NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~42

 

 side 日向ヒナタ

 

 大殺界。そう名付けられているナルト君のあの技は、平たく言ってしまえばただの威圧だ。範囲を区切って殺気を振り撒き、その内側にいる存在に対して圧力を加える。今回はわかりやすく戦闘区域が区切られているから私たちに被害はこないけれど、もしもこれが本当の戦場だったら息が詰まってしまうほどの圧を受け続けることになっていただろう。

 それが無くてもナルト君は圧倒的に見える。臙脂色の水晶のようなものに砂を取り込んで封印することでどんどんと選択肢を減らし、どれだけやろうとも関係なく最後には勝てるだけの動きをしている。と言うかあの変な術式はどうしたの? 私ナルト君がこの一月の間そんな技の練習してたとか知らないよ? あとその技私と凄く相性悪そう。衝撃も何もかも取り込んで受け流しちゃうだろうし、流体だから斬撃打撃どちらも効果はなさそうだし、身体から離れてるから柔拳でチャクラを流し込んでも意味がなさそう。対処の仕方が思いつかない。どうしよう。

 そして場は動く。このままでは追いつめられる一方だと察した相手は新しい術の準備だと思われる砂の殻の中に閉じこもってしまった。それを見たナルト君は、突然火影様に顔を向けて問いかけた。

 

「三代目の爺さん!ちょいと広範囲かつ大威力の術使う予定なんだが被害ができるだけ抑えられる方角だけ教えてくれね? 教えてくれないならこのままやるけどその場合に出た被害について俺は責任取らんからな!」

「ほぅ……?」

「具体的にはどの程度の技なのです?」

「てめえには聞いてねえんだよ成り代わりオカマ野郎!風影の死体を放置した場所教えてさっさと音隠れに帰って糞して寝てろ!俺は知ってるんだぞ!お前初めてできた弟子が研究中に突然やってきたと思ったら『あそこから血が出て止まらない、私死んじゃうんですか? 助けて先生……』って言われて何とも言えない顔してナメクジ女に助け求めてたろ!そんな奴に聞く事は無い!」

「 」

「ぎ゛に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!???!???!?」

「アンコ、お前……」

「忘れろぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 一瞬にして会場全体が凍り付いた。風影様……ナルト君の言葉を信じるなら風影様を殺して成り代わったオカマらしいけれど、その人とその人の弟子の黒歴史を大観衆の前でぶちまけた。例え嘘でも被害があまりに大きすぎるし、そして恐らくその人の弟子だと思われる人の悲鳴と暴れる音が聞こえたから多分これは本当のこと……あれ? 第二試験の試験官の人……?

 

「あとお前エロ蝦蟇仙人の書いてた自作の小説の挿絵にキャラクターの特徴を抑えたままどっちも男にした男同士絡みの絵混ぜて精神的にぶち殺してたろ!知ってんだぞ!」

「 」

「それに三代目の秘密の書庫に忍び込んでたエロ蝦蟇仙人の姿を見つけて後をつけ、読んでた本に変化の術使って濃厚なホモ本にしてその反応楽しんでただろ!お前が変化解かなかったせいで次にあれ読んだ三代目の爺さんが鼻血じゃなくて吐血してたの知ってんだぞ!なんつー手段で木の葉崩し目論んでんだよ危うく最も情けない死因の火影が生まれるところだったんだぞこのカマ蛇野郎!」

「 」

「まてナルト!その話は儂に効く!」

「どうせお前音の里では自分の好みの奴に『私に抱かれると力が手に入るわよさあその身体を私に差し出しなさいゲヘヘヘヘヘベロムシャァ』って感じに食いまくってんだろ!?」

「待ちなさい私そんなことしてないわ!今はサスケ君一筋よ!」

「あいつの兄が欲しかったけど手に入らなかったからその代用品だろ!俺は知ってるんだぞ!暁の任務で移動してる時に後ろから襲い掛かったら反撃されて足腰立たなくされそうになったから暁から逃げ出したんだろ!知ってんだぞ!」

「何で知ってるのよ!?」

「はい自白したーカマ蛇野郎自白したー!ついでに自分が暁に居たことも風影じゃないことも自白したー!そんなんだから『一番下衆くて一番外道で一番厄介で一番人外染みてるくせに一番弱い三忍』とか言われるんだよ!」

「言われた覚えないわよ!?」

「メンタル面だよハゲ!」

「禿げてないわよ!」

「知ってんだぞ!お前禿げるのが嫌で自分の精神だけを他人の身体に乗り移らせて生きながらえてるんだろ!そんなふさふさがいいのか!他人はお前の毛根コレクションじゃないんだぞ!」

「身体を変えてるのも方法もあまり外れてはいないけど理由だけが余りにも違いすぎるわよ!」

「と言うか伝説の三忍ってこんなんばっかだよな!覗きセクハラなんでもござれのエロ小説家な自称仙人に実年齢五十超えてるくせに特殊な術で外見年齢誤魔化して賭けの借金を変化の術で踏み倒す常習犯な超絶若作りの博打狂と人体実験の挙句に他人の身体を自分の毛根のために乗っ取るオカマ野郎とか救えねぇわ!弟子におしべとめしべがどうこうって子供の作り方でも教えてから帰れ!」

「う゛に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!?!?!?!??!!!!!?」

「あとな!お前のキスマークが全身に広がって変態するようになるとか可哀想だろ!謝れ!あそこで今まさに黒歴史を暴露されたことによる心の痛みと興奮からくる呪印の暴走で変態しながら転げまわっている第二試験官に謝れ!」

 

 ああ、色々な意味で中忍試験が崩壊していく……。

 




Q.威圧してたの?
A.加減したはいますがやってます。ただし相手も慣れているようでスルーしていますが。

Q.えっちょっまって待って舞tte
A.アンコさんに10000000000000000000のダメージ!アンコさんが(社会的かつ精神的に)死んだ!この人でなし!

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