side うずまきナルト
こってりラーメンはできた。できたんだが、かーちゃんがどうしても俺が作った塩ラーメンが食べたいとのことだったので夕食をかーちゃんに任せることで昼も俺が作ることになった。まあ、元々昼は毎度作ってたから構わないんだが、ラーメンなぁ……しかも塩。一番誤魔化しがきかない奴だ。正直得意じゃない。
まあお願いされたし作ることにはしたが、今日は彼女の所に行くのは影分身になってしまうな。残念だ。
「ラブセンサー!」
「……いきなりなんだよかーちゃん」
「なんと言うかこう、ビビッと来た!ナルト!あんた好きな子いるってばね?」
「……あー……敵対関係にあってもできれば殺したくないと思える程度の相手なら一人」
「答え方からして不穏だけどヨシ!女の子? 名前は?」
「女だが……あー……実は俺って他人の本名を覚えるのがどうにも苦手で、例外除いて覚えるのに五年とかかかんのよね」
「……ってことは、覚えてない、と?」
「おう。目下努力中」
「そう……わかったわ。ところで、敵になったとしてもできれば殺したくない相手、って言っていたけれど、それって好感度的にはどのあたりになるの?」
「ん~……そうだな……」
睡眠(死んだとしても必要不可欠レベル)>空気(無いと生命維持に即座に支障が出るレベル)>水(無いと生命維持に緩やかに支障が出るレベル)>地面(あった方が絶対に良いと言えるレベル)>太陽(無いならないでいいけどあった方がいいレベル)>月(あっても無くても増えてもいいレベル)>消しゴム(どうでもいい)>真夏の炎天下で遠出して四時間、喉の渇きに耐えながらコンビニもカフェもない道を歩いていた時にやっと見つけた自販機が『あったかーい』コーンポタージュとおしるこしか売っていなかった時のその自販機(なんで存在してるの? レベル)>無能な敵(利用できるだけ利用して殺すレベル)>そこそこの敵(見つけたら殺すレベル)>有能な敵(上司に無能を用意して実力を出せなくして殺すレベル)>無能な味方(できる限り事故死あるいは敵の暗殺に見せかけて殺す。できなければ時間を止めてでも殺すレベル)>有能な上に俺に悪意敵意殺意あるいは捨て駒のように思っている奴(『ぶっ殺す』なんて言葉を使うんじゃない!『ぶっ殺した』なら使っていい!レベル)
まあこんな感じで考えると彼女は……
「……太陽、かね?」
「べったぼれじゃないのナルト」
「ああうん多分だけど認識がちg」
「ミナトー!ナルトに好きな子ができたってばねー!」
行ってしまった。困ったもんだ。ちなみに親父とかーちゃんは『消しゴム寄りの月』だ。
『ちなみに儂等は?』
月寄りの太陽。彼女は地面寄りの太陽な。
『思ってたより高いな。消しゴムくらいだと思っていたが』
『びじゅうとけしごむがどうらんくでかたられるとはいったいなにがおきているんだ……?』
五月蠅いぞ月寄りの消しゴム。
『おれさまけしごむなのか!? すなけしか!?』
ああ、あの受験とかでは絶対使えないやつな。ちなみに砂消しは俺の中だと自販機レベルな。
『おれがけしごむですなけしがじはんきとはいったい……うごごごご』
『大変だな砂消し』
『頑張れよ砂消し』
『よろしいならばぽーかーだ!おれさまがかったらばかぎつねどもどげざな!』
『では儂が勝ったらクソ狸はケチャダンスな』
『まっておれさまけちゃとかしらない』
『チッ……じゃあもしもナルトがまた新しく尾獣を体内に封印したら『今から面白いことやります!』と宣言してから同じ一発ギャグを三回やり、それが受けなかったら何故その一発ギャグが面白いのか、どこが笑いのポイントなのかを明確に明瞭にかつ詳細に説明してもらう』
『まってそれおれさまのだしたじょうけんのどげざとつりあってないばつげーむというよりしょけいだろそれ』
『では始めるか』
『まってほんとまってけちゃがんばるからそっちにさせて』
『初めからそう言っておればよい物を……では開始だ。儂、カードを配れ』
『まてぇぇぇぇぇぇ!!でぃーらーがばかぎつねとかありえないだろ!? いかさましほうだいじゃねえか!?』
『『それがどうしたルールを確認しなかった方が悪い』』
『ちくしょうめぇぇぇぇぇっ!!』
元気なことだ。だがそれも悪くない。
Q.結局ナルトはヒナタの事をどう思ってるの?
A.餌付けしたら懐かれた子。癒し。
Q.太陽で月で消しゴムが砂消しは自販機……?
A.考えるな、感じろ
Q.ショ狸はどうなったの?
A.初手でスペードのロイヤルストレートフラッシュを揃えて九喇嘛を土下座させました。