NARUTO〜ほんとはただ寝たいだけ〜   作:真暇 日間

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NARUTO~88

 

 side うずまきナルト

 

 実は最近の俺はチャクラを意識して練ると言うことをあまりしていない。と言うかいつからか多くなりすぎて意識してチャクラを練ると空間に歪みが出て世界が滅びかけるようになったので、意識して練るのは毎日続けている異界での影分身修行の時と、属性が必要なチャクラを使う時くらいでその他の時はむしろチャクラを意識して練らないようにする必要が出てきてしまった。

 その結果、俺の経絡系の流れは完全に止まった。それどころか経絡系に何も流れることが無くなり、チャクラによる身体能力の強化のない一般人のような身体になってしまった。彼女の白眼でそれに気付かれた時には色々と問い詰められたが、チャクラを意識して練るとその量で周囲に影響が出て最悪星が砕けると言われたら流石に黙るしかない。心配されているのはいまだに続いているが、まあ見ての通り元気だ。

 副次効果として俺は完全に幻術にかかることが無くなった。なにしろ幻術は本人の脳のチャクラの流れを弄って見せたいものを見せたり精神を攻撃したりする術だ。まったくチャクラの流れていない相手に効くわけもない。

 当然戦闘中にはチャクラを練らないと言う縛りは解くが、最近ではそうなった俺の状態を『チャクラモード』なんて呼ぶ奴も出てきた。肉体と精神が触れ合っている限り常にほんの僅かずつできてしまうチャクラでしかないんだが、俺の場合それでも十分でかいらしい。

 

 ちなみに九喇嘛曰く『人間が水分子一つとしたら儂は小さめのコップ一杯、十尾はジョッキ、ナルトは海あるいは宇宙空間に存在しているすべての水の集合体』らしい。俺のチャクラ一体どんだけでかいんだ……?

 

『めっっっちゃ多いぞ』

『砂と地球レベル』

『ちゃくらのしばりといてかってにできるちゃくらだけでおれたちのさいだいりょうくらいがまいびょううみだされてるかんじか……?』

 なにそれ? 秒間1九喇嘛? 九喇嘛/s? 九喇嘛増えんの?

『増えねえよ……いやまあ確かに一度増えたし増えた儂が隣にいるが!』

『いえーい増えたぞーぴーすぴーす(死んだ目)』

『おれさまもふえたぞーぴーすぴーす(腐った魚の目)』

 …………。

『おい待て何を考えている。お前が突然黙った時は大抵ろくなことは考えておらんのだ!』

 いやほら、前に俺を増やして殺したらチャクラだけが残って新しい尾獣になっただろ?

『……明らかに文脈がおかしいが事実だから何も言えん。そうだな。それで?』

 つまり『俺は尾獣を作れる』訳だろ?

『もういい、読めた。そして先に言っておくぞ。やめろ』

 いや別に九喇嘛達を増やすわけじゃない。ただ前にやって吸収して性質変化のチャクラを使いやすくした時には基本の五つに加えて火と水の沸遁、火と土の熔遁、火と風の灼遁、火と火の炎遁、水と風の氷遁、水と雷の嵐遁、水と土の泥遁、土と風の爆遁、土と土の鉱遁、風と雷の磁遁、風と土と火の塵遁、土と水と陽の木遁の俺を吸収したわけだが、隠遁と陽遁そのものの俺は吸収し損ねている。全属性のは吸収したが、陽遁だけ、陰遁だけの俺はやってないはずだ。

『予想以上にヤベーなこいつ』

『儂等の予想を軽々と超越するその姿』

『しびれないしあこがれない。じちょうしろ』

 自重してこれだ、って言ったらどう思う?

『『『うっそだろまじか』』』

 自重してなかったら九喇嘛のチャクラ性質を真似た俺のチャクラで九喇嘛もどきを作って放流して悠々自適に木の葉の里を抜けて過ごしてるって。世界としてはそっちの方がよほど平和なのかもしれないが。

 まあそんなわけで自重している俺を疑ったお前ら全員家に戻って出したらその尻尾がもっふもふになるまで磨いてやるから覚悟しておけ。

 

 さて問題だ。カンパチロウの人形が持っていた襲撃者の匂い付きの布。これをどうする? 臭いを追える奴でもいれば……ああいたな、そう言えば。忍犬。最近見てないから……と言うか俺見た覚えねえわ。木の葉崩し編ではサルケががらがらどんを追っかけるどころか逃げ出す前に終わらせたし、サルケの里抜けなんて無かったし。そもそも存在を知ってた方がおかしいな。それ以上に知ってたらおかしいことを知っている時点で色々あれだが。

 

「……ああ、思い出した。そう言えば暁の人形師、三代目風影の人傀儡持ってたらしいな」

「「「「!?」」」」

「なんか砂鉄に毒混ぜて使って来たとか言ってたな……」

「待て、待つんだナルト。なんでそれを知っている?」

「ちょっと昔から雇ってた忍が暁に勧誘されたらしくてね。断ったら襲われたけど反撃して逃げ切ったそうな。毒食らって死にそうだったから浄化パンチしたら治った」

「浄化パンチってなんだよ!? と言うかそれで治せるのならなぜカンクロウにやってやらない!?」

「ん? 全身を毒ごと一瞬で分子レベルで粉々になるよう殴り砕いてから毒以外を治療する方法なんだが、痛いから最悪痛みでショック死するんだよ。脳だけは残すが心臓とかまで丸ごと砕くから絵面も最悪だし、なにより重要な部位を優先して修復するから血液とかがそれなりに戻しきれなかったりするせいで暫くは余計に弱るんだわ」

「じょ……浄……化? それ浄化か……?」

「俺の中では。まあどうしても間に合いそうになかったら勝手にやるつもりだったけど。それに一瞬で全身医療忍術で治しきらなくちゃいけないから滅茶苦茶チャクラ使う上に患者にも負担がかかるんだよ。具体的には寿命が数年くらいは縮むと思うね。原理は五代目の婆さんの創造再生と変わらんし」

 

 実際できる。ただそんなことをするより塵遁で消し飛ばして蘇らせる方がよっぽど早いし俺的には楽だけどな。

 あ、だめだ眠い。お休み。

 




Q.無限月読はナルトに通るの?
A.もともと通らないけど絶対に通らなくなりました。

Q.何思いっきりばらしてんの!?
A.特に問題ないと判断したんじゃないですかね?

Q.普通にしているだけで秒間一九喇嘛は多すぎじゃない?
A.仕方ないね。ナルトだからね。

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