NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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23時55分くらいにこの話のボツ案を投稿します。内容に期待せずお待ちください。


NARUTO~78

 

 side うずまきナルト

 

 原作において中忍試験はあの一度以降は出てこなかった。しかし木の葉崩しが行われたあの状態で中忍選抜試験なんてものをやる余裕があるはずがないのは馬鹿でもわかるのでまず間違いなく数年は中忍試験は行われなかったのだろう。

 だが、ここではすでに中忍試験が行われている。多くの被害が出たのは木の葉だが、砂も人的被害と言う点では無視できない程度に被害が出たはずだ。だと言うのにこうして試験が行われていると言うのは、木の葉崩しがとある一撃で一度止まり、さらにそこで風影が暗殺されていることが即座に広まったせいだろう。ぶった切った中に音の忍が何人かいたようだが、まあ俺には関係ないよな。

 しかも木の葉は木の葉で三代目の爺さんが弱ったとはいえ暫く生きていてちゃんと舵を取っていたってのもあるだろうし、戦闘が速攻で終わったと言うことは被害も少ないと言うことだ。あの時もう少し遅らせていたらもっと被害が大きかったのか……暫く放置しておくんだったわ。

 

 まあそんなこんなで中忍になった俺だが、今まで一度たりとも中忍用の任務服を着たことがない。流石にここまでくると毒を仕込んだり直接的な害を及ぼすような事は無くなってくるが、だからと言って今までの事が無くなるわけではない。俺は割と執念深い方だ。それこそ蛇のように。だから俺は以前、具体的にはこの世界に転生する大分前に食事中に中近代ブリタニアの餌の話をした某青セイバーの事をいまだに許していない。カレーを食べている時に腹の調子が悪くて下痢気味だと言う話題を出してくる奴と同じくらいに罪深い。場所によっては即座に斬首刑から晒し首にされても『まあ仕方ないわな』と言われるだけで許されるレベルの罪だ。

 

『そんなやばい場所あったか……?』

 俺の脳内。

『それ場所じゃねえだろ自重しろ』

 そう言われて自重できるようなら今の俺はいない。諦めろ。

『儂はもう諦めとるから構わんが周りの奴らがどう思うかは知らんぞ?』

 俺はこの世界で周りの奴がどうこうってのは気にしないことにしている。理由はお察し、そんなことをしていたらそれこそ五分で死ぬか奴隷のように生きるかの二択だ。そんな人生は御免なんでね。

 

 それと中忍試験のために砂の里に行ったが、がらがらどんが新しい風影になっていた。なんか里の中でクーデターがどうこうとかそういう話もあったようだが、俺が何をするわけでも無く終わったから問題なかろう。一応怪我人はできるだけ出さないように医療忍術を主体に立ち回ったし、後は音にチャクラを載せて索敵したりしたくらいだ。俺が目立つようなことは殆ど無い。ちょっと腕が吹き飛んだ奴の腕を生やしたり胴体が半ばから抉り飛ばされていた奴の傷を修復したりしたが、まあ問題はない。少々効果の高い医療忍術使いなだけだと言うことにしておく。面倒だしな。

 だが、こうして万能でいると不安がる奴もいる。医療忍術をかじり始めたバクラなんかは俺が医療忍術を上手く使っているのを見て自分は本当に役に立てるのか、存在している意味はあるのか、なんてことを不安に思ったりするらしい。

 ……そういうことを不安に思う子供ってのはとても可愛いものだ。ついつい身の丈に合わない力を与えてしまいたくなるくらいに。

 

「……なあ。俺が今まで一度もお前の名前を呼んだことが無い事には気付いていたか?」

「え? ……うん。あと、サスケ君とカカシ先生の事も呼んでなかった……キバとシノ、ネジさんとリーさんくらい? ……あといのもか」

「よく見てんなぁ……実はな? 俺には特殊な術が常にかけられている」

「特殊な術? どんな術?」

「記憶を燃料にして力を増す術って言う珍しい術があってな。これまでの人生で積み上げてきた記憶を焼き払うことでエネルギーに変え、チャクラにしたり身体能力にしたりするわけだな」

「それがなんだって……まさか、名前……!?」

「察しがいいようで結構。この術は自動で発動し続ける術でな。常に何かをくべていないと燃料を求めた術の炎が見境なしに記憶全体を焼き始める。つまり加減を間違えると人生そのものがすべて焼き払われることにもなりかねない危険がある。それも思い出とかそんな物だけではなく言葉や歩き方まで忘れる完全な白痴になる可能性もあるが、そうならないようにするためには名前だけをくべ続けたりする必要がある訳だ」

「そう、なの……」

「態々他人に言うような術でもないし広まると馬鹿が湧きそうだと思ったから黙ってたんだが、こうして伝えたからにはそうした理由があるわけだ……力が欲しいって言うなら、この術を教えてもいいぞ? 解析して自動で焼き続ける術式から自分の選択した記憶や範囲だけを焼いて力に変える術に改変したし、必要ない時には切ってもおける。一度火をつけたら止まらない方はいちいち火をつけたり消したりする必要がない分出力や変換効率は若干高いが使い勝手は最悪だし、改造版の方しか渡す気はないが……使ってみる気はあるか?」

 

 バクラは迷ったように視線を彷徨わせる。まあ突然『記憶を代償に力を得る術使うか?』と言われても迷うわな。普通は迷う。俺だって迷う。

 だが、バクラの無力感は凄まじい物だったのだろう。迷いはしていたが、それでも迷いの果てに俺の手を取った。




Q.どこの錬金術師さんですかねぇ……?
A.思い出さなくてもいい記憶、思い出したくもない記憶を焼き払える上にエネルギーまで手に入る、とっても便利な術ですよ。

Q.え? 覚えてられない理由って体質じゃなかったっけ?
A.『特殊な術が掛けられている』のは本当ですし、『記憶を燃料に力に変える術がある』のも本当です。かけられている術がそれとは言ってないです。

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