いなら俺はまず間違いなくヒナタに負けるが、本気ではなかったとはいえいきなり襲い掛かってきた雷影を軽くひねる程度の事はできることがここに証明されたわけだ」

「それで? それが九尾の人柱力の強さとほぼ同じと言う事か?」

「いや? ナルトは俺とヒナタが本気で殺す気でかかって行ってそれでなお俺達を殺すことなく対処できる。影分身一体でな」

「……は?」

「使う術は影分身一体のみ。チャクラの性質変化及び形態変化による忍術及び幻術無し、自然エネルギーを使った仙人モード無しで、完全に殺す準備を整えた仙人モードの俺とヒナタの二人を同時に相手にして、自身のみでなく俺達も含めて無傷で決着を付けられる。そう言う奴だ」

「ちなみにナルト君は全ての性質変化を極めています。火遁、水遁、土遁、風遁、雷遁に加えて陰遁と陽遁、更にはそれらを組み合わせた血継限界である沸遁、溶遁、熔遁、灼遁、嵐遁、磁遁、炎遁、氷遁、泥遁、木遁に加えて血継淘汰である塵遁すら扱います」

「……はっはっは!冗談きついぜ嬢ちゃん。儂以外に塵遁が使える忍はただ一人、既に死した先代土影である無様しかおらんのじゃぜ」

「あ、じゃあ真似てみましょうか? 何度か見せてもらったのでそれぞれのチャクラ比率や術式は大体覚えてるので……えーと……『見様見真似・原界剥離の術』!」

 

 本当に原界剥離の術ができていた。土影は顎が外れそうな顔でそれを見ている……いや、驚いていないのはうちはサスケだけか。

 

「こんな感じでナルト君もできます。と言うか私よりずっと上手です。範囲も広いし出すまでの時間も短いし」

「そして何が一番恐ろしいかと言うと、その頑丈さ。我愛羅はわかるだろう?」

「ああ……あの結晶の壁の頑丈さは嫌と言うほど思い知ったさ」

「それじゃなく、中忍試験が終わる直前に一尾出しただろう? 一尾の攻撃を真正面から受け止めてなんでもない顔して立ってたどころか一尾ひっぱたいてたからな」

「……ああ、そっちか。そう言えばそうだったな」

 

 俺の中の守鶴が全力で忘れて欲しそうにしていたから今の今まで忘れていた。そう言えばそんなこともあったな。

 

「……つまり、影分身が消えるほどの衝撃を与えると言うのは実質不可能?」

「カカシの千鳥を直撃させたことがある……と言うか威力確認のために影分身に全力で叩き込ませてもらったことがある。影分身に傷一つつかなかった。泣きそうになったぞ本気で」

「ちなみに私の本気も通らなかったです。全身の点穴にチャクラ糸を突き刺して経絡系を内側から撹拌して暴発させる技なんですけど……」

 

 ……恐ろしい技だ。いや。恐ろしいと言うよりえぐい技だ。チャクラを放出する穴からチャクラを逆流させるだけでなく暴走させるとは……木の葉は恐ろしい所だ。

 




Q.どっちも人外やんけ……
A.まあ、塵遁は規模小さいわ時間かかるわでこのくらいが限度だし、サスケの方は相手がナルトだから……。

Q.こいつらナルチカとお互い以外に勝てない相手っているの?
A.全力カグヤ相手なら苦戦は免れないかと。

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