いや~、クィレルとヴォルデモートとハリエットのお茶会最高だった。
意外とヴォルデモートがくそ爺の餌食だったのか。
もしかしなくてもあれか?ダンブルドアが監視だのなんだのしてなかったら、トムはヴォルデモートになって無くねとか思っても仕方がない。
俺は「たら・れば」の話は苦手だ。
今ある現実で動く方が大好きなのでそっち頑張る。
とりあえずはお茶会に鬼の形相で乱入してきた爺と教授は適当にごまかした。
スキャバーズを廊下で見張らせていた。誰かがクィレルの所に来そうになったら知らせろと。
スキャバーズのご注進で二人が後500メートル辺りでハリエットとヴォル付きクィレルの口に強制的にボンボン突っ込んで酔っ払って寝かせた。
-バン!!-「ク・・これは一体・・」
「どうも礼儀知らずの校長。あんた部屋に入る前のノックて知らねえのか?」
「いや・・失礼したの・・」
余程余裕なくすっ飛んできたのか例の胡散臭い好々爺の顔が引きつってやがる。
「ロナルド・ウィーズリー、説明したまえ。何故ハリエット・ポッターとクィレルは眠っている。」
「ボンボン五つで酔っ払って眠ったんですよ教授。できれば二日酔いの薬出してくれると助かる。それで、ホグワーツのお偉い先生方が血相変えてきたけどなんか用か?」
嘘は全くついていないロンは、二人がすっ飛んできた理由は大体察しているがしれっと問うダンブルドアは答えられなくて適当言って去るだろうから。
「いや・・クィレルに用があったが、またにするかの~。セブルス、ハリエットを寮の自室に送ってやるとよい。」
「・・かしこまりました校長。」
案の定、内心はロンの事をこの小僧がと思いつつもしらばっくれて去っていった。
「ウ~頭が割れそう~・・」
「当たり前よ!なれないボンボン五つも食べるなんて!!」
「あー!痛い!!響く!!・・心配かけて悪かったよアミル、ダフネ・・」
酔いから醒めたハリエットは寮の自室でアミルとダフネに檄おこされてる。
女の子がボンボンとはいえ酔って寝るなんてと。
ハリエットはロンが一番。でも何くれとなく面倒を見てくれるこの二人にはもはや頭が上がらない。
「君はもっと世の常識を身に着けたまえロン。」
「・・悪かったよドラコ。」
スリザリンの談話室ではロンも絶賛怒られ中。世の常識を齢11歳で体得をしたドラコによって。
どうもロンは常識がなさすぎる。良識は山ほどあるのになぜなのか不思議でたまらない。
かくしてお茶会でやらかした二人は蛇寮にて説教をされた。獅子寮のロンがいても誰も文句はいはない。
何故ならば現魔法界のツートップのうちの一人であるマルフォイ家のご子息が味方だからだ。
それだけではなく、ハチャメチャでぶっ飛んだロンのキャラクターもあり、何処の寮もフリーパスだったりしている。
一方、もう-二人の酔っ払い-も地獄を見ていた。
「・・クィレル、お前は酒が弱すぎだ・・俺様まで管を巻く羽目に・・」
「もうし・・うっぷ・・訳ありません・・ご主人様。」
クィレルにとりついているヴォルデモートはダイレクトにクィレルの体調変化を諸共に受けてしまう。
本来の自分は酒豪だが、宿主のクィレルは下戸に近いようで自分も酔っ払ってしまった。
ハリエットと思わず話し込んでしまったのは朧げに覚えてはいるが・・昨日何を言ったのか・・言ってしまったのかは考えたくもない・・自分が一生・・それこそ墓まで持っていくつもりだった自分の本音を話したなぞとは・・
二人はなんだかんだと学園生活を満喫している。
寮のいざこざはなく、たまにウィーズリー家の双子が愉快ないたずらをして生徒達を楽しませている。
時にはダンブルドアの飲み物に細工をして、飲んだダンブルドアの髭と髪の色が白から桃色になった時はハリエットは爆笑し過ぎて疲れ果てて半日寝る騒動があった。
今期の双子はとにかくハリエットに笑いの日々を過ごしてほしいと狙いを定めているので、隙あらば様々な愉快ないたずらをしまくっており、ダンブルドアがその犠牲者とあいなった。
余談だがヴォル付きクィレルは唖然としたが、次第に素でクスクス笑いをして周囲の同僚に珍しがられ、ターバンの中のヴォルデモートは声を堪えて大爆笑したのであった。
「ロン!!箒って~!!!た~のしいな~。」
「気を付けろよハリエット!!!」
「だ~いじょうぶだって~」
入学してからもう二月、ハリエットの奴元気になったな。体力もついてきたので今日は箒の授業初参加でもうビュンビュン飛ばしまくってる。
俺と同じで変身呪文や浮遊呪文は苦手でも、大雑把感覚系はとくいらしい。
一発で箒を上げてお空の散歩・・もとい授業を楽しんでやがる。
「きっもち~!!!」
最高だ!!箒は俺が思った通りに全部飛んでくれる。おかげで横回転や縦回転、はては地面急降下からのフルブレーキしてもへっちゃらだ!!!周りから悲鳴聞こえたがこんなのどってことねえ!!遊園地のジェットコースターってのよりもはるかにたのしい。
俺は行ったことないけどダドリーが豚声で自慢していたがこれに比べればどってことないだろう。
ハリエットは完全に箒の虜になった。スリル満点で受ける風が気持ちい。どこにだって行けそうなこの箒が、狭かった世界から連れ出して様々な事を味合わせてくれるロンのようで。
楽しそうで何よりだが・・おっと?
「あ~!!」
あ~あ、手に汗かいて滑ったか。「よっと!!」-パシ-
「気い付けろよハリエット。」
「へへへ~ご免ロン。」
「全く、君たち二人は周りを騒がせすぎだ。」
楽しみ過ぎて滑り落ちそうになったハリエットを助けたロンも込みで、スリザリンの良心ドラコが物申す。
ハリエットの初の飛行授業を、スリザリン・グリフィンドール双方はあらゆる意味でハラハラして見守っていたのだ。
「だって楽しいぞドラコ。ネビル!!そんなところいないで上がって来いよ!!!」
「え!!僕・・」
「いいから!!下見ないで遠く見ながら上がって来いよ!!!セオドール!介添えしてやれ
よ!
他の奴等もだ!!」
ハリエットはロンの腕の中から全員に上がった来るように促す。
中には箒が苦手な者もいるのも承知でだ。
「皆来いよ。」
ハリエットの言葉にロンも続く。
その言葉にネビルが真っ先に反応をしてゆっくりと上がり始める。ロンの言う事は必ず意味があるのを知っているから。
周りを見ながら上がってみれば「・・綺麗だ・・」
ホグワーツの湖が、森が、山々が広がっている。今は夕方近くで、それらを綺麗な夕日が赤く染め上げて幻想的な光景がネビルの目に飛び込んできた。
「な!!綺麗だろう!!!いいだろう!世界ってのは広くて綺麗なんだな、俺初めて知ったんだよ!!」
ハリエットの無邪気な喜びはネビルの心を撃ち抜いた。世界は広い、自分は・・自分達はまだその大きさを本当の意味では知ってはいなかった・・訳もなく泣きたくなってきた。この胸に生じた思いは何だろうかは分からないが、「皆も来て!!見に来て!!!」
今この場にいる全員とこの素晴らしさを共有したくて、ネビルは生まれて初めて自分の意志で大声を出した。
普段のんびりとして少々臆病なところがあるネビルの呼びかけに苦手な者達もおっかなびっくりしながら上がり始め、そしてネビルとハリエットの思いを共有をした。
自分達の知っている事よりも、世界ははるかに美しく出来ているのだと。
この飛行授業を境にスリザリンとグリフィンドールの中はグッッと縮まった。
元々今期は仲が悪くは無かったが、活発に交流をするようになり食事時でもテーブルを行ったり来たりをして双方の寮で分かれて食べることがなくなるという、ホグワーツ始まって以来の交流が生まれたのだ。
「俺絶対クィディッチやるぞ!!」
「その意気だポッター!!我がチームは何時でも大歓迎だ!!!そんな訳でスネイプ先生、サクッとポッターを今季のシーカーにー!!」
「・・どんなわけだね、マーカス・フリント。ミスポッター、来年まで待ちたまえ。」
「えー!!セブ先生のどケチ!!いいじゃねえかよ!やりたい!!」
「そうですよ!スネイプ先生!!彼女超うまいんですよ!!!」
課外授業で外にいたフリントは、ハリエットの飛行技術をバッチリと見て惚れ込んで早速スカウトをした。
クィディッチの試合は見たことないが、フリントの説明は分かりやすくて楽しさがビシビシと伝わって来て、速攻受けてスネイプ先生におねだり中。
「許可はせん。」どこぞのクィディッチ狂の副校長ならばともかく、自分は特例は認めん!!
二人はあえなく撃沈をし、「来年待っているぞポッター!!」
「ハリエットって呼んでくれキャプテン!!俺は必ず行くぞ!待っていてくれ!!!」
今生の分かれもかくやな二人はハグを交わし、熱い友情で結ばれたのだった。
「・・あのキャプテン、殺菌しようかな?」
「・・ロン、殺気が駄々洩れて皆凍っているぞ。落ち着け。」
ハリエットの世界が広がるのは喜ばしいのだが、虫がつくのはまだ早いと考えているロンは怖ろしく、暴走を食い止めるドラコは苦労人であった。
ちなみに次の日の朝いつもの如く日参してきたシリウスが、ハリエットの話を聞いて「まってろ!いい箒買ってやるぞ!!!」とのたまって、「一年生は箒は持ってはいけない規則を忘れたのかねシリウス・ブラック。」セブルスの嫌みのような止で撃沈したが、
「そんならホグワーツの備品箒を全部そうとっかえだ!!」
ぼろくて安全性の低い箒になんて乗せたくね~と、ブラック家の金と権力にものを言わせて速攻で有言実行をしてハリエットを喜ばせるのに成功をして、むこう数週間は頬が緩みっぱなしになったシリウスである。
余談だが、後日マクゴナガルからも副校長として「ありがとうございます、シリウス・ブラック。生徒達に変わりお礼をさせていただきます。」
手厚く礼を言われた。
このころにはダンブルドアには不信感しかないシリウスだが、公平で以外に情に厚いマクゴナガルの事は信用しているので「どってことねえよ。」と大いに照れ笑いをして、
二人は旧交を温めるきっかけになり、昔のような気兼ねのない寮監と元生徒の懐かしい関係へと戻れたのだった。
それから二日後、ロンとハリエットはハグリッドの家にお宅訪問をした。
「・・なんか用かウィーズリー。」
本来ならばグリフィンドールの生徒は歓迎するが、尊敬するダンブルドアに喧嘩売った奴なぞお断りしたい。しかしハリエットの件は考えるのが苦手な自分でもちっとはロンって奴の言い分もあるのが分かる・・ほんとにちっとだが。
「初めまして、俺はロナルド・ウィーズリー。
ハリエットが魔法界の生物知りたいらしくて、ジョージ・フレッドがあんたを紹介してくれた。」
「・・俺はハグリッドだ。こいつは相棒のファング。」
「・・ハグリッドは俺がダーズリー家でどんな目にあってたのか・・」
「そこは本当にすまなかった。・・今更だがお前さんを助けて・・」
「・・わかった・・とりあえず不思議動物教えてくれ。」
「ああ、二人とも中に入ってくれ、なんちゅうても俺はドラゴンが・・」
ハリエットの世界を広げるべく、ロンは各方面にハリエットを連れまわしている。
昨日は自分の変身呪文の師であるハーマイオニーと引き合わせたらとんだ騒動になってしまった。
「こんな女のどこがいいんだよ!!」
ハーマイオニーを褒めるロンが嫌で、ハーマイオニーにロンを取られたくなくて
「俺だったらお前に-抱かれても-いい!!そいつの相手なんて・・」
「ハリエット!!!」-ビク!!-「・・自分が何言ってるのかきちんと理解してるか?」
ハリエットに極甘のロンの怒声はハリエットを含めた大広間一同をフリーズさせた。
「・・俺の周りの奴が言ってた・・俺の相手をする奴なんて-体-目当てしかいないって、抱き目的しかいないって・・でも、よく分かんなかった、お前が怒るほど悪い言葉なのか?」
「・・・・・お前は悪くない、怒鳴って悪かったハリエット・・とりあえず土下座してハリエットに詫びろやくそ爺!!!!」
ハリエットが発した言葉への怒りは、極悪環境にハリエットを放り込んで放置しやがった腹黒狸へとなった。
さしものダンブルドアもハリエットには悪い事をしてしまった罪の意識は持っているので、土下座こそしなかったがハリエットの手を取りきちんと謝罪をする。
そして後日、きちんとした性についての教育をマダムポンフリーにしてもらえるように手配したのだった。
ダンブルドアは悪人ではない、ただ人よりも自己顕示欲が強く英雄視されるのを望み過ぎた老人であった。
だからこそ自分の欲望のままに行動をしたかつての友人と教え子が許せなかった。
己ではできない事をする彼らがうらやましく嫉妬をしたのだ!
自分には様々な良心の枷があり、望まれることをついしてしまう。巨悪を討てと望まれる役割を。
すれば名声は上がり、世間の注目は自分に集中をした。グリンデルバルトやヴォルデモートよりもはるかに。
その思いは増上し、遂には英雄を育てた大英雄の名を欲し今に至ってしまったが、今のハリエットの境遇を思い、今までの自分の行いは真に正しかったのかをほんの少しだけ振り返えらせられているのであった。
そして悪口を言われたハーマイオニーは泣きながらハリエットをぎゅっとして「つらい時は言ってちょうだい!!勉強でも何でも教えてあげる!私にできることは何でもよ!!」
「・・あ・うん、その・・何で泣いてんだ?俺言い過ぎ・・」
「ロンの言う通り貴女は悪くないの!!いい!貴女はまだ小さな子なの、間違ってたらその都度教えてあげる。だから言いたい事を言っていいの。」
「うん・・分かった。」
こうしてハリエットはホグワーツの-三人目-のお母さんをゲットしたのだった。
次の日に訪れたハグリッドの家もファングも好きになり、意外とハグリッドもいい奴なのでまた来ることにした。
ほんの少しずつハリエットの世界は広がっていく。
だったらとっとと、-アレ-を早々に壊すか。今季最大の目玉イベントなんてする気はねえ。
今は一年の半分だが関係ない、ハリエットの為の舞台だとか言って準備した奴嫌いだし、その思惑にも反吐がでる。
在りかも、-手に入れる方法-も分かっている。本格的に動くとしますか。
ダンブルドアの扱いが少しずつ固まってきました。
次回は一年生の目玉イベント壊します。