NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

158 / 195
NARUTO~146

 

 side うずまきナルト

 

 大体の想定はしてあった。カラシはトビオの事を先に知っているから衝撃を受けることもなく、救いたいと思いながらも結局は何らかの形で一度無力化しなければならないことを分かっていた以上はそれを実行するだろうと。

 そして外道魔像からほぼ全ての尾獣が抜かれ、十尾復活が遥かに遠のいてしまった上に透過による防御もできなくなったトビオが最後にやることとなればそれはもう決まり切っている。自分でどうにもならなくとも、それを何とかできるだけの存在を呼び出すことだ。それこそ命を捨ててでも。

 原作だったらナルトが意思を見せつけて立ち戻らせるんだろうが、残念ながら俺はナルトではあるが原作のように火影を目指そうとはしてないんでな。カラシだけじゃあ説得不可だったようでトビオは外道・輪廻転生でマダラハゲを蘇らせ、蘇ったマダラハゲはオトビから輪廻眼を奪ってカラシを攻撃、周囲に隕石を降らせて忍連合を瓦解させた。

 そのころにはオトビを倒さんと多くの忍びが集まってきていたし、五影もその場に到着していたんだが……まあ、普通に考えてボコられるわな。唯一対応できていたのが完成体須佐能乎を纏ったサスケと身体能力がそろそろ人外になってきたバクラ、そしてチャクラ糸で全ての攻撃を威力二倍で跳ね返せるヒナちゃんくらいだ。マジでヒナちゃんがいなかったら忍連合壊滅してたんじゃね?

 

 原作ではまず穢土転生を相手にする一段目、オトビが出てきた二段目、マダラハゲを相手にする三段目があったがこの世界においては穢土転生はこちらの味方、さらに一段目の敵である白い方のゼツはほとんど被害を出せずに片付けられた。二段目ももう終わり、三段目がこれから開始されるわけだ。まあこの後にもう一段残っているがそれはまあいいな。

 続々と穢土転生体が集まってくる。加えて各地で戦っていた連合の忍もだ。相手は輪廻天生にて完全体で蘇ったマダラハゲ。完全体ではげと言う事は置いたらマダラじゃなく完全なハゲになるのだろうなとどうでもいいことを考えつつ、隣にいる男に話しかける。

 

「クレイジーサイコホモがお前の弟を見つめて『いいな……お前をよこせ』とか言ってるけど行かないでいいのか?」

エェェェェェェェェェェェェェェ…………」(ドップラー効果)

 

 おお、速い速い。実際にはマダラハゲはサスケの目を見て『いい(眼だ)な……(俺の眼が戻るまで)お前(の眼)をよこせ』だが、まあ一部省略しただけだし問題なかろう。と言うか俺が飛雷神で送った方が早いと思うんだが、全く気付くことなく走って行った。ブラコンここに極まれりって奴か。ブラコン怖いわー。

 ちなみにだが、俺はトビオが奪った輪廻眼の右の方がどこにあるかは知らない。ただ言えるのは、あの目を使ったところで六道仙術以外の瞳術などは一切使えないと言う事だ。当然だ、俺はそう作ったんだから。自爆させることもできるが、まだやってもらわないといけないことがあるから暫くは手を出さない方向で行く。俺が直接それをするより勝手に動き回っている奴が俺の目的もついでにやってくれるんだったら、俺はそいつがやりすぎた時にその首を刎ね飛ばして眼球を爆破し脳漿を地べたにぶち撒けさせるだけで済む。そしてそれをサスケが攻撃したのに合わせれば完璧だな。

 だが、マダラハゲを殺しただけでは終わらない。兎の女神の最後の子供が色々と暗躍しているはずだからな。そいつを殺すなり封印するなり洗脳して太陽に飛び込ませるなり月の転生眼使いの所に行かせて全員を乗っ取らせて自爆させるなりしておかないと俺の愛する平穏が遠のいてしまう。

 マダラハゲは殺す。兎の女神も殺す。兎の女神の最後の子供、毒舌も殺す。十尾の殻である外道魔像はあらゆる特徴も残らないレベル、具体的に言うなら原子レベルまで崩壊させられればそうするし、チャクラにしかならないと言うなら純粋なチャクラになるまで分解して俺の世界に植えてやる。まあ枯れ木も同然だからいつか倒れ朽ち果てて吸収されることになるんだろうがな。

 ペインは世界平和には痛みが必要だと言っていた。実に正しいと思う。家庭や村と言った小さな世界であるならまだしも、文字通りに世界全てに平和を齎すならばそこには必ず痛みが必要だ。それこそ何十年単位では到底忘れられないようなとてつもない痛みが。中には痛みを覚えていてそれでも戦いを望む奴もいるから一概には言えないんだが、大抵の奴は痛みを受ければ大抵覚える。ただし、それは継続的な痛みではいけない。人間は良くも悪くも慣れる生き物だ。一度は耐えきれないほどの痛みを受けて二度とこんなことが無いようにと願ったところで、常にその痛みに晒され続けていれば慣れてしまう。痛みが大きければ大きいほど慣れるには時間がかかるだろうが、それでもいつかは受け続けた痛みをそういうものだと認識して当然のように動き回る奴が必ず出てくる。だからこそ、痛みは継続的な物ではなく断続的な物でなければならないのだ。

 百年に一度の大災害。百年では人間の代は二つか三つ、多いと五つくらいは変わるから長すぎるかもしれないが、だったら二十年に一度でも構わない。結局のところ、戦争を起こそうとする度に何かが起きて戦争などやっている暇が無くなればいいわけだ。戦争を吹っかけようとした国の真下で偶然にも直下型の大地震が起きて物的資産も人的資産も纏めて失えば、周囲の国に対して頭を下げて救助を求めるくらいしかできなくなる。結局のところそうしておいた方が世界は平和に進んでいく。

 

 まあ、理想論だな。できたら面白そうではあるが。

 




Q.もしも理想論が現実になった場合、どんな世界に?
A.ゴッドイーターか進撃の巨人、あるいはモンハンっぽくなると思われます。

Q.トビオとかカラシはまだいいとして、マダラハゲって出てくるたびに気が抜けるんですが
A.そう言うキャラだからね。仕方ないね。フルフルニィさんでもいいよ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。