「淫紋ってあるだろ」
「……あったかそんなもん?」
「ナルトが出したゲームに出てたぞ。多分あれって作ろうとすれば似たようなの作れるだろ?」
「あー、まあ、可能か不可能かで言えば可能だとは思うがやるなよ? 面倒だから」
「流石に誰彼構わず股開くような奴にはなりたくないからやらない。ただ、対象を決めれば全く問題ないよな?」
「まず淫紋って言葉自体が問題だろ」
「なら名前を『強化術式紋』に変える。その上で身体能力とかの強化の役割も持たせればいい。どうだ?」
「どうだと言われてもお前馬鹿だな、としか。その頭には豆腐でも詰まってるのか?」
「俺の身体をこうしたのはナルトなんだから俺の頭の中身に何が入ってるかくらい知ってるだろ。こんにゃくだよ」
「あれ? 湯豆腐じゃなかった?」
「え? 葛餅でしょ?」
「もう練り切り入れとけめんどくさい」
side ナルチカ
「ひでーや、いきなり幻術かけるなんて……」
「幻術だと自力で気付けなかった奴に言われても痛くも痒くもないな。最低限自力で気付けるようになってから言ってくれ」
「ぐぬぬ……」
「まあこいつの幻術は遊びの時ほど解きにくいからな。全力で殺しに行く時には幻術とか使わないで一方的に殴りかかりに行くタイプだ」
「さっき見たから知ってる……そう言えばどうやってあいつの背後を取って攻撃したんだ?」
「時間を止めた」
「……?」
「諦めろ、そう言う奴だ。そして時間を止めたは多分事実だ」
実際事実だが何でそこまで言われなければいけないのか。時間くらい頑張れば止められるだろ。止められなかったとしても同じ時間平面の中を移動するくらいの事はできるだろ。俺以外にもできる奴を結構知ってるぞ。
……しかし遅いな。後始末ってこんな時間かかるもんか? まあ被害がそこそこ大きかったからこのくらいはかかってもおかしくは無い……か?
side うずまきナルト(火影)
「サスケ!死ぬなサスケ!どっかの可能性の世界でお前が男だったのに女に肉体改造されて子供作ってただけだろ!? 俺なんてその改造した側な上に娶って孕ませるだけじゃなくイタチまで改造してたんだぞ!? あとなんかよくわからねえけど九喇嘛も大変なことになってたんだぞ!」
『思い出させるんじゃねえよボケ!』
「あと俺の父ちゃんと母ちゃんが生きてるって聞かされた上に弟までいるとか言われたんだぞ!ダメージでかいのがお前だけだと思うなよ!?」
「うるせえよ……聞いただけでもダメージでかいってのに……」
「あとあっちの世界だと大蛇丸にサスケの身体のクローン渡して買収したとか聞いた時にどんな顔すればいいのかわからなかった俺の身にもなれ!」
「今まさにどんな顔すればいいのかわからなくなった俺に謝れ!全力で謝れ!」
「あっちの世界でヒナタが遠距離で相手の身体を内側から爆散させられると聞いた時の俺の感情も考えろ!」
「おっふ……それは、きついな……ちなみにサクラは?」
「なんか記憶をチャクラに変える術を使ってるとか聞いたってばよ? 幻術で普通に暮らしていたら絶対忘れられないような記憶を作ってその術使ってチャクラに変えて、なんか三十とか四十とかおでこのあれと同じの作ってるとか聞いたってば」
「おっふ……(白目)」
「あとサスケも自分に幻術かけて思考を加速させてから須佐能乎を超高速で動かして攻撃とかするらしいぞ」
「できねえよそんなこと……」
「そしてそんな超高速で動き回る須佐能乎を簡単に拳で破壊していくとか、俺の九喇嘛モードのチャクラの衣を素手で簡単に破いて行ったのを見てなかったら信じられなかったってば」
「……ナルト、今日は酒が飲みたくなった。潰れるまで」
「残念だけど俺は向こうの世界の俺の方の対応しないといけないからな……胃薬の消費が増えるぜ……」
「そうか……俺はもう疲れた。しばらく休む」
「そうしとけ。一週間は任務を回さないようにする」
ちょっと話をしただけでこんなにも大きな被害が出るとか思わねえよな……しかもボルトに『ナルチカ父ちゃん』って呼ばれてやがったしよあっちの俺……クソッ。
いやまあ木の葉の里が嫌いなのはわかる。火影を目指さないってのも別にいい。聞いた限りじゃ俺の時より扱いが酷かったみたいだしな。そして向こうの木の葉の里への恨みつらみをこっちの世界にまで持ち込んでいないところはしっかり評価できる。だが、どうにもおれはあの俺が苦手だ。自分と同じ顔、自分と同じ声、それが自分とは全く違う感情で動いてるってのは、なんと言うかすげー苦手だ。
憎悪じゃない、ただ嫌いなだけ。復讐心ではない、関わりたくないだけ。誰かに認められないでも、誰からも忘れ去られても構わないというように行動するあの俺は、オビトを思い出させる。細かい所は大分違うし、変な所で凄まじくはっちゃけているのも違うところだと思うが。
……あと、多分あの俺は人間じゃない。身体は人間かもしれねえけど中身は人間じゃねえってのはわかる。
だってそうだろ? 人間は一人じゃ生きられない。だってのにあの俺は当たり前のように人間達の中から消えようとして、それをサクラちゃんやヒナタ、サスケによってなんとか繋ぎ止められてんだ。それは人間にできることじゃない。オビトですら目標があったからこそ一時的に人間から離れただけだったのに、あの俺は特に何の理由があるわけでもなく人間から離れ孤独になろうとしていた。
……俺には、あの俺がわかんねえ。
『わかる必要はねえよ。アレはそう言うもんだと考えておけばいい。儂の見立てではアレは十尾に近いものがあるな。意志を持った十尾ってのは、多分あんな感じだ』
「へぇ……そいつは怖えな」
『力だけなら十尾以上だと見ていい。チャクラ量で勝負が決まるなら、あいつに勝てる奴はこの世に存在しねえだろうよ……アレは、そう言う存在だ』
難しい事はよくわかんねーけど、はっきり言えるのは……あいつは俺じゃない、ってことだけだ。それくらいしかわかんねーとも言うけどな。
俺は立ち上がる。サスケも一応復活したし、サラダ……は、ちょっとまだダメージでかいようで起きてねーけど、サスケが背負ってくみてーだし大丈夫だろ。
……さーて俺はこれからやりたくもない説明と事情聴取の時間ですよーと……げふっ(吐血)
Q.結局サスケの頭には何が詰まってるの?
A.夢と希望と性欲と若干歪んだ愛情。
Q.物理的には何が詰まってるの?
A.主に神経線維。要するにちゃんと脳味噌詰まってます。
Q.ナルチカさん他人の子供にいきなり幻術はまずいですよ!
A.致命傷受けてないから多分セーフ。何かの仕込みもしてないからきっとセーフ。
Q.原作のナルトが吐血したり苦労しまくってるっぽいんですが……。
A.これまで何度か来た際に事件をいろいろ解決してくれましたがそれを相殺はギリギリしきらない、要するにほんの少しだけナルトに貸しが作られ続ける程度に暴れてます。なお、カタスケの幻術も解かれています。