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side うずまきナルト
ガトーの死体は首がなく、その周りには護衛についていただろうごろつき達の武器が死体と一緒に転がっている。その場に立っている二つの影。これはもうほぼ確定だろうな。
ガトーは殺された。霧隠の鬼人とその道具に。それについて俺がどうこう言う事は無いし、正直言って世界のゴミが減ったこと自体には何の文句も無いが……こいつら恐らく木の葉の忍びも殺してるんだよな。俺に関わりのない奴だったし死んでくれても全く持って構いはしないけど。むしろお礼を言ってもいいくらいだ。
「もしもし?」
「!?」
反応されると同時に千本を投げつけられたが、そいつを普通に受け取って袖の中の異空間にしまいこむ。同時に鬼人の方が振るう人斬り包丁……いやこれだとただの日本刀だな。首斬り包丁だったっけか? 首斬り包丁で切りかかってくるがそいつの刃を掴んで受け止める。俺の身体は物理に対しては非常に頑丈だからな。斬れない斬れない。単分子ブレードでも斬れなかった実績すらあるしな。あの世界には魔法とかなかったから完全に化物・怪物・人外の扱いをされたけどな。
とりあえず斬りかかってきた奴の腹を蹴り飛ばすが、掴んでいた包丁と一緒に水になって砕け散る。後ろから振るわれた首斬り包丁を身体で止めて殴り返せば今度は消えずに吹き飛んだ。
「再不斬さん!」
……ああ、うん、そういえばそんな名前だったね? 特徴的だけど忘れてたわ。三音以上だからね。仕方ないね。正直どうでもいいとも言える。
時間を稼ぐためかお面君が千本を投げつけながら片手で印を組む。名前は覚えられないが他の物なら大体覚えられるので印と術に流されていくチャクラの流れを読み取って即座に真似る。千殺水翔とかいう術だったかな?片手印とはまたなかなか珍しい術だ。と言うか片手印って他に何かあったっけ?
兎にも角にも俺を目指して飛んでくる水でできた千本に同じものを同じだけぶつけて相殺する。時を止めない程度の速度で顔面に飛び膝蹴りを叩き込み、鬼人と同じように吹き飛ばす。目的はこいつらじゃなくてガトーがため込んでた金と貴金属類だからな。あまり大きな音もさせたくない。下の奴らに気付かれたら面倒だし、強盗殺人罪をこいつらに全部擦り付けて身軽なまま行動するという目的が果たせなくなってしまう。殺せたら殺して武器奪って実体のある分身で変化使ってこいつらに化けて適当に暴れまわらせれば賞金が上がり、そして最後は保管しておいた死体を換金して霧隠に首斬り包丁を売り払うのが理想。こいつら俺が声かけただけで攻撃して来たから今のところ敵認識だしな。
「何もんだ、てめぇ……」
「何者、と言われてもな……お前の敵だ。それ以上に必要か?」
「なるほど……舐められたもんだ」
「舐める? こいつは余裕と言うもんだ。背中に起爆札張られて気付かないような奴にはこの程度で十分だろう?」
そして敵の言葉を素直に信じて貼られてもない背中の起爆札に目を向けるようなアホどもにもな。
目を反らした瞬間に接近して風遁チャクラを載せた貫手を腹に。風遁は斬撃力を高めるが、貫手でやると攻撃範囲が広がる。雷遁だと硬いものに対しての貫通力が上がるが、硬くないものに対しては風遁の方が優秀だ。この場合の硬くないものってのは普通に斬れる物という意味でだが、俺の場合は少し勝手が違う。
あれだ、所謂『余の手刀こそ世界最強の剣なのだ』ってやつだ。実際大抵のものはチャクラ無しでも斬れるし、攻撃範囲もなかなかある。同じように世界最強の槌は拳、世界最強の鞭は腕、世界最強の槍は足、世界最強の鎧は皮膚。どこぞの二代目雷影のようだな?
俺の接近に気付いたが反応できなかった鬼人と、気付くことができて動けたお面君。今の一瞬で秘術を使って鬼人の身代わりになって両脚を切り落とされたが、鬼人は無事だ。残念。転倒の際に足だけじゃなく腕も切り落として術も使えなくしておいて、鬼人に追撃。首斬り包丁での迎撃を手首で打ち払って風遁貫手で打ち抜いてフィニッシュ。普通武器が効かない相手とか想像しないよね。それもその武器が霧隠の秘蔵である忍刀ともなれば、チャクラによる防御があってもそこそこ以上に貫けるくらいだし。
だからこそ道具に頼る戦い方ってのはどうかと思うんだよな。いや、俺こそ道具を使いまくってるしある意味頼りまくりだから何とも言えないけども。そのものじゃなければ首斬り包丁くらいいくらでも作り出せるし、忍び刀七人衆の七本の刀も作り出せない事は無いだろうし。
そして俺の目的もこれでほぼお終いだ。血継限界持ちは怒らせると怖いから先に殺しておいて、それから鬼人の方に取り掛かろう。身体の情報とかをしっかり調べておかないとぼろが出るかもしれないからな。あと金。