NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~135

 

 side うずまきナルト(影)

 

「俺の名前は『うずまきナルト』

 あんたは知ってる『キラー・ビー』だと

 あんたの特技は頭八刀(ヘッドバット)

 コンビで放つ絶牛雷黎熱刀(ダブルラリアット)

「俺も知ってるうずまきナルト

 俺と同じ人柱力と

 俺の中には八尾の八っさん

 お前の中には九尾がいると」

「……あーうん、なるほど。俺も言うほど上手くはないが韻を踏む位置がバラバラだったりリズムが途切れて悪くなったりすんのな。技術面はともかく楽しくできるってんなら何も問題はねえけども」

 

 下手だ下手だと言われていたのは覚えていたが、直接聞いてみると確かにこいつは下手だ。初手でこっちからラップで仕掛けてみたが、返ってくる答えがあれとはな。かなり前からそんな感じだったそうだし、成長は見込めないと思った方がよさそうだ。

 

「その口調、楽しんでるか?」

「俺のライムはすなわち人生!

 けれどブラザーたちまち呆然……」

「ライフワークがあるのは良いことだな。ちなみに俺のライフワークは世界中に影分身を放って眠りながら各地の旅路を楽しむことだ」

 

 作者的にはこういう癖のありすぎる口調はいちいち文章考えるのが面倒で今の今まで出番が遅れてたんだが、話してみれば悪い奴ではなさそうだ。同時に何となく疲れそうだが。

 

『よう牛鬼、久し……牛鬼、だよな?』

『……Zzz』

『寝てやがる……と言うか何だこの姿』

『なるとがなにそうぞうしたのかでかわるんだからかんがえるだけむだだろ』

『ちなみに何考えたんだ?』

 クトゥルーな。蛸っぽいのは知ってたから蛸っぽい渾名を付けるとしたらクトゥルーかあるいはうわへへになってた。うわへへよりはいいかなと。

『蛸から想像してうわへへが渾名になるとかいったいどういう思考の繋がりがあったのか全く分からん……あ、解説はいらないからな。されても多分わからん』

 ちなみに想像した人間化クトゥルーは赤紫の芋ジャーに寝ぐせと身体が全体的に弛んでむっちむちな美人さんのイメージでございます。APPで表すと身体は弛みまくってるくせに驚きの16。俺の想像できる範囲だとこれくらいが限界だ。ニャルラトホテプの化身も見たことがないでもないんだが、あれと同じ顔の存在を近くに置いておきたくない。できれば同じ世界に存在してほしくない。俺も一応人間なんでSAN値に限界ってもんがあるんですわ。

『嘘つけSAN0だろお前』

『SAN0じゃないとか冗談きつい』

『あのあかいとりとたたかったけどかなりつよいぞあのとり。みてるだけでなんかくるし』

『あの赤い鳥に羽を毟られかけてマジ切れして惨殺したのは俺だ』

 九喇嘛共、お前ら後で神樹の枝にぶら下げてやるから覚悟しろ。枝だからチャクラは奪われないぞ、よかったな。

『……ふぁ……誰だぁ?』

 お、起きた。騒いだからな。すまんすまん。まずは挨拶からだな。

 俺はうずまきナルト。九喇嘛の人柱力としてここに居るが実はこっそり守鶴と七尾の人柱力でもある。

 

「おいそれは聞いてねえぞ、馬鹿野郎、この野郎」

「こっそりやってるからな。知らなくて当然、知ってたらむしろ呆然」

 

 すっげ、拳を合わせて何となくでも内心がわかるのか。チャクラ感知の応用だと思うが、多分この図太い性格とは裏腹にかなり感受性は高いんだろうな。

 それはそれとして挨拶がまだ途中だ。

 

 俺は他人の名前を覚えるのが苦手で、覚えようとして大体五年から十年くらいかかる。だから勝手にあだ名をつけるんだが、いいか?

『……内容次第だな』

 クトゥルー。

『……なんでクトゥルーだ? 俺の名前は九喇嘛から聞いてるだろ?』

 ああ、覚えられてないけど聞いてる。牛頭天皇だっけ?

『牛鬼な、牛鬼。読みが一切合ってねえじゃねえかよ……ふぁ……悪い、こうなってから妙に眠くてな……』

 まあクトゥルーだからな。深海にて封ぜられ眠り続ける水の最大神格だ。形だけでもその姿を取っていたらそら眠くもなる。ちなみにショ狸は風が得意で黄色っぽいから黄衣の王にでもしようと思ったこともあったがやめた。実のところあの神話では水の神格が一番話を通しやすいからな。例外もあるが。

 逆に火は一番話が通らないイメージがある。土は一番ビジネスライクな話ができて、風は水と土の中間って所か。当然例外はあるが。

『……九喇嘛。こいつは何の話を……九喇嘛、だよな?』

『九喇嘛だぞ』

『九喇嘛だぞ』

『しゅかくだぞ』

『重明だ』

『…………お前ら、変わったな。俺が言えることじゃないが……変わったな。特に九喇嘛。なんで増えてんだお前』

『封印の形態がそう言う奴だったんだよ気にすんな』

 

 まあ、ともかくこれで挨拶は済んだ。ちなみに本体は自分で作った異空間で寝ている。影分身ってのは本当に便利な術だな。

 




Q.褐色筋肉モリモリマッチョグラサンが本気になると全体的に緩い女になるとか草も生えねえんだけど
A.大丈夫、加減すればちゃんと普通の尾獣化もできる。やり方知らない? 覚えろ。

Q.土とか風とか水とか何の話?
A.クトゥルフ神話に後付けされたと思われる属性の話。

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