ロナルド・ウィーズリーは天使達を助けたい   作:ドゥナシオン

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ようやくロナルド・ウィーズリーの日常です。


帰って来たぜ俺の日常

ホグワーツの朝の大広間は普段よりも活気に満ちていた。

昨日の昼食と夕食はとある一部の人達がお通夜並みになって、本日はその分とばかりに賑やかだ。

 

「ロン!かぼちゃジュース飲む!!」

「・・そろそろ一人で飲めハリエット。」

「一人で飲んでるぞ!ん、美味しい。」

「昨日の分まで甘えたいんだよ、ハリエットは。」

「・・よく分かっているなドラコ。」

「もっと甘えていいのよ、ハリエット。」

「こいつを甘やかすなよ、ダフネお母さん、アミルもハーマイオニーも最近甘すぎんぞ。」

「ねえ、今日僕の温室の花を見に来ないかい?」

「それいいな、今年はフリージアが綺麗なんだって?」

「ネビルの花は・・」

ロンとその天使達は幸せそうに仲良く朝食をとる。寮が全く別だろうが何だろうが関係なく、はては学年も違う子供達もちらほらいて、その中心のロンの膝の上で横座りをしてハリエットはご満悦でかぼちゃジュースをゆっくりと飲む。

ロンの側にいられればそれだけで幸せだと、今のハリエットは断言できる・・出来るが・・

 

「皆おはよう!」・・出た・・爽やか面した中身真性変態野郎が・・。

「おはよう皆、お!ロンもいたか!!なあ、リーマスがお前に昨日の事を謝りたいって言ってるんだ。

逃げずに聞いてやってくれないか?」

・・シリウスの奴、完全にその変態狼に騙されてやがる。ま、別にいいけど。

「リーマス・ルーピンって言ったな。昨日の深夜に俺の部屋にあんたが居たって教授が言ってたけど、超迷惑だ。

謝罪はいらんから二度とするな。変態はお断りだ、俺が許容できるのはせいぜい狸爺までだ。

今度やったらそっちの筋に訴える、で?返事は。」

 

ロンは腹芸だの、裏でこそこそして陥れるのだの類は大の苦手だ。やるのならば正面突破の喧嘩に限る。

知った情報を馬鹿ッ正直に言ってしまうところがロンである。

だがロンの方法はある意味正しい。

そんな事を他の子供が言っても、リーマス・ルーピンに騙されている大半の者達はこいつ何を言っているんだと白い目で見られようが、ロナルド・ウィーズリーが言った事に意味がある。

ロナルド・ウィーズリーのこれまでなしてきたことを皆が知っている。そんなロンが嘘を言うはずがないのも。

「リーマス・ルーピン、どういうことか説明をなさい。」

近頃はロナルド・ウィーズリーフリーカ化しているマクゴナガルが、鷹のような目でリーマスを

射貫くように見て問いただす。

リーマスが教員席の方を見てみれば、フリットウィク・ハグリッド、なんとあの偏屈フィルチさえもが怒っているように見える。

 

これは失敗したかな~、ごめんねダンブルドア先生ちょっと面倒おこしたかも。

ダンブルドア先生の顔がとっても渋い顔してる、だってロナルド・ウィーズリーが可愛いのがいけないんだもん。

もっとクンカクンカして押し倒して舐めずり回したい子なのがいけないんだもん。

 

脳内では超変態事を可愛く呟きながら、リーマスは悲し気な顔をしてロンに近づこうとして阻まれた。

「僕等のロニー坊やに近づかないでもらおうか。」

「僕等はロニー坊やが大好きだ。」

「「僕等の悪戯は他人を喜ばせるものだけれども、家族を困らせる奴は別だ。」」

「この二人の言う通り、僕等の弟に近寄るのはご遠慮願おう、Mr.ルーピン。」

「お兄ちゃんに近づいたら駄目!!」

仲良し大家族、ウィーズリー一家が出張ってきた。

ロンならば一人で対処しようが、家族を守らなくていい理由にはならない。

ジョージ・フレッドを皮切りに、パーシーとジニーもリーマスの前に立ちふさがる。

大好きなロンの事を守る為に。

「・・駄目かな・・・」

可愛くうる眼をされても知った事ではない。ないのだが・・シリウスが辛そうの顔をしているのがちょっと辛い。

シリウスの古い友人はもう彼しかいないのを聞いている。唯一の友人を攻撃しないで欲しいと顔で訴えてくる。

なんだかんだともう付き合って三年近くたつ。可愛いワンコロに絆されているウィーズリー一家としてはかなり来るものがある。

 

「もういいよ兄貴達、ジニーもありがとう。」

ハリエットを膝から降ろしたロンは兄妹達の前に立ち、しっかりとリーマスの目を見る。

「あんたが二度としないならこの件はもういい、それだけだ。」

駆け引きもなくはっきりと告げる。

「分かったよ、二度としない。君と仲良くなりたかったんだよ。」

懐の深いロンを相手に、無様な事をすればもう金輪際ホグワーツの敷居を跨げなくなりそうなので、リーマスはあっさりと-心からの謝罪―をしてみせる。

悲し気な顔と声に、大半は騙されてくれるのだが、「分かった、俺は今のところあんたと仲良くなる気はない。

だからってお前達は俺の真似をしなくていいんだぞ。」

ロンはリーマスの告白をあっさりと振って、後ろを見て言う。

昨日リーマスと仲良くなった子達にきちんと声を掛ける。自分がリーマスと仲が悪くとも、

それはそれ、これはこれだと。

朝食の大広間は微妙な空気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食の大広間は微妙な空気になったが、お昼のグラウンドは熱気に包まれた。

 

 

 

         「みんな――!クィディッチやろうぜ!!!」

 

 

 

何やらどこぞのジャパンアニメのパクリの様なフレーズで、スリザリンのクィディッチキャプテン・マーカス・フリントが叫び上げる。

ようやくクィディッチの選抜試験が出来る!!本来ならばとっくに終わって練習をして本番をしているはずなのに、やれバジリスクだ、アクロマンチュラだのせいで伸びに伸びてしまった!!

これはもう犯罪だ犯罪!クィディッチ邪魔する奴は死すべし慈悲なぞない!!みんな滅んでしまえ!!

そう呪った相手の片方のアクロマンチュラ達は殲滅をされたのは溜飲が下がる思いがした。

ロンの懸念と裏腹に、魔法界はまたもや危機管理が薄かった。魔法使い殺しのアクロマンチュラが襲ってきたと言っても殲滅をし、-人-には甚大な被害が出なかったことが決定打となった。

彼等からすれば会ったことも無い、ケンタウロス達や屋敷しもべ達の犠牲なぞどうでもよい事で、今後魔法省と組んで更なる安全の確保を目指すと言われればそれでいいのだ。

ロンが聞けば間違いなくぶちぎれて怒りそうだが、魔法界の常識とはそんなもので、半純血の親たちも似たり寄ったり、両親がマグルであっても事件が完全解決をしたのならばもう大丈夫だろうという理由で抗議文は来なかった。

だからこそホグワーツはいつも通りで、いつも通りならばクィディッチをやりたいという生徒達の要望を背負い、マクゴナガルはダンブルドアに直訴をして許しをもぎ取った。

 

だって許可しなかったら呪い殺しそうな眼をしてたんじゃもん、というダンブルドアをガクブルさせる程にマクゴナガルはクィディッチ狂であったりする。

クィディッチの為ならば命は惜しくはない!邪魔をする奴はちり芥だを標語にできそうなほどクィディッチを愛しちゃっていたりする。

普段真面目な人ほど怖えな~と思いつつ、ロンは観客席からピッチを見ている。

「頑張れよ、ハリエット・ドラコ・セオ~。」

なんでかスリザリンの選抜試験を。だってロンだし、ハリエットとマイ天使たちの応援をしに来たのが容易に分かってしまい、さしものマーカスも追い出すのを諦めた。

怒らせたら本人よりもハリエットと周りが怖い!特にハリエットにそっぽを向かれたくない!!

彼女こそはスリザリンの若きホープだ!

今から育てて残りの学生時代をスリザリンの優勝に導いてほしい!

 

選抜はとんとん拍子で終わった。

シーカー候補はハリエットしかいなかったので、スニッチを取って見せてあっさり終わり。

熾烈を極めたのはビーターで、枠は一人しかないのを大勢の奴等が争っい制したのはドラコだった。

「ロン、ハリエットは僕が守る。敵からのブラッジャーや飛んできた物全てからだ。」

選抜前にドラコの奴そんな事言ってたっけ。超男前の顔をして、カッコよくなったなマイ天使は。

男臭くなっても俺は大好きだぞドラコ。

負けた奴等は地団太ふんでるなって・・セオが何か言ってる。

「俺と勝負してもらえませんかね~せ・ん・ぱ・い」・・はあ~⁉

セオの奴、ビーターなりたさに先輩に喧嘩吹っ掛けやがった・・大方ドラコの相方やるの自分だって言いてえんだろうな~。

ぶちぎれた先輩とセオの一騎打ち・・結果セオの勝ち。空中でブラッジャーの打ち合いして、数合で先輩の方が泣いて降りてきた。

「あんな鬼っ子の相手できるか!!!死にたくね~!!!!」

・・気持ち分かる・・ドラコと側にいる為ならば、親父でも殺すと言っていたセオが先輩相手に容赦するいないだろうとは予想してたけど。

 

夕食の席も大盛り上がり、祝・ドラコ・セオドール・ハリエットクィディッチ選手!!

何やら大弾幕を張っちゃってる、やったのは無論ロンだったりする。

「何故敵を応援しているのだロナルド・ウィーズリー!!」

「うるせえ!文句あんのかオリバー・ウッド!!」

「今からでも遅くはありません!!シーカーにおなりなさい!ロナルド・ウィーズリー!!」

「俺はやらねえって言っただろうがマクゴナガル先生!!!」

お祭り騒ぎとドタバタ劇で大賑わいだ。

「ほっほっほ、やってみてはどうじゃMr.ウィーズリー。」

「対岸の火事見物してるなくそ爺!!年末に狸汁にして食っちまうぞ!太って食われろ枯れ木じじい!!」

「ロン・・怒っているのは分かるがダンブルドア校長様に向かってあんまりじゃねえか?」

「そう思うなら俺の変わりに空を飛べハグリッド!!」

「いや・・俺元グリフィンドールでも今生徒じゃねえし・・」

「そんなところで常識使うんじゃね――!!」

襲ってくる理不尽を相手にしつつ、ハリエットたちを愛でつつ、ロンはようやくいつもの日常をまったりと送るのだった。

翌朝にはまたとんでもない事件に巻き込まれるとも知らずに・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大臣!!あの子はまだ未成年で!!!」

「だからこそ今世紀最大の功績ではないかね?-彼-だって喜んで受けてくれよう。」

「・・あの子はそんな子では・・」

「親が思う程に子はというが、もう決定事項だ。明日の朝には日刊予言新聞の一面の見出しは-彼-なのだよ。」

 

 

コーネリウス・ファッジは久方ぶりに微笑んでいる。

ホグワーツとは反対に、魔法省は今てんてこ舞いだ。未成年の生徒にあろうことか魔法大臣付き次官が攻撃魔法を放って裁判中であり、マスコミにも世間にも叩かれまくっている!!

その起死回生のための秘策を今日の夕刻に放ってある!咆えずらを掻くがいいダンブルドア!!

明日の日刊予言を呼んでもだえ苦しみ憤死するがいい!!




え~・・大臣の呪いでここまでです。

ビーターの先輩はモブなので名無しのまま終わりました。
何のジャパンアニメのパクリか分かった方がいたらネタを仕込んだ筆者は嬉しく思います。

リーマスは相変わらず変態でした。

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