NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~86

 

 side うちはサスケ

 

 砂に着く直前、エンジンに砂埃が入って調子が悪くなった車を一旦しまってから走って砂に向かう。ナルトは有言実行とばかりに思いっきり寝ていたが、本来三日四日はかかる道のりをたったの一日半で走破したナルトを置いて行くような奴はいない。カカシが背負って運ぶことになったが、ナルトは身体の様々な場所に色々と武器を仕込んでいるから見た目からは考えられないほど重かったりする。

 

「カカシ、腰は大丈夫か」

「めちゃくちゃ重いけどなんとかね……なにこれナルトはいつもこんな重いの?」

「任務の時には色々仕込んでいるらしい。口寄せではなく収納系の術を仕込んだものらしいが、それでもそこまで重いそうだ」

「よく知ってるね……!」

「修行の時にクソほどボコられながら聞かされたからな……きつかった……本当にきつかった……なんで今ここに五体満足でいられるのかわからなくなる程度にはきつかった…………!」

「サスケ君、いったいどんな修行だったの?」

 

 どんな……

 

『今から影分身を一億体出してもらいます。チャクラはこっちから送るから気にすんな。で、ひたすらチャクラコントロールの修行をしてもらう。印なしで千鳥を打てるようになるのが目標な。影分身が消えると死ぬほど精神が疲れるから気を付けてな』

 

 どんな………

 

『いつも通り影分身を一億体出してもらう。で、今度は本体が千鳥を印ありで出して、その時のチャクラの流れを写輪眼で真似て印なしで打てるようになってもらう。できない? いいからやれ』

 

 ドンナ…………

 

『できるようになったら次だ。千鳥を放出して広域に散らすのはできるか? できる? じゃあチャクラ糸を通して自在に誘導できるようになれ。できたらチャクラ糸のどこからでも打てるようになれ。一週間以内にできなかったらその日から毎日昼飯は納豆巻きな』

 

 donna……………

 

『できたか? できたか。そうか。じゃあ今度はそれを戦闘中にやってもらう。相手をするのは俺と彼女とどっちがいい?』

『の、のうナルト? いくらなんでもやりすぎじゃないかのォ?』

『俺達の代わりにエロ蝦蟇仙人が相手してくれるってさ。じゃあ頑張れ』

 

 ███………………

 

『須佐能乎無しだと一撃の威力が必要十分に届かないからテコ入れするぞ。須佐能乎を二十四時間三百六十五日常に使い続けてもチャクラの回復量が勝るようになるまで時間を圧縮した精神世界で何十何百、あるいは何兆何京と死に続けて俺に甦らせられながら身体と精神を鍛えられるのと、エロ蝦蟇仙人に頼んで仙術の修行漬けにされるのとどっちがマシか選ばせてやろう。両方でもいいぞ』

 

 ……ゴパッ!

 

「キャー!? サスケ君が血を吐いて倒れた!?」

「……大丈夫だ、サクラ、問題ない。いつもの事だ……いつもの事だから思い出させないでくれ……頼む……」

「え、あ、うん……大丈夫なの?」

「大丈夫ではないがいつもの事だ……」

「しんせつせっけいってやつだナ……」

「おい待てあれが親切ってどういうことだ。あれか? 心を折るで心折、(くび)を切るで切頸か? おい寝てるんじゃねえ起きろ」

「初恋の相手は近所に住んでたお姉さんな奴がうるせえ。こうなったら精通の時に夢精してパンツをこっそり洗ってた時の動画を裏に流すしかないな」

「ヤメロォ!? いや、違う、やめてくださいお願いします」

 

 こいつなんでそんなもんを……と言うかどうやって撮った? 細心の注意を払って警戒していたはずなのに……!? クソッ、すやすや気持ちよさそうな顔で寝やがって……!

 

「……」

「……」

「……」

「止めろ!俺をそんな目で見るのをやめろ!」

「……まあ、あれだうちはサスケ。生きていればいい事あるさ」

「腹立つ顔だな!?」

「テマちゃんの初めてのお赤飯の日は―――」

「ヤメロォ!?」

「初めての女の子の日に泣きながら父親である風影に相談して凄まじく微妙な顔をされたことを思い出し、かつての中忍試験でオカマ丸にぶちまけられた誰かさんを見て同族意識湧いちゃった人がいるらしいですね。おやどうしましたか風影の唯一の娘さん」

「記憶を失えぇぇぇぇ!!!」

 

 テマリが扇子を振って術を使った瞬間に、ナルトの姿が掻き消えた。ナルトの姿だけ掻き消えた。カカシは……なぜかアフロになったカカシ人形となってそこに立っていた。ナルトの変わり身だろう。多分。

 そして消えた時同様に突如現れるナルトの姿。我愛羅の絶対防御と同じようなものを臙脂色の結晶体で作っているようだ。そして結構な速度で砂隠れの里に進んで行っている。これならすぐ着くな。

 

「待ちやがれうずまきナルト!そもそもどうやって知った!」

「諦めろ。あいつは木の葉の里に暮らしている奴全員の何かしら恥ずかしい話とか後ろめたい話とかを知ってるからな……そういう話が出た時に周りに居たのが少人数でよかったと思うことだな」

「諦めすぎじゃないかお前!?」

「……あいつな……生身に千鳥直撃させても傷一つつかないんだよ……豪火球やっても『服に煤がつくからやめろ』だぜ? 服が焦げるとか燃えるとかですらなく煤がつくだけだぜ? もう諦めたよ俺は。幻術にかけようとしたらなんかかかってるはずなのに自由に動き回って幻術に集中しているこっちにできた隙を突くようにひっぱたいてくるし、幻術の中で大蛇丸や自来也に変化して褌一丁でポージングするのを見せつけてきたりするんだ……」

「……そうか」

 

 可哀想な物を見る目で見られた。きつい。

 




Q.やべえ修行つけられてる……
A.なお強くはなった模様。

Q.テマリサン!?
A.バレた人数が少なくてよかったね!(白目)

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