ロナルド・ウィーズリーは天使達を助けたい   作:ドゥナシオン

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いつもと違います。


一年生の終わり

ハリエット・ポッターの一年目は-何事もなく-終わりを迎えた。

 

賢者の石はロナルド・ウィーズリーが破壊をしたために、三頭犬の出番はなく、大冒険は無し。

スリザリンの生徒となったために、ドラコ・マルフォイイベントは一つもなく、クィディッチのシーカ―にという話も出ない。

 

始まりこそ、11年の不幸の諸々で騒ぎはあれど、物語にには欠かせないハイライトシーンは一つもなく、実に-イベント-のない平和な終えたと言えよう。

 

しかしそれは-物語り-としての事であって、-個人-と捉える場合はその限りではない。

今回はその-個人-にスポットをあててみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月31日のハロウィーンは特筆すべき事は余り無い。

 

強いて上げればハロウィーンのいたずらで、ウィーズリー家の双子の標的が徹底的にダンブルドアに向かった事である。

 

双子は今期のいたずら理由は、ハリエット・ポッターを笑わせる事のみを目指した。

結果、ダンブルドアにいたずらをすればハリエット・ポッターは大笑いをする。

 

内容は髭の色が変わる、服がローブからワンピースに代わる、ブーブークッションを仕掛けておくなど、無害で他愛のないものであっても、ハリエットをは大笑いをした。

 

それ程までに、笑いやジョークとは程遠い、無縁であると言っても過言ではない環境にいたことが、周りには悲しい事であっても、笑いで吹き飛ばしてやると双子は誓ったのだ。

 

賢者の石がないために、クィリナス・クィレルが騒ぎを起こす事はなく、ハーマイオニーもロナルド・ウィーズリーのお陰でコミ障は和らぎ、程の良い交友関係を構築をし、騒ぎは何事もなく、楽しい愉快なハロウィーンパーティーで一日が終わった。

 

 

アルバス・ダンブルドアとしては叱るべきか、ハリエットの笑いに寄与出来たことを共に笑うべきかを、本気で悩んだ。

 

ハリエットの不幸の一端は自分にあるからだ。

 

英雄とチヤホヤされて駄目な子となっては、いずれ復活するヴォルデモートは倒せないからと、魔法界から隔離したつもりが別の意味で駄目な事を自分がしてしまったから。

 

 

 

 

 

11月末はクィディッチの最終決勝戦。

 

対決カードはスリザリン対グリフィンドール。

 

両者は互角、双方天才シーカーはおらず80対80で試合は夕方にまで長引いた。

 

グリフィンドールのシーカーはアルフ・ビータ。マグル出身者だが3年生の中では跳びぬけた飛行技術の持ち主で、今期から参加をしてぜひチームを初優勝に導きたいと燃えている。

 

だが燃えている度合いではスリザリンチームも負けていない。

 

なぜなら「いっけ――――!!!頑張れスリザリーン!!!」

 

 

応援席ではハリエット・ポッターが喉も裂けてもいいとばかりに大音声で応援をしてくれている!!

ハリエットもクィディッチが大好きだ!!来年は自分もチーム入りしてピッチに立つ!!

 

今期のスリザリン寮は-スリザリンの仔猫-を大切にしている。

ガリガリに痩せた女の子が、自分達の元で穏やかに過ごしふくふくとしていく過程を見守っていた彼等は最早親の気分!!愛娘の願いはどんなことをしても絶対に叶えてやる!!!

 

身内に底なしに甘いスリザリンは狡猾ともいえる作戦を展開し、最後はスリザリンのビーターがブラッジャーをキーパーのオリバー・ウッドにブチ当てて、ゴールをして終わった。

 

スニッチは取れずでも時間一杯でスリザリンに軍配が上がり、優勝をかっさらっていった。

 

両者ともボロボロでも心の中は天国と地獄ほどに違った。

グリフィンドールはことクィディッチでは宿敵のスリザリンにまたもや敗れて優勝杯を手にできず、寮監のマクゴナガルも大泣きをしつつチームの者達の健闘を称え、来期こそはと全員で誓った。

 

一方のスリザリンは沸き立った。

ハリエットは嬉しさのあまりにキャプテンのマーカス・フリントに抱き着き、マーカスもハグを仕返した後小さなハリエットを右肩に座らせて優勝杯を持たせ、そのままピッチから全スリザリン生徒を引き連れ自寮まで凱旋を果たした。

 

 

 

 

 

12月は言わずと知れたクリスマス。

 

ドラコ・マルフォイ達スリザリンの大半の生徒はハリエットを残して帰省するのを躊躇いつつも、

「俺はロンがいるから大丈夫。」本人の説得で全員が帰省をした。

ハリエットにクリスマスプレゼントを贈る事を約束をして。

 

24日のハリエットの部屋は凄い事になっった。プレゼントの山にうっかり埋もれかけた。

「ロン持ってきたぞ。」

その全ては空けずにロンとセブルスの元に持って行った。

 

プレゼントの中に悪意のあるものがないかとセブルスがチェックをするために。

 

生き残った女の子に悪意があるものは残念ながらホグワーツの生徒にもいてしまう。

 

妬みや嫉み、ハリエットと個人的に喧嘩をした者などがプレゼントに呪いをかけていないかを危惧したセブルスの発案で。

 

案の定三分の一のプレゼントは軽度から中度の呪いがあった。

中には分析結果に愛の妙薬が入っており、ロンとセブルスを殺気立たせた。

 

近頃のハリエットはふっくらとして愛らしい。それを狙う輩は地獄に落ちろ!!!

 

「へへ、ロンのお母さんの手作りセーターあったけえ。」

 

男二人の怒りを全く知らずに、安全と認定されたプレゼントを開けて、モスグリーンのセーターを着てご満悦なハリエットであった。

寮生からのプレゼントからハグリッド等教職員からもあり、休暇中のハリエットは全員にお礼の手紙を書いて過ごした。

 

 

ハリエットもプレゼントを贈った。ホグワーツの台所を借りてクッキーを大量に作り、送りたい人達に2枚ずつと手紙を添えて。

 

スノーマンやトナカイ、サンタやツリーをかたどった可愛いクッキーを貰った者達はほっこりと笑って受け取った・・例外一人はいるが。

 

 

ヴォル付きクィレルは本気で悩んだ。

 

クィリナス・クィレルの元にはハリエットの他に、何とネビル・ロングボトムからもプレゼントが届いた。

 

彼もハリエットと同じで有名だ。-選ばれなかった男の子-として。

 

ヴォルデモート亡きあとに、かの予言は世間に公表をされた。

 

7月の最後の日に生まれた子供がヴォルデモートを倒す、故にハリエットが闇の帝王を倒したのは予言が成就されたのだと。

 

魔法界は狭く、有名一家の子供の誕生日は割と知られている。

 

ハリエットの他に予言の子になりえた者の名も当然知られ、口さがない無責任な大人達は、帝王の死で浮かれ騒ぎ、ネビルの事も笑いのネタに俎上をしにて以来本人にはどうする事もできないあだ名を付けられネビルを悲しませた。

 

クィレルもよく知っている、他者から笑われる口惜しさとその痛みを。

 

学生時代の彼は少し神経質でどもりがちで、生徒たちに馬鹿にされて孤独でみじめな学生生活を送った。

魔法の腕が並み以上であっても、認められることなく。

 

中身を見ずに外側のどうしようもない事でいわれるつらさを。

 

二人の入学時期は分かっていた。ネビルは自分と同じでおどおどとした子になっていると思って大広間で待っていたら、優し気でのんびりとした彼には暗い影は一つもなかった。

 

自分とは違うと少々ガッカリとした。同類をヴォルデモート陣営に引き込めないかと目論んでいたから。

 

生き残った女の子と、選ばれなかった男の子双方からプレゼントが何故自分に届いたのか分からない。

自分は彼等に何かを説く別にした覚えはない、せいぜい紅茶を振る舞った程度だ。

 

なのに-先生へ、いつもありがとう。これ食べてくれ、お茶会にはもっと持っていく-

 

-先生へ、いつもお世話になっています。この紅茶をどうぞー

 

温かいメッセージ付きで。

 

ヴォルデモートも本気で悩んだ。

 

自分が手を下した少女と、自分の配下達がやった少年からプレゼントが届いたことに。

 

 

「・・クィレル、俺様が復活をしたらハリエットはいうに及ばず、聖マンゴにいるネビルの両親とネビルを・・」

「はい、アバダで一瞬で終わらせて差し上げるのでしょう?」

「・・うむ・・」

 

自分の復活の暁には闇陣営は間違いなくハリエットを血祭りにあげよう。憎き怨敵として、ありとあらゆる苦痛の拷問の果てに。

 

そうならないように慈悲を与えてやる、ネビルの両親も心が壊れて廃人であるならば、償いとして子供諸共に楽にしてやろうと。

 

ヴォルデモートは愛を知らない、それでも己なりの精一杯の優しさを発揮しようとしている。

 

例え方法がとんでもなく間違っていたとしてもだ。

 

 

 

 

冬は優しさで終わり、春が過ぎて6月は地獄の季節到来。学年末試験だ。

 

スリザリンは寮を上げての勉強会を、グリフィンドールは勉強大好きハーマイオニーを中心に、ロンが音頭を取って一年生はまとまって勉強会をした。

 

レイブンクローとハッフルパフは個人個人が自主的に猛勉強をして、今期は何とどの寮からも追試者は出ずに終えられた。

 

 

 

7月は待ちに待った寮杯の発表日。

 

なんとグリフィンドールとスリザリンが同点優勝をした、賢者の石事件がなくともだ。

 

スリザリンもグリフィンドールも双方納得をして。

 

理由はハーマイオニー・グレンジャーが勉強で大量に稼いだこと、ロンやその周りがいい事をしまくったので点が沢山稼げたことだった。

 

彼等は好きだからした事で点が入ったのは不思議だったが、イベントが盛り上がって良かったなと楽しむ事にした。

 

 

 

 

「明日迎えに行く。」

 

ホグワーツ列車の帰りのコンパートメントでロンはハリエットに約束をした。

 

ルシウス・マルフォイがバーノン・ダーズリーとの取り決めをした事をきちんと話して。

 

ハリエットは本当はそのままロンの家に行きたかった。

ロンの家族とはフクロウ便をやり取りする仲で、モリ―もジニーも優しい言葉を沢山くれたいい人達だったから。

 

だがダーズリー家に帰らなければならない理由も知っている。シリウスがきちんと話してくれたから。

母の残してくれた愛の魔法の為ゆえにと。

 

両親の深き愛を知ったからこそ、一日だけ頑張ると。

 

ロン達はそんなハリエットを増々愛おしいむ、帰省となった。

 

沢山の約束をした、-外-で遊ぼうと、マグル生まれや半純血の子達と。

 

 

 

 

 

そして、皆が平和に家路につきました。ハリエットも邪神の呪いとけしバーノンに荷物を持ってもらったのに驚いたが、何も言わずに黙って車に乗って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが特筆すべきはそれらではない、ルシウス・マルフォイのとった行動である。

 

何と彼は闇の帝王の預かり品-日記-を燃やしたのだ。

 

クリスマス休暇で帰って来た息子から、ハリエットと今のホグワーツの現状を聞いて。

 

「ロン君らしいことだ。」

 

全ての大きな出来事には必ず彼は関わっている。

 

この分ならば魔法界が闇の陣営に屈する事は無い。帝王の預かり品を燃やして、真の意味で決別をしようと。

 

しかし簡単にはいかなかった。ルシウスは知らないが、日記はヴォルデモートの魂付き。

余程の呪文か特別なアイテムがないと無理である。なので、余程の呪文、-悪霊の火-を使用した。

 

 

家族が寝静まるのを確認し、屋敷の地下の厳重な部屋で一人で燃やし上げた。

 

 

 

かくして-二年生-の重要アイテムはあっさりとあっさりと消失をした。

 

二年生の時はどうしようか、まさかルシウスさんにに帝王の日記どうしましたかとは聞けないと、ロナルド・ウィーズリーの葛藤を無視して。

 

さてさて、二年生はどうなるのであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・君らしく走り続けるか・・元気で何よりだよ・・」




いつもと毛色の違う作品をお届けしました。


ご指摘がありましたが、クィディッチの決着のつき方ですが、スニィッチを取らずとも本編ではタイムアウト制とさせていただきます。

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