NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~127

 

 side うずまきナルト

 

 近々戦争が起こるらしい。と言うか、もう宣戦布告まで終わらせた阿呆がいるらしい。まったく馬鹿な奴だ。あの輪廻眼には俺の仕込みがたっぷりある。俺の目の前に立った瞬間に爆破して脳味噌を地面にぶちまけてやることもできたりする。少なくとも俺に対してあの輪廻眼は使い物にならないと思ってくれていい。

 さてそう言う訳で俺個人としてはもうすでに終わっているのと変わらない戦争だが、なんと今回第三勢力として再不斬、白、オカマ丸、カブタック、イラチが参戦することになった。木の葉を敵に回した時点で暁とイラチは袂を分かった。まあ、これで俺も木の葉に対して手を出しにくくなったわけだが……出そうとすれば出せないわけではない。

 病を治して身体の負担を考えなくてよくなったイラチは確かに強くなった。しかし前に月読やら天照やらを相手にし、須佐能乎と須佐能乎が持つ十束の剣を相手にしても俺が負けることはまずないとはっきりしたのでそこまで構える必要はなくなった。今はむしろオカマ丸の方が敵対した時に色々と構えなければならないだろう。科学者に限らず研究者ってのは時に妙な方向から予測や予定を覆しに来るから、本人に力があろうが無かろうが対策は必須だ。マッドは特にな。

 

 ……あー、なんか噂されてる気がする。よし、噂の元に影分身を送り出すか。

 

 

 

 

 

 side うちはサスケ

 

「なんか今俺の噂してたか?」

「ヴェッ!? あ、ああ、何だナルトか……いや、噂と言うか事実確認と言うかだな……ナルト!?」

「全く気配を感じなかった……どうやってここに侵入した!?」

「影分身って自分から結構離れた所にも出せるだろ? つまりチャクラコントロールを極めると大陸の端から大陸の逆の端に影分身を出すこともできる。常識だ」

「どこの世界の常識か全くわからんのじゃが?」

「えーと……なあヒナちゃん。このなんか頭の固そうなちっこい塵遁使いっぽい気配を漂わせるまるで三代目土影である両天秤の爺さんみたいな人は誰だ?」

「ヒナちゃん!? ま、まあいいや。ナルト君の言った通り、三代目土影で塵遁の使い手、三代目土影様だよ」

「へー。じゃあそこで這いつくばってる褐色筋肉モリモリマッチョマンは?」

「雷影様。サスケ君に顎先掠められて立てないみたい。多分もう少しで回復すると思う」

「なるほど。あ、久しぶり。元気してるか?」

「ああ。お前は?」

「寝ている間に闇討ちの心配とか放火の心配とかしなくてよくなったからすこぶる快調だ。……あ、どうも初めまして綺麗なお姉さん」

「ナルト君?」

「美人さんに美人さんと呼びかけることに何の問題があろうか。例え立場的にかなり上であろうが美人さんは美人さんだ」

「流石に空気読もう? 今真面目な話してる真っ最中だから。ね?」

「わかったわかった。あ、かつて自分の親友の前でその親友の初恋の相手を千鳥で心臓ぶち抜いて殺した木の葉の白い牙の息子さんじゃないですか」

「ゴベッ!?」

「カカシ先生が死んだ!」

「この人でなし!」

「人として扱ってもらえなかったからね!仕方ないね!」

 

 なんでナルトはこうちょくちょくブラックジョークをかましていくんだろうか。意味が解らないし笑えない。いやむしろ意味が解るからこそ笑えない。

 だがここで口をはさんでくるのが五影と言う奴だ。まあ仕方ないな、相手の狙いの一つである九尾の人柱力がこうして目の前にいるんだから確保しようとするのはおかしなことじゃない。ただ、勝てるとは思えないが。

 

「九尾の人柱力!」

「……」

「おい!聞いているのか!」

「……ごーめん俺ってば脳筋語は履修してないんだわ。自分の弟が無事に過ごしていることにも気付けなかった過保護な脳筋の脳筋語はわっかんねーわ。通訳頼めるか、サスケ」

「……お前に名前を呼ばれたのは初めてな気がするな。と言うか煽るのをやめろ。息をするように他人を煽るな。HBの鉛筆を指でべきっとへし折るように他人の心を抉るな」

「ねえ知ってる? 頭がカッチカチになった土影にも頭が柔らかかったことがあるんだぜ。この昔のテスト用紙を見ればわかる」

「……問一、『うってかわって』という言葉を使って文章を作りなさい。『土影様は薬をうってかわってしまった』……まあ、間違いではないな。×になっているが」

「三代目土影の昔のテストだな。ちなみに本人はすさまじく不満だったとか何とか。確かに『うってかわって』を使っているから外れじゃないんだよな。問題文が悪い。これを外れにさせたいんだったら『うってかわってと言う単語を使って文章を作りなさい』にするべきだ。それなら単語じゃないこれは外れになるから」

「おーいそこのお二人さん? (わり)ィんだけどうちのジジイが顔を覆ったまま動かなくなったからその話は後にしてくれっかー?」

「そんなことはどうでもいい!九尾の人柱力!貴様ビーの居場所を知っているなら今すぐ教えろ!」

「普通に感知すればわかるんだから無精をすんなよ」

「ナルト。残念ながらあいつらは感知タイプとか言いつつ探す対象のチャクラが活性化してないと精々1km程度しかわからないんだそうだ」

「……?」

「わかる。そうなるよな。普通感知タイプと言えばチャクラ感知の範囲は100km単位だよな。わかる。でも雲隠れだとその程度なんだと」

「マジかよ……サスケ、お前確か感知可能範囲は250kmだったよな?」

「少し伸びたぞ。まあ俺は当人のチャクラを知らんから感知できても誰のだかわからないんだが」

「で、俺?」

「らしい。色々できることとかできそうなこととか話したからな。ともかく、忍界大戦での憂いを無くすためにも雷影の弟の居場所を探してくれるとありがたいんだが」

「了解。探す」

「あとついでにお前の本体も隠させてくれると嬉しいんだが」

「自分でやってるからいらね。……居たぞ。あれだ、なんか演歌が上手そうな顔で大鉞持ってアライグマに乗った忍に歌習ってるっぽいな。地図ある?」

「知らん」

「シー!地図だ!」

「こちらに」

「現在地が……ここか。方角がこっちだから、ここにいるな。あとなんか近くに元霧隠れの怪人っぽいチャクラもあるから気をつけて。あいつ鮫肌と合体して巨大な水牢の術の中で水伝いに相手のチャクラを奪い尽くして生け捕りにする戦法を使ってくるからまともにやったら勝てないよ」

「ナルトならどうする」

「顔を見せた瞬間頭を殴り砕いて殺す」

「欠片も参考にならねえ……まあそう言う訳だ、頑張って探してくれ」

「一応感謝する!あとお前の本体も来ておけ!」

「見つけることができたら大人しくついて行ってやるよ」

 

 ……ナルトのその言葉でヒナタの目の色が変わったことについては何も言わないでおこうか。

 ……ん? 待った、本当に目の色変わってないか? 比喩とかじゃなく物理的に。

 




Q.白眼から物理的に目の色変わったらそれ転生眼じゃね?
A.せやで。なんか愛で目覚めるとか何とか言う話だったから行けんじゃねえかなと。

Q.なんで雷影の言葉ガン無視なん?
A.ナルチカの名前は『九尾の人柱力』ではありません。

Q.影分身ってそんな便利な術だったっけ……?
A.チャクラコントロールを極めつくせばたぶん誰でもできる(できるとは言ってない)

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