NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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今日のサスケ

「土下座ってあるだろ」
「……まあ、あるな」
「誠心誠意を込めた謝意を表す態度だよな」
「……一般的にはその通りだな」
「もしくは渾身の懇願を込めた行為でもあるな?」
「……そうだな」
「全裸土下座ってどう思う」
「…………育児疲れか? 少しくらいなら代わってやるぞ? いや流石に授乳は無理だが」
「そうだな、めっちゃエロいよな」
「まるで俺がそう言ったかのような流れにしないでもらっていいか?」
「色々と言いたいことはあるがまあともかく、俺と姉さんとヒナタ、三人並べてみないか?」
「遺言はそれでいいな?」
「待て待て待て待て落ち着け。単純にそういう事もやってみたら面白いかもしれないと思っただけだ。無理強いはしない」
「ならばその案は却下だ。忘れろ」
「残念だ……気が向いたら教えてくれ」
「永遠に向かねえよ馬鹿野郎」



NARUTO~後日談14

 

 side うちはサスケ

 

「……なあ、火影様よ。質問があるんだが」

 

 そう言ってきたのは奈良家のシカマル。火影として働く俺の表側の右腕としてかなり優秀な忍だが、時々気付かなくてい事にまで気付く辺りが珠に瑕だ。まあそう言ったことに気付いたとしても守秘義務として黙っておけるだけの判断力があるからそのあたりは安心しているが、今回はいったい何に気付いたんだろうな?

 

「どうした。言ってみろ」

「じゃあ遠慮なく言わせてもらうがよ……俺の記憶に細工されているのに気付いた。消えたのは誰だ?」

「……なるほど。消えた所だけを繋ぎ合わせて消えたのが人間一人と気付いたか。相変わらず頭が良いな」

「そいつはどーも。で、知ってるんだろ?」

「気付いているだろうに。と言うより、そいつを見たから記憶の欠損に気付いたんじゃないのか」

「……まあな。やっぱりそういう事か?」

「俺からの答えはこうだ。『契約上言うことができない』」

「そいつは……いや、いい。予想はできてたことだ。サスケ、お前は嘘を言う事が殆ど無い。誤魔化すのも煙に巻くのも上手いが、嘘だけはあまり上手くないからな。だが、これだけは確認させてくれ。なんで消された?」

「木の葉が嫌いだったから、嫌いな木の葉を消し去るため……だそうだ。あいつなら皆殺しにもできただろうにな」

「……うずまきナルト、ってのは、そんなに強いのか?」

「強いぞ。気付いているだろうが、第三次忍界大戦で忍連合を勝利させたのもあいつだ。俺はその立役者として無理矢理功績を押し付けられただけの哀れな男だよ」

「哀れな男さんこれに判子お願いしますわ」

「わかった。……ちなみに名前はどうやって気付いた?」

「記憶の欠損に気付いてすぐ、俺の人生を頭から見直してみた。そしたら俺の記憶には一切残っていないのにアカデミーのクラスメイトだったり中忍試験を一緒に受けたりしている奴がいるじゃねえか。そりゃわかるさ」

「なるほど。まあそいつ今は抜け忍だがな」

「マジかよ。じゃあなんで当たり前に木の葉の里に居たんだ?」

「木の葉に暮らしているからだろう。知っているか? あいつはかつての忌まわしい木の葉の面影を消し去ろうと凄まじい勢いで開発を繰り返している。金をばら撒いて建物や土地を買い取り、様々な形で使って昔の面影を消し去ろうとしている。俺はそれに便乗して木の葉の経済を進めているだけだ」

 

 シカマルとの会話が途切れる。恐らく、シカマルの頭の中ではどうやって利用するかや危険度などが巡っているだろうが、それを実行に移した瞬間にナルトはこの里から出ていくだろう。

 

「止めておけ。あいつは触れられたら木の葉を捨てるぞ。今でさえ俺が頭を下げ、色々と優遇しているから他の里に行く手間やらなにやらと天秤にかけてここに居るだけだ。相手によっては顔を見るだけで不機嫌になるぞ。お前達は忘れてもナルトは忘れていないからな」

「俺達は何をやったんだ?」

「正確にはお前はやっていないな。ただ、俺達よりいくつか上の世代の奴らは色々とやっていたらしい。ナルトに対しては暴行や盗み、火付けなんかが暗黙の了解で合法とされていたそうだ。まあ反撃喰らって死んだ奴もかなりの数いるそうだがな」

「……そこまでやられて殺してないのか?」

「直接的に命を狙ってきた奴は命を、物品を狙った奴は物品を狙って反撃していたらしいぞ。まあ暴力に関しては直接脳やら内臓やらを打ち抜いていたらしいから悪意を持って殴るくらいの威力でも軽々と致命傷にしていたそうだが」

「よく知ってるな? 聞いたのか?」

「ああ。酒の席でな……話し終わる事には空気が死にきって酒を楽しむような雰囲気とはかけ離れていたが」

 

 あの時は酷かった。色々聞きだしたのは俺だったせいか、その次の日の修行で色々と無茶振りされたからな……なんだよ月読を再現して自分にかけて須佐能乎を超加速させることができるまで帰しま10(テン)とか……いや確かに強くはなれたが。そもそも月読の再現だけでも凄まじく根気が必要な作業だってのにそれに加えて須佐能乎を月読を掛けられた精神状態で出して超加速とか頭がおかしいとしか言えない。つまりそれが当然のようにできていたイタチは頭がおかしい。ナルトくらいおかしい。

 いや、言いすぎた。頭がおかしいのは事実だから否定はしないし訂正もしないがナルトくらいおかしいってのは言い過ぎだ。ナルトほどおかしい奴とかそういない。いや、精神的におかしい奴ならいないでもないがナルトのようにおかしい所とおかしくないところをどちらも持っていてその上で色々とやらかす奴はまずいない。それに加えて力があるのが厄介なんだよな。まあナルトの場合力が無かったら無かったで何らかの形で目的を遂げようとする気がするけどな。今ここに力が無いのなら、ある所から持ってくればいい、って感じで。

 

 …………駄目だ、なんか仕事の気分じゃなくなった。酒飲んで寝たい。寝る。

 




Q.シカマルはいつ気付いたの?
A.元から『記憶に空白がある』と言う事には気付いていました。そこで色々調べた結果確信を得た感じです。

Q.男のサスケはこんなにシリアスなのに女のサスケはどうしてあんなにシリアルなの?
A.はっちゃけ成分の大半が女のサスケの方に行っているせいでしょうね。

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