side うずまきナルト
世界が死んだかのような静寂だ。まあ突然あんなのが飛んでったらそりゃ何事かと思うわ。わかる。そしてそこに刻まれた馬鹿でかい刀傷……もはや崖だが、そんなものが突然現れたらそりゃ驚く。当たり前だ、俺だって驚く。
そんな中で俺がオカマ丸と会話していた分の時間で大分出て来ていたショ狸が……あれ、俺の目の前にマジで見覚えのないショタしかいないんだが。どういうことだ?
「ちくしょう……おれさまともあろうものがなんてなさけねえすがたに……!」
あ、こいつまず間違いなくショ狸だわ。柔らかそうな尻尾ついてるし。まあ砂を操る能力とかチャクラ量とかそういうのは変わってないはずだから油断は禁物……(モフモフ)
「ふあっ!? お、おまえなんだ!? なんでおれさまのしっぽをさわってるんだ!?」
「おっといかん魅惑のモフモフに誘われてつい手が」
切り落とされたがらがらどんの片腕と片足はもう拾った。そしてマグネシアに収めて時間ごと封印したから新鮮なままだ。本体の方は手足が切り落とされたままのはずなんだがショ狸は斬られても砂で形だけなら再生できるようで全く問題なく動こうとして俺が尻尾をモフってるせいで遠くに行けなくなっているようだ。
「ふざけるな!おれさまはすなのしゅかくだぞ!いちびのびじゅうなんだぞ!」
「あ、耳も狸なのな」
「きけよぉ!」
すっげぇ柔らかい。これあれだ、ビーズクッションみたいなやつだ。ビーズの代わりに砂だがかなりサラサラのが詰まっててもっちもち。これはやばいな、九喇嘛のが傾国のモフモフだとすればこいつは魔性のモフモフだ。どっちが優れているとか劣っているとかそういう話じゃなく、単純に超がつくほど上質なモフモフの方向性が違うだけだ。
「やめろー!」
「五月蠅い気が散る。一瞬の油断が命取り」
「いままさにおまえゆだんしまくってるからな!? ころすぞくそがきぃ!」
「いや見た感じお前の方がガキだがな?」
「ちくしょーちくしょー!なんだかとってもちくしょー!!!」
「これが……私が恐れたあの化物……」
「これが……我愛羅に封印されてた化物……」
「これが……砂の切り札……」
なんか砂忍三人が物凄い勢いで意気消沈している。まあ自分たちの切り札として見ていた存在がいきなり相手の手練手管で無力化されてたらそんな感じにもなるわな。
だが俺には初めの転生で身に着けたこの技がある!そう、ナデホだ!撫でてポっと惚れられるやつではなく、撫でるとホッとしてくつろぐやつ。これを使うことで俺に撫でられた奴はなぜかなごんでしまい、俺の膝の上で昼寝なんかをする奴も出る! ショ狸みたいにな!
「これが……私が恐れたあの化物……」
「これが……我愛羅に封印されてた化物……」
「これが……砂の切り札……」
「むにゃむにゃ……くらまころすぅ……」
「寝てても物騒な奴だなお前は」
と言うか仲悪いなお前ら。尻尾の数=強さじゃないってのは知ってるだろ?俺は九喇嘛相手だったら何百居ても一方的に殴り殺せるだろうが尻尾は無いぞ?
『いや儂最近お前の事人間どころかこの世界に生きる存在と認めてねぇから』
単性生殖で生まれたチャクラ生命体がなんか言ってんな? あ、そうだそう言えばお前九喇嘛の陽の方だけなんだよな?
『そうだがそれがどうした』
俺これからショ狸の陰の部分と陽の部分を分けて陰の方だけもらって陽の方返すことにするから、シェアハウスよろしく。
『ふざけんなァ!クソ狸なんぞと一緒に過ごせるか!』
大丈夫だ。狸じゃなくてショタだから問題ない。
『問題しかねえだろ!と言うか今は儂もロリだぞ!? 問題だろ!?』
大丈夫大丈夫、ちゃんと部屋は分けるから。と言うかお前の部屋居心地良いだろ? 似たようなのをかなり離れたところに作るから会いたくなければ会わないだろうし大声出しても聞こえない。思いっきり暴れても影響は出ないようになってるからな。
『……あいつ入れてると寝れなくなるぞ』
逆に聞こう。あいつが俺に影響を与えようとして俺が何か変わると思うか? むしろあっちに影響が出て『ぼくはおひるねだいすきなおとこのこ、きょうもおひさまがぽかぽかできもちいいなぁ』とか言い出すようになると思わんのか。
『お前に影響を与えるとかまあ無いしお前の影響を受けてとりあえず寝るようになるのも納得した』
そう言うことだ。これよりなんか適当に分けて暗い方だけもらう作戦を開始する。陽の方だけだったらこいつも少しはましに……なるか? なるだろ。なれ。
では開始。
Q.尾獣二体入れて平気なの?
A.九体の複合を入れて平気な奴もいるし平気でしょ。多分。
Q.そんなに気持ちのいいモフモフなんですか?
A.とても気持ちのいいモフモフです。