side うずまきナルト
時が過ぎるのは早いもので、あれだけの被害を出したと言うのにたった百年少々でまた戦争だ。まあそれについてはどうでもいいが、結局最後にはこんな感じになるだろうと予想はしていた。人間は学ぶ生き物だが、同時に忘れる生き物だからな。世代が変われば別物も同然だ。
ヒナちゃんが死んで、サスケが死んで、バクラが死んで、俺と同年代で生きている奴はもう誰もいなくなってしまった。オカマ丸はまだ生きているが、あれはもう例外と言う事でいいだろう。面倒だし。
そう言う訳で、俺がこの場所を守る理由も無くなった。俺の血縁は既に独り立ちして俺の手元から離れていったし、この場所に暮らしているのももはや俺一人。木の葉の里が完全に壊滅してから、一体何年過ぎたっけ? まあ、よく覚えていないと言うか、どうでもよかったから記憶にないというか……何でもいいか。
しかし、なかなか楽しい人生だった。世界の裏側で暗躍するゴミ共を何度も根こそぎ殺したり、異世界っぽい機械系の存在に対してほぼ最強であるシルバーカーテンでハッキングからの洗脳→操作→暴走→自爆で被害を拡大させたり、サスケが俺との言えない関係を俺との子供であるラセン(男だった)とサラダに言わないまま死んでしまったり、ヒナちゃんとの間にできたボルトが俺をかなり下に見ていたのを物理で矯正することになったり、中忍試験で『チームワークを見る試験を作りたい』と言われて無限月読を応用した限定月読で各班三人を一つの組にして班ごとに別の世界に閉じ込めそこから脱出するための鍵を作り、それらを何らかの形で力を合わせなければ手に入れることができないようにして見たりもした。ちなみにボルトは一回目ではクリアできなかった。すまんな。
中忍試験で一番楽しかったのは、結構な数の制限を付けておきながら『今言った全ての制限は試験官に露見することが無ければ破ってもいい。ただし、露見した場合試験終了時に失格とする。またその時点で失格になっていた者も失格とする』と言うルールとも言えないルールで模擬戦をやらせた時だな。ちなみに制限の内容は『殺害及び殺傷の禁止』『事前に毒物を盛ることの禁止』『金銭及びそれに準ずるものによる勝敗の取引の禁止』『他者を人質にとる等の脅迫行為の禁止』と言った、まあ普通なら子供が思いつくようなものではないし思いついたとしても絶対にやらない類の禁止事項だが、俺としては勝敗以上に『どれだけ自分の中に隠し札を作ることができるのか』と言うのを重点的に見ていきたかったからそう言う風に言うだけ言ったわけだ。普通はやらん。俺でも―――訂正、相手によっては俺はやるが基本やらん。これを言った時の受験者たちの表情はとても面白かったがな。まるで綺麗な物だと信じていた人類の中に癌細胞を見つけたような表情だった。
その他にも異世界からの面倒な敵を皆殺しにしたり、機械系をぶち壊しまくったり、勝手に作られそうになったクローンが暴走して里一つが無くなりかけた時に一応出動して嫌々止めたり、まあ本当に色々とやった。ただし、責任のある立場にはつかなかった。製菓会社も従業員は影分身だし、電気系も全部俺だ。本当に影分身ってのは便利な術だ。
だがそれも今は昔。俺もそろそろこの世界を離れる時がやってきた。
しかしこの世界には色々と残せるものがある。それは例えば俺のチャクラから生まれる尾獣だったり、無限とも思えるような膨大なチャクラだったり、あとゲームのせいで全体的な認識が変わって全員擬人化&女体化した尾獣たちとかも残るな。
「お前……ナルトお前ふざけるなよ……!?」
「こうなったのは俺の責任だ。だが俺は謝らない。色々と煽り倒してきた九喇嘛に対する反撃だから俺は謝らない」
「おい九喇嘛お前……」
「おっ、にょ狸じゃないか儂とお揃いだな(白目)」
「うるせえよ馬鹿狐どうしてくれんだこれはよぉ」
「どうせ みんな めすになる」
「おい誰だ今の」
「昆虫王者って呼ばれてた時の方がずっとよかった俺だよ(喀血)」
まあなんとも面白いことになったもんだな。流石は変態国家日本に住む日本人が作った作品。色々と考察の余地が増えて凄いことになっている。ちなみにだがこいつらこうやって女になってはいるが実際の能力はむしろ上がっていたりする。何しろ今までは修業とかそんなことをするでもない獣だったが、今では人間っぽくなったからな。鍛えれば鍛えるだけ強くなるぞ。特に俺の中に居た時間の長い九喇嘛とにょ狸、昆虫女帝は。
「にょ狸は止めろよ……いやもう遅いから諦めてはいるがそれでもやめろ……やっぱいいやもう手遅れだし……」
「やっと儂と同じように諦めたな? ようこそこちら側へ!歓迎するぞ!盛大にな!(白目)」
「変身できるからまあいいか……翅も普通に出せないことも無いし」
なおこいつらなんと尾獣化すると総合的にやや弱くなります。巨体になるから一撃の威力や射程は上がるんだが、小回りが利かなくなったり細かい所に目が届かなくなったりで弱点も増える。なにより人間の身体で身に着けた技法の大半が使えなくなるからな。色々と教えたし。結果、尾獣は俺を除けば三強になっている。九喇嘛、守鶴、そして重明。あとはまあ相性とかそう言うので団子状態って所か。
よし、それじゃあさようなら、この世界。
今この瞬間、俺は俺になった。
英霊である織斑一夏が抜け出て、俺は色々な物を作ることができなくなった。俺はかつて神から貰い、再現した特典の数々を使うことができなくなった。
ただ、織斑一夏はチャクラの殆どを残していったので俺はこうして今ここに尾獣として再誕した。
俺は身体の中で増え続けていた十尾を全て俺として再構築し、これ以上増える事は無いが代わりに俺からチャクラを持って行かれることも無いようにした。この世界で身に着けたほぼ全てを残された俺は、間違いなくこの世界において最強の存在のままなのだろう。
「……行ったのか」
「ああ。行ったらしい」
かつて憎悪の塊だった九尾の妖狐、九喇嘛は俺にそっと寄り添った。反対側には守鶴が、そして背中には重明が、それぞれ引っ付いているのがわかる。
「なんと呼べばいい?」
俺はその問いに笑いながら返す。決まっている、この世界での俺の名前はただ一つだ。
「
Q.うわぁ……なんか凄いことになってる……
A.なおアカデミーにVRぶっこんだこともあった模様。馬鹿ですか? ハイ馬鹿です。
Q.なんでそんな人間の汚さを前面に押し出すような試験を作ったの……?
A.ナルチカにとって人間とは須らく汚いものだから。