NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~155(本編最終話)

 

 side うずまきナルト

 

 戦争が終わり、五大国が同盟を組み、戦争らしい戦争が無くなり、世界は大体平和になった。五代目であるナメクジ女が歳を理由に引退したが、若返ってるからそんな事は無いはずだ。まあ仕事が面倒になって次の代に押し付けようとしたんだろうな。そんな理由で継がされるカラシ野郎も少々……いや全く可哀想じゃないな。大笑いだ。笑わんが。

 そんな平和な世界で俺は、ほぼ誰もが俺を忘れた木の葉の里で普通に暮らしている。木の葉の里が襲撃された時に任務などでいなかった奴らくらいしか俺を知らないが、そう言う奴らも俺に仇為す奴であれば容赦なく記憶を消去してやった。お陰で今はのんびり過ごすことができている。

 ただ、忍者としての俺の記録は残っていても俺と言う個人の記憶のほぼ全てが消え去ってしまっているせいで、難易度はともかく重要度の高い任務はあまり与えられなくなった。精々サスケが探し物をする時に影分身用のチャクラの供給を頼んでくる時くらいしか任務らしい任務を受ける事は無い。悠々自適な生活。いいな。とても。

 

 だが、そんな俺の生活にも時々闖入者が現れる。その多くはヒナちゃんで、俺の用意した食材を使って色々と料理を作ったりしている。食わなくても生きていける植物のような俺にとっては食事は文字通りの意味で余暇にしかならないんだが、それでも食べられるなら食べておきたい。実際に腹が減る事は無くとも空腹感はあるからな。

 ……驚くことにいつの間にか俺とヒナちゃんの間柄は一般的に言われる夫婦という物になっていた。俺は書類にサインを書いた覚えも判を推した覚えも無いんだが、いつの間にやらそういう事になっていたらしい。入れ知恵したのはバクラだろうな。今度会ったらSAN値直葬させてやる、と決めたのも既に数年前。なんだかんだとあったせいでまだSAN値直葬できてないが、そろそろやってもいいんじゃなかろうかと。少なくとも子供ができたらしばらくはできないしな。

 ちなみに月に住んでた奴らは皆殺しにした。具体的には転生眼を尾獣に見立てて俺に封印することで条件を達成し、その上で一人一人殺していった。力の源が俺の中にある以上大した力が出せなくなった……あー、うん、名前忘れた。東武練馬とか東京都練馬区越谷とかそんな感じの名前だったと思うが、ともかくそいつがヒナちゃんの妹から奪った眼を奪い返して切り刻んでおいた。あと月を物理的に砕いてしまったので新しく一つ浮かべておいた。今あの空に浮いている月は俺のだ。だから爆破もできるようになったし軌道を操ることもできる。色々な意味で俺に逆らえる奴とかいなくなったな。誰にも言ってないが。

 

 で、そんなことがあってから俺はヒナちゃんと公的にお付き合いを始めることになった。ヒナちゃんの妹を救ったことも考慮されての事だと思うが、一番の理由はヒナちゃん自身がそれを望み、それを妨害するなら親でも殺す気概を見せたせいもあっただろう。あの時のヒナちゃんは大分強い圧を放っていたからな。俺が圧を感じ取れるレベルなんだから周りがどうなったかはまあ御察しと言う奴だ。

 ちなみに結婚式は小さめに上げた。記憶を失っている奴らは日向一族の宗家の長女がどこの馬の骨とも知れない男に嫁ぐのが我慢ならないという風だったが、真正面から言ってきた奴にはともかく陰口をたたいていた奴には制御なしの全力の殺気をプレゼントしておいた。制御なしだったせいで辺り一面に振り撒かれ何十人か心臓麻痺あるいはショック死しそうになったので関係ない奴だけは蘇生させたが、陰口叩くばかりだった奴は死にはしなかったが後遺症がいくつか残ったそうだ。俺は敵には容赦せんよ。記憶が残っていたらどうせこいつら俺のことを認めないどころか夜中に家に火をつけるとか平気でやってただろうしな。

 ああ、それと忍界大戦にて名を馳せた木の葉の英雄であるうちはサスケも結婚した。お相手は当人の強い希望もあってバクラと言う事になったが、バクラもまた非常に優秀な忍びであるというのは周知の事実。羨ましいという声は上がれど否定する声は上がらないか、上がったとしても聞こえない程度の音量でしかなかった。

 

 表立った戦争もなく、少なくとも俺が普段行動する範囲内において世界はゆっくりと回っていく。さあ、これからものんびりとした時間を過ごしていこう。態々世界に平和なんてものを齎したんだ、これくらいの我儘は許されるだろう。

 




後は後日談になります。なお、精神的BL、女体化・性転換と言ったものが入りますので嫌な方はスルー推奨です。

Q.ちなみにこの平和はどのくらい続くの?
A.さあ? とりあえずナルチカがガチギレするようなことがあったら即終わります。

Q.九喇嘛達は?
A.基本自由の身。なお十尾から分かたれた中で意思のない部分(一尾の砂の山、七尾の翅と鱗粉、八尾の蛸足と角、九尾の腹の肉)はヒナちゃんの中にあります。ただし八尾は普通にビーの中、九喇嘛は合体してナルチカの中、七尾はナルチカの中の神樹の森が居心地良いのでナルチカの中、守鶴の片割れはなぜか問答無用でナルチカの中です。

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