NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~31

 

 side うずまきナルト

 

 キバと戦った……いや、戦ってはいないか。当たった相手がショ狸の宿主がらがらどんだった時点で察してはいたが、俺の相手は木の葉の気高き碧の猛獣、ロック・リー。なんと驚くことにギリギリ覚えられる名前だ。しかもフルネームを両方。とても珍しい。

 そんなわけで試合開始。即座に終わらせるんだったらそれこそ初手螺旋丸直撃とか初手雷切とか忍術使えないのを知ってるから足元にアンダーグラウンドサーチライトを開けて封印とかでも勝てそうだが、そう言うことができると知られると面倒だからな。いやまあ螺旋丸はさっきミックスジュース作るときに使ったからばれてるだろうけど、体術使いに合わせてこっちも体術で対応しようと思う。

 木の葉流体術は派手な技が多い。隙が大きくしかし与えるダメージも大きい物が名前を付けられて大きく取りざたされているが、俺のはそれとは違う。具体的には小技を一撃必殺の領域にまで引き上げて使う系統で、基礎の基礎は初転生先で子供の頃に習った篠ノ之流剣術、そして柔術だ。そこに合気だの八極拳だの八卦掌だの空手だのムエタイだの異世界系トンデモ格闘だのとごちゃ混ぜになっているが、剛拳相手に柔拳でやるともはや弱い者苛めになってしまうことも多いので剛拳で行こう。いや、それはそれで苛めかもしれないが。

 

 それに、第二の試験が終わってからサルケとバクラに聞かせた話のせいで里の上層部から随分と警戒されているらしい。まあ警戒されたところで対応策はいくらでもあるし、そもそも俺が封じられたとしても鬼人とお面ちゃんは俺の影分身でなく俺自身。代わりは合計30体以内なら問題なく用意できる。俺を作るのに必要なエネルギーはチャクラや気でいけるし、俺の中にいる九喇嘛は一体きりだが俺の中を自由に行き来できる。封印を改造して封印されてさえいれば自由度をかなり上げておいたからな。居住性も抜群だ。俺なら封印されたまま五百年は寝れるね。

 リーの拳を避けずに受け止める。片足を軸にリーの姿を追い、攻撃されたらそれを掌で、あるいは足裏で受け止める。かなり鍛えられているのに加えて重りのせいか威力はなかなかに高いが、俺を吹き飛ばすことはできそうにないな、これは。

 体術だけなら誰にも負けないスペシャリストと言う触れ込みだったはずだが、まあ例外を除けば努力で行けるところまでは極めつくせるだろう。そこから先に行くには色々と面倒なことをしなくちゃならないかもしれないが、人間が努力で到達できる限界値ってのは思ったよりも高いものだ。牽制の一撃で七孔墳血とかもできるようになる可能性だって十分にある。ちなみに俺は牽制の一撃に七孔墳血させる威力が普通にある。と言うか寝起きだったり気を抜いてたりするとつい加減を忘れてそのくらいの威力が出てしまう。

 ちなみに好きな技は寸勁、発勁、鉄山靠、崩拳、猛虎硬爬山。基本的に応用が効きやすくて汎用性が高い技が好みだが、一撃で決めたい時には猛虎硬爬山が役に立つ。上手くやれれば本当に軽くしか当てていないにも関わらず相手が死ぬこともあるからな。しかも死因が内臓破裂で。と言ってもこの世界だと内臓が破裂しても平然と動き回る奴が結構いるからそこまで切り札と言えるかどうかはわからないがな。

 

 さてそろそろこっちからも攻めに回ろうか。さっさと殴るか相手の攻撃に合わせて拳を置いとくのが楽だが、今回は相手の成長を願って置いとく方にしておこう。対応してきたらこっちも対応しなおすのみ。完全体術型相手だったら結構楽ができていい。慣れがあるからな。

 拳を置いて、リーに当てさせる。こっちから振り切ったりはしないでただ置いておく。意識の隙間を縫ってそれをやるだけでリーにはどんどん傷が増えていく。まあ見切りと多少の先読みができてかつあの速度に追いつければこのくらいはな? 当たってもダメージがあるとは思えないが、当たらないに越した事は無い。UN〇や大貧民と違って手持ちの札は多い方がいいからな。使いこなせるかはまた別の話だが。

 今まで打ち払っていた攻撃を躱して拳を置くようにしてから、リーの身体に傷が増えていく。それはリーが重りを外してからも変わらないし、表蓮華のために開門を開けても変わらない。それどころか速度が上がったせいで受けるダメージはより大きくなってすらいる。このまま暫くすればリーは自身の身体が出す速度に耐えきれず勝手に自滅することだろう。

 

「棄権しろ、なんて無粋なことは言わない。それ以上やっても無駄だとか、身体を壊すから駄目だとか、賢しらなことも言わんがね……今の速度じゃ俺の不意はつけないよ。体力が残ってて身体が動くうちに切り札があるなら出せるだけ出しときな。あるなら、だけども」

「……ありますよ。とっておきがね!」

 

 知ってるよ。そのとっておきの存在も、技の内容も。

 

「一応忠告。それで決められなかったら即降参してくれな? 相性の問題でこっちばかり一方的に殴ってたが、殆ど動けなくなった奴を殴りたいと思うほど倒錯した性癖は持ってないんだよ」

「無用な心配です。僕はこの技で、君に勝つ!」

 

 顔が赤く染まり、目が白くなる。ビキビキと浮き上がった血管が拍動し、急激に血圧が上がったせいだろうが鼻血が垂れる。原作で見た時から思ってたがすっげぇ身体に悪そうな技だよな、それ。

 だが効果はかなり高い。むしろ命を失う可能性がある技なのにそこまで効果が高くなかったらそれこそ使われる事なんて無くなっていただろう。命を懸けてそこそこの効果の術とか、コスパが悪いにもほどがある。命をコストにしてもいいと思えるだけのリターンがあるからこそ、そういった技は使われるわけだ。今のように。

 速度は目に見えて上がった。威力も力も比べ物にならない程に上がった。それはわかる。

 

 だがそれでも。それでもなお、俺を倒すには程遠い。

 

 やることは変わらない。超高速の体術の鼻先に割り込むように拳を置いて、高速連続体術の起点から潰す。喰らいながら打ち込んで来ようとする時には当たったままの拳から寸勁を打ち込んで吹き飛ばす。踏み込みや方向転換ですら身体に馬鹿みたいな負担をかけているのがわかる。なにしろ力む度に筋肉が千切れるような鈍い音が聞こえてくるのだ。わからないわけがない。

 本番の裏蓮華を叩き込むこともできないまま、俺からだけでなく自分自身でも身体を削っていく。俺から見てもそこそこの、一般的には目に映らない程度には早かった動きは見る影もなく、その手足は一度も俺に触れていないにもかかわらずボロボロ。もはや立っているだけでもやっとと言った状態でなお勝ちを諦めていない。俺なら全力でやってここまでやられたらひとまず諦めてなんとかなる道を探すんだが、本当に心が強い。

 

「……で、どうする? 八門遁甲も切れたようだが……降参するか?」

 

 肩で大きく息をする、そんな体力すら残っていないと言うのにまだ諦めていない目をしている。まったく、男の子だな。青春とでも言えばいいのか? 何とも熱い男だ。

 降参は望めないようだし、まあ仕方ない。こっちを見ている元木の葉隠もいるようだし、一発だけ見せてやろうか。

 

 星の白金の世界。止まった時の世界に入門できない存在は、この世界では何をされても文句は言えない。

 俺はただ一撃を腹に打ち込んでから、止まった時の世界を抜け出した。

 




Q.最後、リーになにぶち込んだの?
A.崩拳です。腹パン。

Q.ところでナルトが八門開いたらどうなりますか……?
A.影分身に開かせて消える前に特攻するという戦法を思いついて実行してきます。そして一撃で世界は滅ぶ。
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