side うずまきナルト
「はいそう言う訳で短い間ですがやっていきたいと思います、うずまきナルトの追い込み修業時間のコーナー。今回の生徒さんはこちら」
「日向ヒナタです。チャクラを奪われないようにコントロールする術は手に入れたので今度は攻撃力が欲しくて来ました」
「うちはサスケだ。須佐能乎の新たな可能性について色々と聞きたくて来た」
「はたけカカシです。……え、ちょっと待ってこれ何なの? いつもこんな感じなの?」
……チッ、空気読めねえなこのカラシ野郎。頭ん中空っぽか? オズの魔法使いの案山子かよ?
「まあ大体こんな感じ。まず初めに今の自分の目標を宣言することで『それを使うことができるようになった自分』を想像しやすくすることができるし、気合も入る。目標設定は結構大事」
「毎回手を変え品を変えはしますけど、大体こんな感じですね」
「慣れろ。俺は慣れた。そして慣れる度にまた上を行かれる」
「……あっそ。まあともかく、はたけカカシだ。ナルトの言う『効率のいい修行』を見に来た。もしかしたら俺にもできるかもしれないからな」
「「絶対無理」」
「チャクラが足りないからまあ無理だと思うぞ。見るだけなら好きにしてくれて構わんけども。
さて、それではいつもの通り生徒たちにチャクラを分け与えていき、同時に多重影分身の印を組んでもらいます。それから術を発動すると……」
「「多重影分身の術!」」
「このように各々千兆体の影分身が出来上がります。影分身の経験は本体に蓄積されるため、十分から三十分、長くても一時間ごとに全ての影分身の経験を蓄積させるために修行の内容をしっかりと反芻しながら術を解いてもらいます。するとたったの一時間で千兆時間、日数に直して四十一兆六千六百六十六億六千六百六十六万六千六百六十七日分、月数に直して一兆三千八百八十八億八千八百八十八万八千八百八十九ヶ月分(小数点第一位を四捨五入)、年に直して千百四十一億五千五百二十五万千百四十一年と半年強。それだけの分の修行ができます!」
「……えっ? 死なない?」
「精神的に死にそうになったらこの月の光の懐中電灯を使うことで精神を回復させることができるぞ!正気度は……まあ元から在って無いようなものだから気にすんな! さあ修行だ!サスケは須佐能乎で防ぐことができるものについて色々知っておくべきだ。恐らくだが、須佐能乎は力そのものを遮断できる。何が言いたいかと言うと、重力を遮断すれば空を飛ぶこともできるはずだと言う事だ!やってみろ!」
『おう!』×千兆
「ヒナちゃんはあれか、威力のある必殺技が欲しいんだな? だったらこれだ、螺旋丸。仙術を合わせたり性質変化を合わせたりすればいくらでも威力の上がるいい術だぞ!ちなみに自然エネルギーと身体エネルギーとをいい感じに混ぜた仙法螺旋丸は、チャクラのプラスマイナスをちゃんと理解できるようになり、かつそれを扱いこなすことができるようになると尾獣玉が生身で撃てるようになったりするから頑張ってみ!」
『はい!』×千兆
「とりあえず十分だ!十分やったら十五分休憩、それからまた十分修行、十五分休憩と繰り返していく!暴発させて死ぬなよ!」
『了解!』×二千兆
「まあこんな感じ? やります?」
「死ねるからやめとく……ああ、いや、十とか百とかなら疲れるだけで済む……か? と言うかチャクラは平気かこんな使って」
「忘れてるかもしれないから一応言っとくけど俺影分身だから。影分身でもこの二人をそれぞれ千兆体に影分身させるのを二十五分ごとに一月繰り返しても全然平気。それが俺だから。尾獣にすら『お前人間じゃねえよ。人間の姿をしてるだけの人間以外の何かだよ』とドン引かれるから」
おっとカラシ野郎も引いた。そして頭痛そうだ。
「まああれだカカシ、慣れろ。ナルトなら例え死者蘇生とか時間停止とか時間逆行とか世界間移動とかイザナギを幻術返しして自分の好きなように世界を弄るとかそういう事を当然のようにやってきても何もおかしくないから」
「そうですよカカシ先生。ナルト君なら自分のチャクラを世界中に広げてからチャクラ吸収で全てのチャクラを自分に集束させて奪い尽くしたりとか十尾に幻術をかけて輪廻写輪眼でイザナギ使わせて相手の願いも努力も根本から粉砕したりしても何もおかしくないんですから」
流石に十尾に幻術は無理……ああ、いや、写輪眼で幻術掛けられるはずだからいけない事は無い、のか? だが写輪眼って元が十尾の瞳術だから効果あるか怪しいな。写輪眼同士なら問題ないはずだが、効くか?
「……ともかく、俺も参加したい。数は百くらいで―――」
「わかりました百京ですね」
「単位がヤバい!? 違う!俺初心者!人外道初心者だから!いきなりその桁数は無理!精神が焼き切れて死ぬから!」
「いやいやいけるいける」
「いけない!行けないって!」
「えー? じゃあ一万くらいにしとく?」
「いや、だから百……」
「え? 百万?」
「だから桁がおかしいっての!百!ただの!百!」
仕方ないのでカラシは百だけ出して修行させた。寂しいねぇ……二千兆と一人の中に百人がぽつんと……寂しいねぇ。
Q.ぅゎなるとっょぃ
A.人外道師範の実力は伊達じゃないですね
Q.カカシは……どんな強化がされるの?
A.チャクラ量増加、視力回復、持ち物に仙豆を追加、くらいですかね?