※木の葉襲撃から五影会談の間の出来事です
side うずまきナルト
色々なことを考えるのは好きか? 俺は寝たい時と寝ている時以外なら色々考えるのは嫌いではない。時々よくわからん結論に到達したりすることもあるが、ただ考えるだけなら被害は出ないからな。
そして何より、考えているだけなら何を考えていても全てが許される。木の葉の里を百度火の海に変えようと、世界全土に神樹を植樹して全体的に神樹畑にしてしまったとしても、月からやってきたどっかの一族を相手に無双して『いつか帰れるといいなぁ……』とか言った直後に超圧縮したチャクラの気弾で月を消し飛ばしたりしても、オカマ丸の本体の白蛇のあれでヨーヨーやっても、俺の今いるこの世界全ての存在の性別が逆だったらどうなっているかと言う想像を膨らませても、ラスボスの兎の女神がチャクラ不足で幼女になってたらとか、オトビが突然現れて荒ぶる鷹のポーズを決めて約2〜3秒の空白の後に何事もなかったかのように姿をくらました場合の里に与える影響とか、そんな感じのそこそこ大きなことから大したことない下らないことまで、何を考えてもどんな事をしても許される。想像の中ならな。
ちなみに最近のトレンドは『九喇嘛×守鶴にするにはどんな過程をたどれば可能か』と言う凄まじく実のない思考だ。そこそこ興味の出る暇潰しにはもってこいの議題でありながら何の意味もない、そして万が一実行できてしまったとしたらとても面白い。そんな感じの話だ。偶然にも俺の思考を何となく読んでしまった守鶴は死にそうな顔をしていたがな。なお結果は大抵『無理だろ』に落ち着く。当然だな。最悪の手段として幻術でどうこうするというのも考えたが、それは九喇嘛×守鶴ではないから無かったことにした。馬鹿なことを考えるのはとても楽しい。この世界では馬鹿なことを考えていると時々命を狙われてたからな。そんなことをしている余裕は無かったんだが、ようやく余裕ができてきた。あの時木の葉の奴らから記憶を抜いといて正解だったわ。なお抜いた記憶は『俺に関わる全て』だったので俺の存在だけでなく俺の構成要素の一つとも言える九喇嘛の事も忘れている奴が結構多かったりする。なぜならそいつらにとっては俺と九喇嘛は等号で結ばれる存在だったからだ。実際には全く違うんだが、そう言う話が通じているなら俺は木の葉を抜けてない。原作ではよくもまああの里を積極的に守っていく火影なんて仕事に就いたよな、うずまきナルトは。
また俺はのんびりと適当なことを考える。例えば俺が木の葉以外のどこか適当な場所で大食い大会にでも出たらどうなるか。昔は昔でかなり食えたが、この身体になってからもどんどん食える。まず間違いなく俺が優勝できると思うが、何かの忍術でも使っているんじゃないかと言われたら何も反論できないな。参加するとしたら間違いなく姿を残さないために変化の術くらいは使っているだろうし。
そう言えば俺が想像した尾獣たちの中でおよそ人間の形をしていると思われるのはショ狸、長靴猫娘、ワン娘、クトゥルー、ロリ狐の五体。キモイルカは……俺の想像通りならまあ人間の形をしていると言ってもいいのかもしれないが頭が完全に海豚になっているはずだし人間と言われて想像できる姿からはやや遠い気がするから除外しておいた。
……ここまでのんびりと意味の無い事を考えられたのは本当に久しぶりだ。まあ、こういうのが続くと今度は刺激が欲しくなるんだが、メリハリが大事ってのは人生においては当然のことだ。今のように緩みまくった時間が全くないというのは問題だし、同時に今までのように張り詰めっぱなしと言うのもまた問題がある。馬鹿みたいなことを考えるのは単純に悪いことにはならないもんだ。
ただし、俺がこうやって馬鹿みたいなことを考えている事が他人を揶揄う時に出てしまったりもするんだが、被害は俺じゃないしまあいいだろう。
『かんべんしろよ……こっちはつかれんだよ……』
無理を言うな。お前人間が呼吸すんなと言われて呼吸しないでいられると思ってんのか? 無理に決まってるだろう?
『そのれべるかよ……おまえのたにんをからかうしゅうせいはたましいにきざまれてんのか?』
その通りだがそれがどうかしたか?
『だんげんされるとはおもわなかった』
事実だから仕方ないな。何度も転生のようなことを繰り返している俺が言うんだから間違いない。そして俺にからかわれる奴は基本的に救われるか破滅するかのどちらかだ。多分お前たちはどちらかと言うと救われる方だと思うぞ。良かったな。
『よかった……よかった……? よかったとはいったいどんないみのことばだったか……?』
また随分と悩んでいるようだが、それもまた楽しいな。うん。
Q.ちなみに九喇嘛×守鶴にするにはどんなことが必要?
A.マジで聞いてるなら、とりあえずこいつら両方記憶消して関係を再構築させるところから始めないとまず無理。
Q.どれだけ無駄なこと考えてるの……?
A.暇潰しの相手が来るまで。