NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO〜02

 side うずまきナルト

 

 三代目火影に守られながら、色々と人間の暗い面ばかりを見て生きてきた。

 日々山や川に出かけて獲物を狩り、忍者アカデミーで学びながらその日暮らし。ちなみに食料品を買わないのはまともなものを売ってくれないからだ。基本自分で用意できるし。

 

 忍者アカデミーだが、学ぶ内容がかなり幅広い。普通の小学校のような国語と算数、この世界ならではの歴史の授業に加えて忍術・体術、忍具の扱い。流石に起爆札等は実際に使うようなことはないが、苦無や手裏剣はよく使われる。適当に投げれば割と刺さるし、必死にはならないでもそこそこ術も使える。この身体の属性は風らしいが、なぁに五行を応用すればなんでも使える。五行的には木行である風と雷が別の属性となっている上に木行が土と水の合成で存在しているから大分合わせるのが面倒だが、一度合わせれば使うのは難しくない。合わせるまでが滅茶苦茶面倒だが、そもそも理論どころか世界が違うし性質まで違うものを使っているんだから大変で当然なんだが。

 で、チャクラを用意できたら後は組み合わせだ。血継限界は無いから氷遁だの熔遁だのと言った物は使えないだろうが、組み合わせるだけだったらいくらでも使える。風と水を合わせて霧を作ったり、風に炎を合わせて炎をより大きくしたり、逆に炎を風に呑ませて爆破したりと言った普通の組み合わせはできる。

 いちいち作って使うのは面倒だが、まあしゃあない。慣れれば一発で作れるらしいが、慣れないからな。しゃあない。

 だが、俺にしては珍しく割と真面目に授業を受けてはいる。分身の術の練習で走るチルノが出てきたり、幻術の授業中にクトゥルフ神話系の神格が見えた奴が何人か出て授業が中断したり、体術の授業中に優秀な奴の前で後ろ向きに走って煽り倒したり、喧嘩があれば賭けの胴元になったり、知り合いが泣いていたらひっそりと近くに行って泣き言くらいは聞いてやったり、自分で言うのもあれだがかなり自由にやらせてもらっている。

 お陰で担任であるイルカせんせー(覚えた)には割と問題児として扱われているし、同級生のサルケは俺の顔を見るたび額に青筋浮かべるし、俺に近寄ろうとする奴はほぼいない。皆無というわけでは無いが、非常に少ないと言えるだろう。

 基本的に多くの木の葉の里の下忍から中忍を親に持つ子供は親から俺に近づくなと言われているし、上忍でも四代目火影にある程度以上近い存在でなければ俺のことについて詳しい説明はしていない。さらに三代目の爺さんの命令により、俺の中に九尾の狐が居るということは俺を含めた俺の同年代全員の耳に入れないようになっている。そのお陰で俺に近づかないようにしろという言葉の理由も知らないままに多くの同年代は俺から距離を取り、そう言われていない奴も詳しい説明を受けられないため空気を読んで俺に近づかないようになるわけだ。

 三代目の爺さんには感謝しなきゃならん。流石に周りの奴ら全てから命を狙われたら面倒極まりないし、里での生活なんぞできるわけがない。原作において普通に生きてこれたと言うだけで、九尾の狐と同一視されていたナルトがどれだけ大切にされてきたのかわかるというものだ。

 

 その辺りどう思うよ。

『ワシにそれを聞くか、小僧』

 身体はともかく魂の年齢だったらお前よりよっぽど歳上だと何度言ったらわかるんだろうなこのロリ狐。

『誰がロリじゃゴルァ!』

 ペド狐か?

『おい小僧、今すぐ精神世界に入って来い。食い殺してやる』

 ……s

『違ぇわボケェ!!』

 戦闘的な意味でないとすると……まさかs

『戦闘的な意味だよボケガキ!オラさっさと入って来い!!』

 ちょっと前にボコり倒してやったじゃねえかよ。じゃあ俺が勝ったら今晩モフ枕な。

『今度は負けん!』

 

 頭の中で九尾の狐がギャンギャン騒ぎまくっているが、結構良い歳してるくせにかなり元気だよなこいつは。

 ……ところで、最初の食い殺すに対しての答えをどんなものだと思ったんだろうな? 不思議だ。

『小僧の方こそ二つ目はなんて言おうとしてたんだぁ?』

 食事的な意味。

『…………』

 何だろうなこの空白。わからん。


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