side うずまきナルト
一応合格は貰った。チームワークも見たし作戦も見事だったと。最終的に鈴も取れたし、全員怪我無く終わった。問題は作戦が全体的にえげつないことだと言われたが、そんなものを気にしていたら死ぬから気にしていない。特にこの里は俺には優しくないんでな。
そういうことで本日は自由時間。異空間でひたすらチャクラコントロールの修行と性質変化、形態変化の修行を繰り返す。この三つはどれだけ上達しても害がないからありがたい。
風のイメージは二つに分けたチャクラを高速で擦り合わせて研ぐようなイメージだと原作にあったが、他の性質のイメージはとりあえず片っ端から自分たちで試してみたところ火はチャクラが沸騰して気化するような、水は凝集し滴るような、土は圧縮し固まるような、雷は放散と集束を繰り返す様なイメージでなんか行けたが、陰陽遁はかなり難しい。精神エネルギーで無から形を作り、生命エネルギーで形に命を吹き込むとか言われているが、何をどうやっているのやら。何かいい想像ができればいいんだが、今のところイメージすら固まっていない。
……いや、実のところ陽遁の方は何となくできるんだ。一応神格の端くれとして分霊くらいは出せるからな。そんなイメージでやればできない事は無い。隠遁の方も精神エネルギーを物質化させるってのは要するに『千の顔を持つ英雄』みたいなもんだ。ある意味身体に染みついているからできないわけじゃない……と、思う。多分。
解らなかったから確認ついでにやってみた。できた。オッケーオッケー。あとは一度に変換できる量の増大と変換したチャクラのコントロール、そして陰陽を使い分けることで様々な属性の再現とかやっていきたい。いやまあ今でもできないわけじゃないんだが、効率ってのは重要だ。
『バケモノよりも量が多いチャクラ持っとるくせに何言ってんだお前は』
ほっとけ金髪ナインテロリ。特に意味はなくとも必要なくとも目に見える無駄くらいは無くしておきたいんだよ。
『睡眠時間はどうなんだ』
あれは俺にとってはとても有意義な時間だから。睡眠とか基本的にそのために生きている感じだから。死んでも眠れるけど自殺とかはめんどいし、他殺されるのも嫌だから普通に。
『普通の法則が乱れに乱れて跡形も無くなっとる気しかせんのだが』
気のせいじゃないと思うぞ。よく言われるし。
『儂にな』
せやな。
ちなみに九喇嘛は俺に何度も呼ばれて存在が幼女に固定されきってしまってからはもう呼称のことでどうこう言ってくる事は無くなった。よっぽど酷くない限りは普通に返事をしてくれるが、今までの呼び方が自分で言うのもあれだが中々に酷かったせいで俺からすると結構酷い呼び方でも割と返事をしてくれる。びっくりだわ。
じゃあ明日から下忍の仕事頑張ろう。俺は正直普通に暮らしていける程度に稼げればいいんだが、この里だと俺相手にだけぼったくりやがるから中々安定したくらしはできそうにないんだよな。この里から離れようとしたら追手がかかるだろうし、どうにかして抜けられないかと思うんだが……あれだな、九喇嘛のチャクラの雰囲気を真似て俺のっぽい死体を用意してから影分身で九喇嘛が出てきたように見せかけて逃げ切ればいいのかな? で、逃げ切ったら影分身は消す。完全犯罪成功? 欠点は白眼やら写輪眼やらで見られたらばれそうということだが、行けなくもない……か?
ここで俺が消えれば九尾が消えたのとそう変わらないから最終決戦とかそういうのが大体消えるし、もしも原作と同じように金銀兄弟あたりを穢土転生して代用したとしても、結局のところ物理的に月を消し飛ばせば無限月読とやらはできなくなるし、問題は無い。多分
『いやいや、問題ありまくりだろ』
知らん。正直に言って知ったことじゃない。と言うか世界の命運を一人の肩に載せないと存続できない世界とか滅んでいいんじゃないか?
『儂の生活はどうなる? 死にたくはないぞ?』
星ごと消滅させるわけじゃないし、十尾に戻すわけでもない。封印を解いて俺から出てけば元通りになるんじゃないか? 人間が滅んだ世界でだが。
『……悪くはないな。それまで付き合ってやる』
マジでやるかは決まってないから期待しないで待ってな。