side うずまきナルト(影)
影分身の俺は今日もサスケとヒナちゃん、カラシの修行に手を貸しているんだが、ここに新しく一人追加されることになった。
「春野サクラです。医療忍術と幻術、それとちょっとした体術を修めています。目標はナルトに貰った禁術をマスターすることです」
「それだけじゃなくサスケの強化もしてもらう。サスケに思考速度を上昇させるだけの幻術をかけてやれば、その思考速度でチャクラコントロールをすることにより須佐能乎の能力が格段に上昇するだろうと踏んでの参加になります。勿論本人の強化もするから楽しみにしてね。何人から行っとく?」
「五千兆からで」
「「止めろ死ぬぞ」」
「今までも色々やってきたなら大丈夫!がんばれサクラちゃん!」
「頑張るわ」
そう言う訳でバクラが参加することになった影分身修行だが、チャクラコントロールを極めようとしていたバクラにはうってつけの修行方法だったらしい。実際、この修行って身体能力によらない感覚的な物に対して単純な結果を求める時が一番効果が高いんだよな。チャクラのコントロールだとかそう言うのに最適。逆に体力作りには不適。なぜなら身体に負担がかかる運動量だと影分身が消えるから。チャクラの集束が過ぎて火傷するくらいになると影分身も消えるな。俺のはともかく。
さて人数を増やした修行だが、問題が一つ。数を増やしすぎて戻ってきた時に発狂してしまったカラシを殺害から蘇生して発狂状態を解除したんだが、その場にいる誰も倫理的に問題がありすぎるこの光景に何も言わなかった。状況やらなにやらから最終的に生きているんだったらそれでいいと言った感じなようだが、そもそもこいつら全員死に慣れすぎていると考えられる。バクラの場合は記憶に何度も何度も刻み付けすぎて焼き払っても記憶が死の形に固定されてしまった部分があるのかもしれない。
そんな訳でそこそこに強くなれたカラシは六代目として復帰……と思ったら五代目であるナメクジ女が昏睡状態から復活。再び火影として行動し始めたためカラシは暇になって出戻りしてきた。ちなみにその時俺は笑った。
時空輪廻の術は隠遁の究極系とも言える術として作り上げた。世界全てを幻術にかけ、一度体験した未来を記憶したまま自身を含めて過去に戻る。戻った時にはしっかりと記憶があるのは本人だけで、本人が全く同じ行動をすれば未来は全く同じ形になるが、違う行動をとればそれ相応の形に未来は変わる。イザナギとの違いは、自分も幻術として消してしまうことでリスクが全く無い事だ。なにしろ術を発動したという事実そのものが幻として消えてしまい、結果だけが時空輪廻を発動する以前の時間の自分に伝わるのだから。
ただし対象が世界という非常に広い物である以上、相応のチャクラを消費する。加えて自身の記憶の保護をするために正確なチャクラコントロールが必要になる。
そこでバクラの五千兆の影分身のうち、本体を含めた二千五百兆に陰遁の強化をさせもう残りの二千五百兆にチャクラコントロールの修行をさせる。基礎は木登り、次に水面歩行、それからチャクラ糸を作らせ自在に動かさせ、模様を作ったり編み物をさせたりして、さらに一度チャクラ糸で作り上げた布を糸ではなく板に変え、そこから一本ずつチャクラ糸を引き抜いて元の糸の数にさせたりもした。ちなみに俺はチャクラ糸で作ったナスカの地上絵を立体化させた物を動かし、サスケの完成体須佐能乎を追い掛け回していた。地縛神の魚っぽい奴だ。サスケは溶岩水泳をしながら必死に逃げていた。
やっぱり修行には時間が必要だが、その時間が無い時には数で補える影分身は便利すぎてやばいな。それにこの方法だとバクラが時空輪廻を覚えたら俺も使えるようになるわけだし。超便利。
……こいつらここまで俺に頼りっぱなしだと後々俺に頭上がらなくなるんじゃないか?
とにもかくにも修行を続けていたんだが……ナメクジ女によって俺は雲隠れの飼ってる大亀の所で過ごすことになってしまった。まあ影分身残していけばいいだけだから全く問題はないけどな。俺自身影分身だし、場所は覚えているから転移とかも可能だしな。
まあこいつらにとっては何も変わらないし、俺にとっても新しく分身が一つ少し遠い所にまで行くだけでしかない。さっさと行くか。
Q.五千兆は流石に無謀過ぎないですかねサクラさん……
A.精神力だけで言うならナルトの弟子三忍の中で最強はサクラです。POW21くらい。SANチェックは確定成功。ただしSANの現在値は幻の一桁。いい幻術を見るとモリモリ回復、悪い幻術でガリガリ削減されます。
Q.上の説明読む限りサクラって精神的に神話生物にしか思えないんだけど?
A.男からすれば女子はみんな神話生物みたいなものでしょ(暴論)まあ逆もまた然りですが。