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side うずまきナルト
この世界にも空間転移術ってあるのな。いや、正確には時空間忍術ってカテゴリらしいが、時空間と言う割に時間加速とか減速、停止系の術は存在しない。もしかしたらあるのかもしれないが、チャクラの消費が激しすぎるんだろうな。使えないから知らんけど。
まあともかく自由に使える金は手に入れたし、自由に動ける立場も手に入った。行きがけの駄賃にガトーカンパニーの社員のうち用心棒と言う名のごろつきは片端から殺しておいたし、橋職人として最後まで仕事をしていた爺さんの残した設計図の通りの橋を完成させておいたからこれから多少はこの国もましになるだろう。正直、この国は貧乏すぎる。海産物とかかなり良い線行ってるんだから是非とも輸出してほしい。ちなみに橋の名前は『手綱大橋』な。霧の中で写真に残っていた爺さんの姿になって一気に橋を完成させたのをおそらく孫だと思われるガキに見せてからおさらばしておいたので、できることは大体終わらせた。あとは知らん。
ついでに霧隠の鬼人と血継限界持ちのお面ちゃんこと白だが、変化の際に違和感バリバリだったので勝手ながら白君は女の子にさせてもらった。これから世界中に悪名を轟かせるのだから別に女にしなくてもいいかもしれないが、違和感が凄かったからな。仕方ない。
さて今日も今日とて任務と修業。子守にお使いに芋ほりなんかの簡単な物ばかりだが、自分の力でまっとうに稼ぐってのは良いもんだ。全うじゃなくても金は金だから区別はすれど差別はしないがな。
あと俺がカラシ相手に鈴取りで不可思議なことをやったせいか暗部かどこかの見張りがついたこともあったが、まあ異空間転送と影分身ができる俺を家の外から見張っててもほとんど何も知ることなんぞできんだろう。ご苦労なこった。
で、任務ばかりでなく修業もしたんだが、忍術を使いこなすには必ず必要となるチャクラコントロールをかなり今更学ぶことになった。落ち着いてゆっくり学ぶことができるのは良いことなんだろうが、原作においては命の危機とも言える実戦で写輪眼を開眼したサルケはいまだに写輪眼に目覚めていない。この著しい弱体化は本当にどうしようかと。原作ナルトのあの我儘はマジでファインプレーだったんだなと思い直した。実際このすぐ後の中忍選抜試験では木の葉崩しとかいうのが待っているはずだし、その時写輪眼を持っていなければサルケはあっという間に負けていたことだろう。
まあなんて言ったところで突然サルケが写輪眼に目覚めるような事は無いだろうし、そうなれば流石にカラシも中忍選抜試験に俺たちを推薦しようとか思わんだろう。されたら流石に驚きを通り越してあきれ果て、第二次百万体カラシのモリヤゴコロダンステップ音頭を開催したくなる。当然カラシは真顔な?
そして今度は邪魔しようとした奴らの姿も混ざるようにするか。木の葉上忍及び暗部たちによるモリヤステップ感謝祭の開催となる。困れ。そしてオカマ丸の腹筋をねじ切れさせてしまえ。……あ、でも白眼使うと変化元の人間が誰だかわかるんだっけ? それとも変化しているって事実がわかるんだっけ? まあ前回は俺のせいだとばれなかったから恐らく『変化しているという事実がわかるだけ』なんだろう。多分な。
……あ。うん、そうだ、写輪眼。もしかしたら武器扱いで出せるかもしれん。機能としてオンオフできるようにしとけば普段から使えるんじゃね? 多分。永遠の万華鏡写輪眼にも勝手になるだろうし、ついでに輪廻眼も出せたら出しとこう。輪廻写輪眼の方が効果高いかもしれないからそっちも。
しかしそう考えるとこの世界のうちわ一族ってのはマジキチ多いよな。なんだよ最も愛した存在を殺したあるいはその死を体感しないと万華鏡写輪眼が使えないとか、万華鏡写輪眼になったらなったで失明しないようにするためには同じ万華鏡写輪眼を持っている相手の目を移植しないといけないとか、そういうのが体系的にしっかり確立されてるってのがもう怖い。ナルト世界ではあまり表に出てなかった忍者的な真っ黒な部分がよく出てるわ。うちわ一族だけに。
いや、白眼の一族の方にも多少そういうのがあったっけか。分家の呪印がどうこう籠の鳥がどうこうって言ってたような気がする。それでなんか反抗期になって色々やらかすんだっけか。原作ではナルトと戦うことでなんか吹っ切れた感じになってたが、この世界じゃ俺がそのナルトだからな。余計歪ませることはできても叩き直すのは難しいぞ俺の場合。
……もういいや。そのことはその時になってから考えるとしよう。今考えてもらちが明かない。