NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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今日のサスケ

「酒ってあるだろ」
「あるな」
「美味いよな」
「美味いっていう奴も多いな」
「俺は酒が嫌いじゃないんだ」
「そうか」
「ナルトが優しいからな」
「……次酔ってるお前を見たらまず拳で対応することにした」
「照れ隠しで死にますよ俺が」


BORUTO~外伝7

 

 side ナルチカ

 

 まずは説明から。説明ってのは何事においても大切なものだ。それにこっちのボルトは結構素直に俺の言うことを聞いてくれるしな。聞かなかったら聞かなかったで強くなれないだけだから俺は構わんと一番最初に言っておいたせいもあるだろうが。

 まず、影分身と言う術について。チャクラの許す限り実体のある分身を生み出す術であり、影分身が消える際にその影分身が経験したことを本体に還元する、つまり分身の経験も本体の物になる。ボルトの好きなゲームで言えば、影分身一体につきキャラクターの取得経験値が二倍になるようなものだと。それを使うことによって自身を何十人何百人と増やすことで修業の速度を上げるのがこの修行のやり方である。

 ただし、出した分の分身の経験を受け取る際には肉体的な疲労はともかく精神的な疲労は全て一気に降りかかるのであまり数を増やしすぎると一気に精神力を持ってかれて最悪精神崩壊するから初めのうちは十とか二十とかそのくらいから始めるべきだ、と。

 

「ナルチカさんはどのくらいからやり始めたんだ?」

「とりあえず十万くらいだったような気がするが……覚えてないな。今だと分身の数の桁数が十万くらいか?」

「また増えてないか」

「あ? 控えめに言ったぞ」

 

 実際には桁数とかわからん。多すぎて。とりあえず大量。それだけだ。

 だが十万辺りから始めたと聞いてこっちのボルトもサスケも凄い目で俺を見ている。特にサスケの目は『やっぱこいつ人間じゃねえ』という感じの目だ。実際中身は人間じゃないから仕方ないな。身体の方は一応人間のはずなんだが……。

 まあ精神の方は人間卒業してるけどな。色々と。

 

「で、どうする? やるか? 多分お前これからも色々と巻き込まれると思うが」

「なんでだってばさ!」

「お前の父親がアレだからな……俺は敵は文字通りの意味で皆殺しにしたから後々まで残してないんだが、火影なんてやってると不自由な部分が増えるだろうからな。こっちでも本気で暴れまわったら止められる奴なんぞそうはいないだろうが、本当にやったら敵が多すぎるだろうから自重せざるを得ないんだろうよ」

「あー、見た限りこの世界のナルトは世界で断トツ、ってわけでもなさそうだしな。この世界の俺とほぼトントンって所だろう」

「大きな戦いが無かったようだし、基本デスクワークばっかりやってるようだからもしかしたらこの世界のお前の方が今は強いかもしれんぞ。当人には戦う気は無さそうだが」

「この世界の俺が女だったらワンチャンありそうなくらいの執着だったなあれは!」

「男だったのに無理矢理ワンチャン作ってものにしたやつが言うと説得力が違うな」

「……そっちの世界だと、母ちゃんはどうなってんだ?」

「掌から目に見えない太さの極細のチャクラ糸を伸ばして遠隔で点穴を突いたり、伸ばしたチャクラ糸を点穴から相手の経絡系の中に潜り込ませて内側からズタズタにしたり、見切った物理攻撃を威力そのまま反射したり、目からビーム出したり……」

「サスケからの誘いの言葉をこっそり聞いて俺の性癖を探ろうとしたり、名家産まれなせいか愛人とか囲っててもあまり気にしなかったり、むしろ愛人を囲わせようと俺の外堀埋め立てたり、愛人囲わせておきながら自分だけ特別扱いされないと拗ねたり、一日に最低でも五十万キロカロリー程度は補給しないと基礎代謝だけで死ぬくらいの大食いだったりする、まあ普通の……普通の? 普通の……多分普通の人間だ」

「普通じゃないってことしかわかんねーってばさ……」

「ちなみに修行の時に出す影分身の数は最近になって桁を増やして十京ほどになった。追いつかれたな、サスケ」

「マジか……頑張るか」

 

 ボルトが死んだ目をしているが、俺達のいる方の世界ではそれが普通だ。ちなみにボルトもその修行方法には興味津々でやらせてみたが、自力での影分身は現状八体までしか出せていないので俺からチャクラの供給と影分身の術式の調整をして五十体ほどでお試しさせてやった。十分程度で悲鳴を上げたので打ち切った。まあそんなもんだよな……。

 まあ大分頑丈らしく二分も休んだら回復していたから問題ないだろうけどな。こっちの世界のボルトがどうかは知らんが。

 

「で、どうする? 一応やってみるか?」

「大丈夫だ。ちょっと一体一体が精神崩壊寸前まで追い詰められてから再生することで精神強度の超回復とかそんな感じので最終的になんとかなる。死んでも直る。何回直されたかは覚えてないけどな」

「それ絶対駄目な奴だってばさ!?」

「戦争が日常だった頃だからな……生きてればセーフ、みたいなところあったよな」

「それ以前は『死んでいようが任務に成功すればセーフ』だったから、まあ大分マシじゃないか?」

「どっちにしろアウトだってばさそれは……」

 

 ボルトはとても頭が痛そうだ。まあ、暫く放置していれば慣れるだろう。多分。

 




Q.ボルトの魔改造始まる?
A.ボルトは努力家じゃないので魔改造と言うほどの成果は出ないんじゃないかなー、と。

Q.そう言えばナルチカはサラダとどんな感じの関係?
A.仕事はしつつちゃんと子供たちの相手もするので結構好かれてます。悩みがあったら聞いてアドバイスくらいはする。幼稚園の先生と園児よりちょっと近いくらいの仲。

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