side うずまきナルト
まずはヒナちゃんを見つけて巻きつけられた樹をはぎ取る。再生がうっとおしいので求道玉で斬り落とせば再生することなく取り出せた。
そこでちょいと幻術返し……とできればよかったんだが残念ながら無理だったのでこっちから無限月読の世界に侵入していく。ついでに俺は平気だったんだが俺の中にいる九喇嘛や守鶴、昆虫王者達は全員無限月読にかかったままなのでこっちの方も解術させていかないといけない。めんどいがやらざるを得ない。なにしろ尾獣たちの多くは兎の女神ごと解体したからな。チャクラとして奪った分もあるが殆どを俺の術を介したせいで俺のチャクラとして認識されるようになっているし、本当に面倒臭い。
そんなわけでヒナちゃんの無限月読の世界に潜入しまーす。お邪魔します。
入ってすぐに俺は色々な意味で圧倒された。右を見ても料理。左を見ても料理。そしてそんな料理にかじりつく年代様々なヒナちゃんたち。ついでにどこからか料理の追加を持ってきたりヒナちゃんに食べさせたりキタキタ踊りを踊っていたりしている俺。場所は不明。
まあともかく俺が出した覚えのない俺がこれだけいる時点でここが俺のあずかり知らぬ場所だと言う事がよく分かった。ちゃんと無限月読の世界に乱入できたと言う事だろう。これからこの世界をいい感じに引っ掻き回して夢だったと言う事にしなければならない。無限月読の世界が幻術を掛けられた存在にとって都合のいい幻術世界であるという術の基本理念があるが、要するに術を掛けられた当人が嫌な世界だと心底思うことがあれば無限月読の拘束力は著しく弱まることになる。それを見計らって外からチャクラを乱してやれば、なんとかなるだろう。
外には現在自由に動き回っている穢土転生達がいるが、一応喧嘩はしないでくれているらしい。それどころか周囲の警戒までやってくれているようだ。まあ一応マダラハゲの死体と初代火影の穢土転生体が接触することで六道仙人が出てきて色々と話をしてくれているのは知っているが、まあはっきり言わせてもらうが面倒臭い。単なる事実として面倒臭くて仕方ない。六道の爺さん、俺の事は話さなくてええねんでー。
さて、この食道楽の世界を無茶苦茶にしなければいけないわけだが、やり方自体はそう難しくない。何しろかけた相手は十尾の人柱力だが俺もまた十尾の人柱力、しかも不完全な一体しか入っていなかった相手に比べてこっちは日々増殖を続ける十尾だけでできた森林が俺の中にできている。出力も権能も格が違うんだよ格が。
ただ、十尾を一体取り込んで人柱力になると額に眼ができる。百とか千とかそんな数字じゃ追いつかないくらいに体内に十尾を封印している俺はどうなのかと言えば……あれだ、額の眼が複眼みたいになった。しかも複眼なら一つ一つはのっぺりした六角形だが、俺の場合は一つ一つが独立して動く輪廻写輪眼だ。それも全部違う瞳術を保有してるやつな。さらに全体の模様が大きな輪廻写輪眼を描いていて普通に見る分には違和感は全く感じないし、全ての輪廻写輪眼を同時に発動することでチャクラ消費のみと言う実質的にノーリスクでイザナギが使えるようになると言う……やばいなこれ。
まあともかくそう言う訳で無限月読に干渉すること自体は簡単にできる。そこでまずいつも通りに修行を吹っかけることにした。
「起きないとヒナちゃんのチャクラを勝手に使って影分身して強制修行させちゃうぞ」
「モグモグ……ふぇ? ナルト、くん……?」
「おはよう。迎えに来たよ」
「えっと…………ああ、うん、そっか。そうだったね。ここ、幻術の世界だったっけ」
「そう言う訳で幻術内で精神を鍛えよう、チキチキ断食修行のコーナーです。なお今回の修行はヒナちゃんが幻術から覚めない限り終わらないし終わらせません」
「だ……断、食……」
「断食。大丈夫だ俺も付き合うから。なーに人間数ヶ月くらい食わなくても死なないって」
「私は死ぬよ……?」
「わー儚い笑顔。なおこの修行も当然影分身を用いて行います。千兆体の影分身の空腹も同時に味わうことになるから早く起きないとマジで発狂するから早めに起きた方がいいと思うぞ」
「だんじき……だんじき……しんじゃう……」
おっと修行の内容を聞いただけでこの世界のあらゆる場所から希望が消えたような声を出している。要するに準備が整ったと言う訳だ。
外からヒナちゃんの背に触れて、チャクラの流れを掌握。一度止め、経絡が内側からはちきれる寸前のところまでチャクラを流し込み、一気にかき混ぜる。すると無限月読の世界はあっさりと崩壊し、ヒナちゃんの眼は覚めた。
「……だんじきはやだぁ……おきたよ? ちゃんとおきたよ?」
「あーよしよし大丈夫大丈夫、幻術の中じゃ無かったらやらないから。リアルにやったらヒナちゃんが死んじゃうのわかってるから絶対やらないから大丈夫」
暫く使い物にならなそうだな……それとそこの眉のない水影、茶化すな割とマジで精神崩壊寸前なんだ。
Q.断食の一言で無限月読から解放されるとかこわ……
A.無限月読は幸せな世界を作り出します。幸せでなければ無限月読ではありません。幸せでなくすればただの幻術になります。跡は解くだけ。ね? 簡単でしょ?(簡単とは言ってない)
Q.ヒナタは断食発言によってどれだけ追い詰められたの?
A.SANチェック強制失敗から10D10くらい。