NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~43

 side うずまきナルト

 

 カマ蛇を煽り倒していたらなんか砂隠れの里の奴等の動きがおかしくなった。そりゃそうだ、風影の意志だと思って動いていたらその風影がとっくに殺されて成り代わられていたと知ったらそうもなる。

 しかしあれだな、オカマ丸って天然かボケだと思ってたんだがツッコミ属性なんだな。いや、ツッコミに見せかけて俺の言葉にいちいち反論しては自爆しているからある意味これも高度な……高度か? 実際に高度かどうかは知らんがボケかもしれん。少なくとも今は完全にギャグキャラ。

 だが準備をしているがらがらどんは止まらないし、木の葉崩しも止まらない。例え砂がこの瞬間に全部手を引いたとしても、これは既に砂の里全体が動いている一大作戦。止められるはずがない。

 だからこそ風影に扮したオカマ丸は開始の合図を出し、音隠と何も知らない砂隠れは同時に動き出す。この場にいる四人を除いて。

 

 ところで、俺の最強の術は影分身だと自負している。その理由としては……影分身の元が俺だからだ。

 影分身は傷を負ったり強い衝撃を与えられると消えてしまう。では、俺基準で強い衝撃と言うといったいどのくらいの威力になるか、そしてまだ獣形態だった頃の九喇嘛に咬まれても服しか破れず俺自身は無傷だったことを考えれば俺に傷を与えると言うことがどれだけ困難かはわかってくれることだろう。つまり、俺が俺だからこそ俺自身を増やす影分身が最強の忍術になりうると言うことだ。しかも影分身なのに寝るとチャクラが最大値まで高速で回復する不思議な現象も起きる。さらに増えた分にチャクラは引き継ぐ上に上限まで回復して無駄になった分は自動的に百豪の術に装填されて無駄にならない。それどころか百豪に装填された分まで影分身倍になって帰ってくるから凄いことになっている。これには九喇嘛も一時的狂気に陥るレベル。自傷癖引いて尻尾千切ろうとし始めたので殴って止めた。仕方ないね。なおそのことは九喇嘛は忘れてしまっているので思い出させないようにしている。俺は精神分析持ってないから殴るしかできんのだ。

 だが、そんな影分身ができると知られると色々と面倒なことになるのが目に見えている。正直、木の葉の裏のクソ共が何をしようと負ける気はしないが、本当に敵対することになったら文字通り全てを敵に回すことになるだろう。全てを敵に回したところで現状俺が負けるようなことは考えられないし、霧隠れの鬼人とお面ちゃんと言うアンカーがある以上そこにすぐさま転移することもできるのだから最悪でも死ぬ事は無いだろうが……面倒だ。手配書に顔も名前も載らないように一夜どころか一瞬で里の全てを焼き払いでもしない限りばれるだろう。そしてそこでばれなかったとしてもそこで九尾が出なければ俺が死んでないとわかってしまう。そんなことを考えんのも面倒だ。

 

「なあ、そこの馬鹿に八つ当たりしていいか? 殺したら中身出てくるだろうから殺しはしないからさ。な? な?」

 

 がらがらどんの籠った殻を叩いて作戦の中止を呼び掛けていた砂の忍がいたが、まあ俺には関係ないわな。幻術を使っている奴もいるようだし、ここももうすぐ戦場になるだろう。だから先にがらがらどんを叩いて砂の士気を挫く。三代目の爺さんはオカマ丸と一緒に屋根の上。屋根にはもう結界が張られ、中ではなんか話が行われているらしいから聞きに行きたいんだよな。

 まあ、答えが返ってこなくても関係ない。やる。

 

 動きを速めて五秒で書き上げた魔法陣に乗り、本来は欠片も必要ない詠唱を行う。ただし、元々の呪文にアレンジを加えた上で。

 

「『九天の闇を統べる獣、汝ら欠片の縁に従い、汝ら全ての力もて、我に更なる力を与えん』」

 

 まず魔力増幅。これは基本だ。そしてこの詠唱と魔法陣の合わせ技によって俺は世界そのものとも言える十尾、その欠片である一から九までの尾獣の力を一時的にこの身に宿すことができる。なお、設定上だけの話である。実際にはこの呪文にも魔法陣にもそんな効果は無いが、そう思わせるのが重要だ。何より考えてて楽しい。

 この呪文によって一気に増幅されたかのようにチャクラを変換しながら放出。俺のチャクラに加えて九喇嘛と一尾のそれを含めた禍々しいチャクラを九種類纏めて放出しているため、知っている奴からすれば間違いなく尾獣のチャクラを持ってきたと思うことだろう。魔法陣も光り輝いているし。

 そこから本番。印を組むのではなくただ両手を合わせ、そしてそこに放出していたチャクラを集束、圧縮して歪な形の剣を形成していく。

 

「『黄昏よりも暗き存在(もの)』」チャクラを集束させ始める。

「『血の流れよりも(あか)き存在』」圧縮は続けながら圧縮によってできた球体を手の中に収める。

「『時の流れに埋もれし偉大なる汝の名において』」圧縮はそのまま球体を柄状に形態変化。

「『我、ここに闇に誓わん』」圧縮先を手の中にあるように見える柄の根元から刀身が伸びていくように形態変化。

「『我等が前に立ち塞がりし全ての愚かなるものに』」黒々とした刀身が伸びていく。

「『我と汝が力もて』」刀身完成。

「『等しく滅びを与えんことを』」そして某黒化した騎士王の聖剣のように黒いチャクラを放出。

「『竜破斬(ドラグ・スレイブ)!』」そして思いっきり振り下ろせば、見事に防御をぶち抜き観客席を両断し地平線まで続く巨大な刀傷ができましたとさ。

 

 ……やっぱこれ使った感じ神滅斬(ラグナ・ブレード)だよな? それも完成版の大剣と未完成版の稲妻のような刀身のが混じり合ったやつ。

 

『儂に聞かれても知らん。ほれ、片腕片足切り落とされた霊媒が出てくるぞ』

 殺さないように中心は避けた甲斐があったわ。手足は凍らせてから封印して事が済んだら返してやる方向で行くか。

 




Q.竜破斬と言うより獣破斬では?
A.それギガスレイブでやるんで。

Q.片腕片足斬り落とされてるってやばくね?
A.ちゃんとくっつけて返すから大丈夫(震え声)

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