参った、まさか小娘・・いやハリエット・ポッターがあんな悲惨な目にあっているとは俺様も
想定外だった。
両親は殺され、保護者のない英雄殿はてっきり腹黒狸のアルバス・ダンブルドアに囲い込まれて、
チヤホヤされつつも、英才教育という名の洗脳を受けて、正義面した腹黒狸の手駒になっていると考えていたのだが、とんだ思い違いだった。
見るからに栄養失調のガリガリのちびで、女子だと言われないと見分けがつかない性別不明の者がハリエット・ポッターとはこれ如何に。
俺様も幼少期は大概だったが、その上を行く不幸者が魔法界の英雄と呼ばれるとはどうなっているんだ?あの狸は何を考えている。俺様の時はうっとおしい程監視してきて、俺様が何かをするたびに含みを持たせた言い回しをして褒めているつもりで貶してきたお門違い狸は、歳をくって耄碌爺に成り下がったか。
「俺様はあの小娘をどうするべきだ?クィリナス・クィレル。」
「・・その・それはご主人様の思う通りに・・」
「・・そこを悩んでるからお前に思い切って言ってみたのだぞ。キリキリと考えろ。」
「・・私めが思いますに・・あの娘は今の段階ではご主人様の敵どころか、邪魔にすらなりません。放っておいても構わないかと。」
この臆病で引っ込み思案者のクィレルにここまで言われるほどハリエット・ポッターは本当にどうしようもない奴だ。
どうやって赤子の頃に俺様を-倒したか―さっぱり分からん。
大広間で泣き喚いた騒ぎから次の日には、ウィーズリー家の息子にべったりだ。
「ロン!もう飯いらねえ!!かぼちゃジュースくれ。」
「駄目だ、せめてもう一口鳥のハーブ焼き食べてからだ。」
「ケチ野郎!!お腹いっぱいだ!!!」
「ならかぼちゃジュースも入らないだろう、どうなんだハリエット。」
「う~意地悪・・えい!!・・ふぐ・・むぐ・・これでいいんだろ?」
「よく食べた、ほらゆっくりと・・」
「コップで飲みたくねえ!!あれしろ、あれ!!!」
「・・分かった、ほれ。」
-チュ・チュウ-
ハリエット・ポッターは胃袋が小さい。それを赤毛の小僧が少しずつ食べさせて健康体を取り戻させようとしているのは分かる。
食べた褒美にかぼちゃジュースを与えるのもいい手だが・・何故ハリエットはコップから飲まずに赤毛の小僧の人差し指に付けさせて嘗め飲みをしている!!おかしいだろうあれは!!
しかも食事は普通に一人で座って食べていたのにかぼちゃジュースを貰う時は赤毛の小僧の膝に横座りしてる・・何のプレイだあれは?
しかもだ・・「美味しいかハリエット。沢山飲めよ。」
なんか赤毛の小僧は普通に与えているし、餌付けなのだろうかあれは?
更に不可解なのはルシウス・マルフォイの子もノット家、クラブ家・ゴイル家などの俺様のかつての部下の子供達も優しい目で見守っている・・解せん。
「ご主人様、弱った小動物を無下にする者は少ないかと。それ程までにハリエット・ポッターはあわれなのでしょう。」
ふむ、確かにクィレルの言う通りかもしれん。
俺様の予定では、復活を遂げた暁には腹黒狸のダンブルドアの目の前で、ハリエット・ポッターにあらゆる苦しみを与えてのたうち回らせてから殺してやろうと考えていた。
磔の呪文でクルーシオでのたうち回らせ、服従の呪文でダンブルドアに向かって罵詈雑言を吐かせてみれば面白かろうと画策していたら、俺様がしなくともどこぞの奴等がハリエットに地獄を味合わせていた。
無垢で純粋な子供には最適な計画でも、今のハリエットにはまたかとしか思われんだろう。
味わってきた地獄の二番煎じだと、それでは俺様のプライドが許さん。
憐れな小娘を苦しめるのもなんだかな~。
「あの・・それではご主人様・・いったいハリエット・ポッターをどうするお積りで?」
うむ、俺様は珍しく慈悲を与えてやろうと考えている。
「なんと!!」
そうだ、あの憐れな子を助けてやろう。俺様が復活した暁には!!
「・・ハリエット・ポッターを・・」
「アバダでサクッと殺してやろう。」
「何とお優しいご主人様!!」
「ふっふっふ、褒め過ぎだぞクィレルよ。ヴォルデモートは慈悲深い。受けた恨みは忘れて、あの娘を苦しませずに逝かせてやろう。両親の元へと。」
「ああ~なんと・・何という広い御心か・・」
昔のご主人さまからは考えられないお優しさにむせび泣くクィレルと照れるヴォルデモートであった。
例え後頭部にとりついた寄生野郎であっても、クィレルはヴォルデモートを心の底から慕っている。
弱い自分を認めてくれるご主人様を。
そんなクィレルを利用しつつも可愛い奴とヴォルデモートも思っており、案外両想いな主従であった。
しかしそんな二人の悪だくみは端から露見していた、よりのもよって-天使達の守護者―に。
「・・何が優しくて慈悲深いんだか変態コンビが・・」
「チュウ~(流石に俺もどんびく・・)」
「まあいいか、これからも-俺の目-になれよ-スキャバーズ。ほれ、ステーキ肉貰ってきた。温かいうちに食え。」
「チュウ!!(いただきます!!)」
あいつ等俺のハリエットに何とんでもない事企んでんだか・・地獄に落とそう。
一昨日エリーを家に送ってジニーに頼みごとをした。
スキャバーズをエリーに運ばせてくれと。頭のいい我が妹は早速小箱に入れてプレゼント風に送ってくれた。
「ようスキャバーズ元気してたか?」
「・・チュウ・・」
「ジニーと分かれたのが不満か・・でもな、本来のお前の飼い主は俺なのを忘れるな。早速仕事しろ。」
お人好しの神様から貰ったチートアイテムをスキャバーズに使った。
小瓶の中身は目薬で、差された者の視覚は俺の目と共有をする。
早い話がお前の目は俺のものだ。対象者は一人だけと約束をしている。倫理的に考えたら当然だ。あらゆる奴等に無制限でやったらプライバシーもへったくれも無く、機密情報は取り放題で俺が悪用するようになったらいくらお人好しの神様だってぶちぎれんだろ。
この目薬の利便性は俺が-見たい-と任意で見るか-見る必要がある事-を設定して、スキャバーズがその案件に出くわした時に自動的に俺の視覚と繋がるっていう使い分けが出来る事だ。
俺だって四六時中こいつと繋がってるのは嫌だ。疲れるし天使達の顔が見れないのは死んだほうがましだ。
目薬差して、効能伝えたらスキャバーズの奴ガクブルしてたな。
「今から探って欲しい奴を見せてやる。」
ポケットにスキャバーズ入れて闇の防衛術の授業に出てクィレルの顔を覚えさせた。
「あれが、見張る奴だ。」
「チュウ!(ちょろいぜあんなどもり野郎!)」
「見た目はあれでも後頭部にはヴォルデモート飼ってる変態だ。」
「チュウー⁉(何ですと⁉)」
「だから見張れ、スキャバーズ。」
「チュウ~(俺死んだ・・)」
「心配するな、今のお前はどこにでもいるドブネズミにしか見えねえよ。安心しろ、俺がお前の事を守ってやる、全部から。俺に飼われてる限りお前の安全は俺のポケットにある。」
「チュチュウ~(確かにそこ安全・・シリウスぶっ飛ばすやばい奴ご主人に持っちまった)」
それが身の不運とスキャバーズことピーター・ペティグリューはあきらめてロンの言葉にしたがった。
どうせポッター一家を裏切ってからは碌な死に方はしないと思ってた、悪魔に魂を売ったのだからと。
・・やってみたら案外うまくいった。屋敷しもべに出くわした時は退治されるかと怖かったが、
「小指無し、お前はロナルド・ウィーズリーのネズミか?」
「チュウ!!(そうそう)!!」
妖精の問いにもう首がちぎれても悔いなしとばかりに縦に振ってやった。
「ふむ、お前はあの方ハリエット・ポッター様のあらゆる恩人のネズミだ。ホグワーツの全ての屋敷しもべはお前には手を出さん。安心してうろつくがいい。ただし我等の他の種族に出くわしても助けないからそのつもりでいろ。」
なんかロンの奴は屋敷しもべに俺の事を通達してて通ってるらしい・・まあいいか、あいつだし。
超俺様系の今や本物の王様になったシリウスに言う事聞かして大人しくさせられるやつだし、この位は朝飯前だろ。いこいこ。
ロンと長くい過ぎたピーターは身も心もスキャバーズになる事を誓ってスパイ活動に勤しむことにして、ロンのチートとも言える種族問わずの影響力をさらりと考えてスルーした。
だってロンのすることだし。すべてはこの一言に尽きる。
それにスキャバーズは知らないが、屋敷しもべはヴォルデモート時代は惨く扱われていた。その元凶を倒したハリエット・ポッターの境遇と、助けたロナルド・ウィーズリーの話はホグワーツに住まう、全生物の知るところとなっている。
彼女に恩を感じるものは須らく彼女の恩人を助けるのは当然だと考えている。
スキャバーズはロンの言いつけを果たし、腹ごしらえをしてロンのポケットに入って爆睡をする。
ロンの-ネズミ-として一生を送る事を心に定めて。
「さて、あいつらどう地獄に送るか?」
俺の天使に手を出したからにはぎったんぎったんにしてやる、お人好しの神様が押し付けてきてくれた-もう一つのチートアイテム―使って天使達を守る!!!!
例え外道となってもだ!!
ギャク度増そうと思ったらシリアスに・・
俺様の・正体見たり・ヴォル様か の回でした。