NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~47

 

 side うずまきナルト

 

 どうやら三代目の爺さんはもう少し生きていけるらしい。ただし一気に大量のチャクラを使って無茶をしたせいで寿命は大分削れてしまったとか。あまり長いこと生きられないのはわかったし、今後の事を考えて五代目火影を選ぶって話になったんだが……なんで俺はここにいるんだろうな?

 

「なあ三代目の爺さん、なんで俺はここにいんの? 半ば以上尋問染みた取り調べにも素直に応じた上に直接殴ってきた奴以外怪我もしてないんだし帰ってよくね?」

「いや、すまんなナルト。もう少し聞きたいことがある。答えてくれるな?」

「答えられることなら。ちなみに竜破斬についてはよく知らん。九尾曰く『契約した尾獣がかつて放出して大気に残っているチャクラを一か所に集束して打ち出す技』って言ってたぞ。なんか嘘っぽいけど」

 

 俺が頼んでそう言うだけ言ってもらったから嘘ではないぞ。ただ事実と異なるってのは間違いない。んで多分聞きたい事ってのはこれに関することだろうし先に答えておく。

 

「そうか、九尾が……ではもう一つ。どうやってあれだけの力を手に入れた?」

「あー……うん、三代目の爺さんだけならともかくこいつらに教えたくはないね」

「真面目に答えんか!」

「うるせえ老害脳味噌取り出して猿のと交換するぞ」

「これナルト!」

「喧嘩売ってきたのはあっちからだから俺は謝らないし後悔もしない。そして明日あれは冷たくなってるだろうから引継ぎしといたほうがいい」

「……殺す、と?」

「いや? 勝手に『死ぬ』のさ」

 

 チャクラじゃなくて魔法系、と言うか呪術系で呪うんだけどな。指差しと邪視はもう使ってるし、名前については覚えられないからスルーするとしても……まあ明日には死ぬな、あれ。名前を覚えられたらそれこそ数分で殺して見せるんだが、できないことを言っても仕方ない。

 

「……できれば殺さんでくれんか? お前にとっては嫌いな相手かもしれんが、こ奴はこの里に必要なのじゃよ」

「だから俺が殺すんじゃないって言ってるだろうに……はいはいじゃあ忠告な。頭上注意。以上」

 

 ほっとけば間違いなく『偶然』落ちてきた建材に頭を砕かれて死んでただろうに、なんで俺がそういうのを言ってやらないとならんのだ。俺は基本人の生き死にには無関心だってのに。本来は三代目の爺さんも最期の雄姿を見るだけのつもりがなんか勝っちまってるし……原作通りオカマ丸の両腕は奪っていったし……物理的切断と呪印のコンボ強すぎ。

 あー面倒臭い。ここに俺を陥れたクソ野郎がいるってのも面倒臭い。今すぐこいつの初代細胞暴走させてやろうか? それとも致命傷負わせてから俺の万華鏡写輪眼の固有能力でチャクラ封じてそのまま死ぬまで放置するか?

 ああ、それと俺の万華鏡写輪眼の能力だが名前を『蛭子』と言うことにした。元々あるはずがない写輪眼から生まれた俺以外には本当に何の役にも立たない能力。だからこそ日本神話において役立たずとして捨てられた存在の名前を付けた。そして俺に使われることで『日子(ひるこ)』として太陽神の権能をも持つ存在へ……いやまあ俺のチャクラが化物通り越してマジキチってくらい多くないと使えないんだけどな?

 

『なら使えるだろう? よかったな』

『くらまぁ!こいつほんとうににんげんか!? おれらぜんいんあわせたよりちゃくらおおくね!?』

『それどころか六道の爺より多いぞ間違いなく』

『だよな? にんげんじゃないよな!?』

 うるせえ俺は人間だ夜通しモフるぞ。

 

「それとナルト……あの術は禁術とする。よいな?」

「別に構わんけどあれ自作の戦闘用の術の中では被害小さい方なんだけど」

「嘘じゃろマジか」

「マジマジ。正直あの砂の塊の中身殺さないように加減してた。ちなみに一番被害がでかそうなのは月を口寄せして地上に物理的に叩き付ける技ね。前に口寄せを練習しようとした時にふと思いついて月にマーキングのチャクラ伸ばしたら届いちゃってさ。呼ぶ?」

「やめよ……ああ胃が痛い……」

「俺が寿命以外で死んだら身体の中に残ったチャクラを使って自動で月が召喚されるから、俺を殺そうと思ってる奴がいたら辞めた方がいいと思うよ? 聞いてるかそこの暁のとあるメンバーを謀殺したおかげで輪廻眼の持ち主に木の葉を狙う理由を作らせたクソ無能。お前は無能だから知らないかもしれないが俺は知ってるぞ? お? 殺気だったな? 呼ぶ? 月呼んじゃう? 木の葉滅ぶけどやっちゃう? 俺の言葉を信じないでやってみる? いいよ? そもそもお前程度に殺されるつもりなんて欠片も無いし少なくとも俺だけは生き延びる自信あるし全く構わないよ? 別天神はかけられる前からかけられていると認識して幻術返しし続けていれば効果無いからな? かけられていないと思っているから効果を持つ幻術だからかけられてるとわかってればその程度だぞ? そもそも俺にそんなもん効くと思うなよ?」

「止めよナルト。……と言うかそれマジかの?」

「三代目の爺さんは優しすぎるからって排斥したかったんだろ。それでそもそもは親父が守ったとこだし守ってもいいかなと思ってた俺に木の葉を守る気失せさせた戦犯だけどな。一応言っとくな? 万が一にでもお前が火影を名乗ることになったらその時に何を相手していようと殺してやるから覚悟しろ。その眼の別天神もイザナギも絶対じゃねえってことを教えてやるよ。あと今こいつの服を剥げば気持ち悪い眼球がいくつも埋め込まれた腕が見れるからわかると思うぞ死ね」

「語尾に死ねは物騒じゃからやめよ」

「道半ば木の葉を守れずむしろ自分の行動の結果木の葉存続の道を絶たれてしまったことを自覚し、木の葉の里が滅亡するのを何もできないままに見せつけられてから死ね」

「結局最後死ねなんじゃな……ダンゾウ、後で話がある」

「あ、こいつの隠してる方の目の写輪眼は別天神って瞳力があって『まるで本人がそうしたいからそうしたと思わせながら自分の意思に従わせる催眠をかける』なんて能力があるから気をつけてな。一回使うと初代火影のチャクラでもない限り十年くらい使うことができなくなるそうだけど多分持ってるから今のうちに殺しといたほうがいいと思うよ」

 

 さて帰って異空間に入って寝るか。俺が外出する度に物が盗まれるからベッドすら置けないんだよな、俺の……まあ、一応家。秘密基地の方は万全だけど。

 




Q.ダンゾウはこれからどうなるの?
A.三代目様激おこぷんぷん丸。相談役達にも同じく。少なくとも権力は多少削られる事でしょう。

Q.ヒルコってなんかいなかったっけ?
A.サソリの傀儡。別物ですからお気になさらず。

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