NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~12

 side うずまきナルト

 

 予想通りと言うかなんと言うかマジで遅刻しやがったのでこっちも本当にやることにした。後悔しやがれクソが。

 

 爽やかな朝。具体的には午前五時三十分。一千万体のカラシ野郎がそこらじゅうで曲に合わせてモリヤステップを踏んでいるのを眺めながら、俺は呼び出された演習場で作った塹壕のような洞穴のようなものの中で寝袋に入ってひと眠りすることにした。ちなみに踊っているカラシ野郎たちとして出した影分身たちは修業に使ったそれとは別の奴らなので修行の内容が踊りで埋め尽くされたりはしない。まったく問題ない。

 いや、実際には影分身を止めようとしている見知らぬ上忍たちや特別上忍たち、そしてカラシ野郎本人が現れて色々となんか言ってたり攻撃しようとして来たりしたが、全員怪我を負わせないようになぎ倒してステップを踏み続ける。ちなみに雷切には雷切を、木の葉剛力旋風には木の葉剛力旋風を、火遁には火遁、水遁には水遁、土遁には土遁、風遁には風遁、雷遁には雷遁で返し続けていたらどう見てもコピー忍者にしか見えないよね。

 それと、俺の影分身は俺の身体能力を完全に受け継いでいる。つまり、影分身状態で寝ればなぜかチャクラが回復するし、身体の強度が異様に高いから物理系の術はほぼ全くと言っていいほど機能しない。火球ぶつけられても痛くないし、水の槍を叩き付けられても刺さることも無ければ打撲にもならない。土や風も同様。雷だけは若干体の中に通るが、まあ気にしなくてもいいレベル。

 問題は特殊な術、例えば影縛りとかだが、チャクラ任せに振りほどけるのが大半。封印や結界もチャクラ量でどうとでもなるし、幻術も同じく。と言うか影分身なんだから幻術とかほぼ無意味。

 そのままついでにちょっと普段は入れないようなところにも入ってみたりしたが、まあ本当に色々と出てくるものだ。黒い物から後ろ暗い物、ついでに九尾の人柱力、つまり俺の飼育計画書とかな。

 

 そんなこんなで木の葉の里を突然のカラシパニックが襲ったわけだが、不思議なことに二時間もするとまるで影分身が消えるかのように全てのカラシが消え去り、木の葉の里は平穏を取り戻したそうだが……いや実に不思議だ。ついでに演習場やら忍者アカデミーには奇天烈な音楽と一緒に奇妙な踊りを踊りながら無表情で近づいてくる不審なマスクマンは出てこなかったらしく、子供たちにトラウマが刻まれるような事は無かったらしい。

 

 で、さらに二時間後。異様に疲労しているように見えるカラシ野郎が原作と比べて早々と演習場にやってきた。ちなみに俺はバクラとサルケを巻き込んで朝飯を終わらせておいたのでそこまで腹は減っていない。

 ただし、カラシの方はここに来るまでの間色々と苦労をしたらしい。里の奴らの間でひそひそと噂をされて精神的にも多少削られたようだ。

 

「……すまん、遅れた」

「なんか異様に疲れてるように見えっけど、何かあった? ここに来る途中で困ってるおばあさんを助けたら山盛りの荷物とおばあさん本人を背負ってやたらと険しい岩山を登らされたとか」

「いや、それは無い。それは無いが……まあ、いい。始めようか」

 

 今の今まで後処理やらカラシの姿をとって木の葉中で奇妙な踊りを踊っていたのは誰だ、あるいは何故だとかそんな話をしていたのは知ってるし、自分には全く心当たりがないのに妙に攻められるのが嫌で任務と言うか俺たちとの約束を引き合いに出して抜け出してきたのは知っているが、まあここは適当に『まあ無いよな』と言うことを並べておいた。まあ実際そんなことがあるわきゃない。あるとしたら絶対何かしら仕組まれてる。俺なら仕組む。

 で、ルールは割と簡単。カラシの腰にぶら下がった鈴を昼までに奪い取れば合格。ただし鈴は二つしかなく、誰か一人は必ずアカデミーに戻されるとか。まあ実際に戻されるとなったら間違いなく一人が戻されるって事は無いんだろうけどな。木の葉の里では基本的に任務は四人一組。下忍の場合は下忍三人につき担当上忍一人がつくのが決まりになっている。戻されるなら一人ではなく全員だ。

 と言ってもこのルールだと一回奪ってから返してまた別の奴に奪わせれば問題なく三人とも合格取れたりするんだが、普通の下忍にゃまあ無理だろう。まあ原作ナルトは下忍のままあの大戦に参加して五影以上の働きをしたが、そんなのは特殊例も特殊例。まともに数えちゃいかん。

 まあとにもかくにもまずは実力確認っと。

 


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