side うずまきナルト
ナメクジ女の恋人さんを蘇らせたはいいものの、俺もその人もしばらく目を覚まさなかった。まあ俺にとっては何の繋がりもないのに加えて良い感情もない相手だからね。仕方ないね。
だが、それでも俺とその恋人さんの目覚めを待っていたらしく、俺が起きた時にはすでに三日以上の時間がたっていた。俺以外の俺、白でも再不斬でもない完全に予備の俺で影分身からの修行をひたすら続けていたから疲れたってのもあるな。何しろ本来寝ていれば起きた時には疲労が全快する俺だが、疲労が回復しきる前に後から後から精神的な疲労が積み重なってくるわけだ。かなり無茶ではあるが、まあやった甲斐はある。チャクラもだいぶ増えた。
『まだまだ増えんのな……こいつほんとどこまで行く気だ……?』
『しらね。とりあえずにんげんそつぎょうぱーてぃーでもひらいてみるか?』
『欠片も嬉しくねえんだが』
『同意』
『じぶんでいっといてあれだがしょうじきおれさまも』
ところでいつものあれで表すとどのあたりまで増えた?
『あまりにでかすぎてもうわからん。『とにかく多い』ってくらいだな、わかるのは』
『蟻が象を見た時にこんな気分になるのかもしれないな。同じ生き物ではあるが規格が違う。そもそも儂らからは生き物かどうかもわからねえ』
『あるのはわかる。ただでかすぎてよくわかんねえ。そもそもこれかぎりがあるのかどうかもわからねえ』
限界はあるさ。人間だもの。
『嘘乙』
『嘘乙』
『うそおつ』
お前ら後でモフり倒してやるからちゃんと風呂入って毛並み磨いとけよ獣臭かったらバリカンな。
尾獣三体の悲鳴をバックに起きたら即座にかーちゃん蘇生。直接的な親レベルだったら消費もかなり少なくて済むという設定にしておいたのでこのくらいならすぐできる。……ついでに判断材料に近親者の生体情報とかがあると楽になるとかそういうのも付け加えておくか。サルケあたりが全身の毛と言う毛を剃って持ってきたりしてな。
……いや、忍者だったら毛よりも血か。実際そんなもの必要ではないんだが、恩に感じてくれればありがたい。とても便利で頑丈な鎖になってくれることだろう。
そんなわけで俺は目覚めたって設定なので普通に行動し始める。でも親父を生き返らせたのはちょいとやりすぎだったかもしれんな。死人を生き返らせることができると知られたら滅茶苦茶面倒なことになりそうな気がするんだが、流石に人の目に触れさせたものを消すのもな……ナメクジ女の方にまで影響が出そうだからやらない方がいいだろうし、しかし厄介だ。
となると木の葉には連れて帰らず別居……だがそれも難しい。なにしろ元火影とその妻、木の葉の里に対しての愛情は人一倍だ。面倒臭い。
ではどうするか。もうこの際さっさと公表してしまうのも一つの手だが、そうなると今度は俺の自由が無くなってしまう。里のために誰かを蘇らせるとかやってられるか面倒臭い。俺に深くかかわった奴で仲がいい方ならともかく、なんで大して仲が深かったわけでもないような奴を蘇らせなければならんのだ。意味が解らん。そして木の葉の相談役と暗部の支配人の言うこととか絶対聞きたくない。もしそいつらが俺に直接何かを命令してくるようなことがあったらそいつら殺して暗部も滅ぼして木の葉を抜けるわ。ついでにサルケの奴を引き込むために上層部のクソ共によってイラチが一族を殺しつくす命令を受けたことをバラした上で里抜けに誘ってやるわ。最後のうちわの血族と九尾の人柱力を同時に失ってしまえ。そして滅べばいいと思うよ。
……もしそうなったとしたら彼女はどうしようか。流石に意思を無視して連れて行こうとは思わないし、だからって彼女は木の葉を捨ててまでついてきてくれるとは思わない。じゃあ……やっぱり置いて行くことになるか。
いや待て、面倒だが楽な方法があった。初めからそんな事実はないと思わせるようにすればいいんだ。
人が生き返ってなどいない。そもそもそんな術などない。少なくとも上層部にはそう思わせておけばいい。そしてそのためには契約を結ぶべきだな。セルフギアススクロールで魔力回路の代わりに経絡系を人質に取って俺の術の事を一切口外しないようにさせればいける……か?
まあいいまず行動だ。最悪滅ぼせばいいしな。ほんと、相手を滅ぼしてもいい交渉って楽だわ。
Q.結局どのくらい増えたの?
A.『測り知れねえってことが測れるだけだ』より上。
Q.それで両親はどうすんの?
A.隠れ住んでもらう感じになるかな?