side うずまきナルト
話の内容は大体サルケとバクラに話した通りだ。少し違うのは生まれてからすぐの事を覚えていることと、俺の母親の腹に封印されていた九尾を引き抜いて操っていたのがうちはマダラを名乗る男だったこと、そしてそいつが黒地に赤い雲の模様の外套を着ていたことを伝え、一尾の人柱力については話をしなかったことくらいだ。
実際全部覚えている。この世界における俺の両親が死んだにもかかわらず、泣くことも涙を流すこともできなかったことをよく覚えている。九尾から俺を守るために二人そろって腹を貫かれていたことも、俺の封印式に自分たちのチャクラを入れて意識を残していたことも、全部覚えている。普段態々思い出すようなことがないだけで、全部覚えているんだ。名前以外。
一応親が愛した場所だ。初めのうちは守りたいと思っていたこともあったが、まあそんな感情は擦り切れるよな。俺は聖人じゃないし、どちらかと言えば我儘で自分勝手だ。原作のナルトのようにはなれやしない。だがそれでも今の俺を守ってくれている存在がいて、その存在が守りたいものだと思っているから俺は木の葉に手を出していない。それが無ければさっさと滅ぼしているところだ。特に根の連中な。あれほんと邪魔。特に頭が邪魔。
「お前は……ミナトの息子か?」
「……ああ、四代目火影の名前だっけか。生まれた直後に二三回しか聞いてないから覚えてないんだよね。多分そうだと思う。飛雷針の術とかいう苦無の所に自分を飛ばす術と螺旋丸使ってた。あとネーミングセンスが『ぼくのかんがえたさいきょうのにんじゅつ』みたいで痛々しかった」
「母親は、どんな特徴があった?」
「髪が赤かった。あと口癖かなにかは知らんけど語尾に『だってばね』が多かった気がする。あとなんか身体から鎖が出てたのも覚えてる」
自分の弟子が残した子が、こんな生活を送っていると知らなかったのだろう。世界的にはよくある話……でもないが、少なくはない話であることは間違いない。もしも俺が今のような力を持たないままこんな状況に押し込まれたら、それこそ変化で女を売って金を稼ぐようなことまでしていたかもしれない。絶対やりたくないが、物理的に可能か不可能かで言えば可能だからだ。考えるだけでおぞましいが。
エロ蝦蟇仙人は頭を抱えている。俺はのんびりと茶を啜っている。エロ蝦蟇仙人にとっては今知ったばかりの大事件かもしれないが、俺にとっては現在進行形かつ終わったことだ。わざわざ騒ぐには今更過ぎる。ただ、俺の実力……本気を出してもいないのに実力と言えるのかは甚だ疑問だが、実力を知ったら暴力に訴えるようなことは少なくなるだろう。そして後々の報復を考えれば精神的な方も多少ましになるかもしれないが……まあ望み薄だな。過激派ってのは殺しても殺しても雲霞の如くだ。厄介極まりない。そしてそう言う奴ばかり上層部にいたりするから余計に面倒なんだよな。
さて、それじゃあ修業に戻るかね。適当に買うもん買ったし正直買わなくてもよかったけど何か突っ込まれると面倒だから最低限買っただけだし、普通に過ごそう。カラシからは『お前もう大体できてるから、と言うか正直俺を凌駕してる部分もかなりあるからなに教えればいいのかわからない。とりあえずどんな状況であっても持ってて腐らないチャクラコントロールと体力強化を基本に自分で適当にやっといて』と言われて放任されてるから、雷切でも真似てやろうと思う。コピー忍者の術をコピーするとか面白いよな。ちなみに俺の最強の技は全力パンチだ。空間ごと相手を粉砕するぞ!当然相手は死ぬ(例外あり)。
「じゃあな、エロ蝦蟇仙人。久々にまともに話ができる奴と話せてよかったよ。偽物で悪いがサービスだ」
もにゅんと乳揉ませてやると真剣な顔が一瞬にして崩れてただのエロオヤジの顔になる。原作でも美女に弱いと言われていたが、マジで弱いのな。流石に童貞ってわけじゃなさそうだし、どこかの誰かさんたちのように鼻血噴き出してぶっ倒れたりもしないみたいだし。これで誤魔化されてくれるといいんだが……望み薄かね? 一瞬でチャクラのマーキングまでつけられてるようだし、とりあえずこれは砕いて解除しておこう。
あーあ、腹減った。飯食って影分身して寝るか。
Q.このエロ仙人大丈夫?
A.原作でも大丈夫だったし多分大丈夫。
Q.仙人と言えば、ナルトは仙人モードになれるの?
A.自前のチャクラ量が多すぎて星が死ぬレベルで自然エネルギーを取り込んだとしてもまず無理です。できるとしたら星の外から持ってくる必要があります。そしてナルトはこの星以外の自然を個人で所有しています。便利ですねほんと。