NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

41 / 195
NARUTO~38

 

 side うずまきナルト

 

 ついに始まる本戦だ。そしてあれだけ脅したかいあってカラシは遅れずにサルケをつれてやってきた。いや普通は遅れないのが当然なんだが、カラシが遅れないとなると逆に何かあるんじゃないかとひやひやしてしまう。失礼かもしれないが文句を言うなら今までの自分の行動を思い出してから文句を言ってほしい。そしてついでにモリヤゴコロダンステップを踏むカラシを思い出して胃の痛みで死ぬがいい。

 

 それはそれとして一回戦、突然始まる本命の勝負に観客たちは大盛り上がり。見た感じサルケは原作と似たような感じで体術面を底上げして来たらしいが、多分本当に打ち合えば彼女は勝てるだろう。問題は写輪眼だが、この世界にはしっかりと体を鍛え、写輪眼で見ても真似できない技が一つある。簡単に言えばそれは道具に刻まれた術だ。起爆札を見ればそれに使われている術式がわかるだろうが、しかしそれを使ったところで自爆するか術を刻んだ何かが爆発するだけ。そんな感じの術については使い慣れないとまともに使えはしない。上手くなるとチャクラだけで術式を描き土地そのものを巨大な起爆札にして跡形もなく消し飛ばすなんてこともできるだろうが……今のサルケにそんなコントロール能力は無いし、そもそもそんなことができるほどのチャクラも無いから安心だな。

 

 そうだ、飯テロしよう。

 

『お前いきなりどうした!?』

 なんか突然凝った料理が作りたくなった。虹の実の果汁とビリオンバードの卵(望まれて産まれた方)からケーキでも作ろう。今。ここで。

『迷惑極まりないな』

 突然作りたくなっちゃったからね。仕方ないね。

 ちなみに虹の実は非常に糖度が高いがさっぱりとしていて口に入れてから胃に落ちるまで七つの味に変わると言われている不思議な果実。それでケーキを作るとなるとそれに負けないメインのおかずが必要になってくるんだが、今回はそれを数百年以上生きているだろう超大型のガララワニの肉に受けてもらうことにした。ジュエルミートと比べると一段二段と言うレベルではなく劣るが、足りないなら追加すればいい。そう言うことでメテオガーリックとメルクの星屑を醤油に漬けて、それで味をつける。ちなみに取り出した後のにんにくは漬物として俺のおやつになります。

 そんな感じに料理をしていると近くの奴等が大体腹を鳴らして俺の方を見ている。あと某ぽっちゃり系が物凄い勢いで暴れて俺の方に来ようとしているのを止められているクッソワロ。

 

「ナルト!笑ってないでそれ片付けてよ!」

「腹の中にでいいか?」

「それでいいから早くして!」

 

 彼女と一緒に食べたかったんだが仕方ない、食べてしまおう。

 

 摩り下ろした山葵をやや厚めに切ったガララワニの肉に乗せる。そのままメテオガーリックのにんにく醤油に端を付け、大胆に頬張る。

 まず舌から感じるのは醤油の塩味。それからメルクの星屑によって添加された圧倒的な旨味と漬け込まれたメテオガーリックの風味。年経たガララワニの肉は特A級ブランド和牛のサーロインにも匹敵する味だと言われているが、それが完全に醤油の味に負けている。次にこの醤油を使うことがあったらもっといい肉を使うことを決意しつつ一口ずつ食べ進めていく。

 鰐のそれとは思えないほどに柔らかく、たっぷりと脂がのった霜降り肉。一般的な熊肉や猪肉のように獣臭いと言う事は無く、そして脂が多すぎて口の中がしつこくなってしまいそうなところで乗せておいた山葵がいい仕事をする。脂のこってりとした甘みと醤油の塩味をさらに引き締める辛味。実に美味い。だがやっぱりもう少し調味料の食材ランクを下げるべきだった。反省。

 今回は実験と言うことで数枚しか焼いていなかったのでさっさとそれを食べきると、ドッシャァ……と何かが地面に落ちたような音がした。正直振り向かなくともわかるが某ぽっちゃり系が肉が無くなったことを察知して崩れ落ちた音だろう。すまんな、この肉一人用なんだ。

 しかしガララワニの肉では力負けするとなると、必要なのはもっと力のある肉。エンドマンモスは流石にやりすぎなのがわかるし、だからと言って蟹豚では足りない。完美牛は美味いは美味いが味が優しすぎるから普通に負けるだろうし……こうなったら肉以外に魚にも手を出してみるか? アナザは無いとして……フグ鯨とかどうだろうか。ちゃんと毒抜きしたやつな。

 試すか。

 

「おいコラァ!新しいの出してんじゃ無いわよ止めんの大変なのよ!?」

「これ肉じゃなくて魚……あ、鯨は肉か。悪い止めといて」

「後でそれ私にも食べさせなさいよぉ!?」

「じゃあいいや」

「アァン!?」

「フグだから失敗してたら死ぬけど食べる?」

「あんたが死んでなかったら食べれるでしょ!」

「残念俺は毒を盛られ慣れてるからこの程度なら死なない。ちょっと指先が痺れるくらいで……む、舌が痺れる。これは当たったかもしれん。ほらあーん」

「私の傍に近寄るなぁぁぁぁっ!!!」

 

 物凄い勢いで拒否られた。ちなみに舌が痺れているのは直前に食べたメテオガーリックのせいであってフグ鯨は関係なかったりする。滋養が多いのは良いことかもだが多すぎるとこうなるから困るな。美味いけど。

 




Q.チョウジを止めてるのって誰?
A.山中さん家のいのちゃんです。

Q.ところで本当に当たってたの?
A.毒袋の処理は完璧です。なお、実際に毒があったとしても特に気にせず食べられる模様。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。