ロナルド・ウィーズリーは天使達を助けたい   作:ドゥナシオン

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大人の諍いに巻き込まれました。


功績の行方は・・

昨日の夕食のホグワーツは、各寮のクィディッチ選手選抜で賑やかだった。

しかし今朝の大広間はもっと賑やか・・いや異様だった。

 

「ちょっとフローラ!貴女は彼とは親しいんでしょ?私達を紹介して頂戴よ。」

「・・紹介って・・自分から話しかければ・・」

「何言ってるのよ!彼の周りにはいつもハリエット・ポッターと聖28一族の人達がいるのよ?

私みたいな一般人がおいそれとは近づけないわよ。」

「彼はそんな人じゃないわ。現にハーマイオニー・グレンジャーだって、コリン・クリービーだってマグル出身でしょ?

私だって一般の魔法族よ。」

「キャルちょっと変わって。いいフローラ、貴女が上げた二人は彼と同僚でしょう?ハリエット・ポッター達がいない所で仲良くなれるチャンスはあっても、私達レイブンクローよ。

彼との接点がないわよ。貴女は子供の家関係者だからいいけど。」

「ほんと、うちのパパが彼とは仲良くしておけって梟便が朝一で届いたのよ。」

「・・ちょっと待って⁉それで彼と急に仲良くなりたいの?」

「あら、彼って魅力的でしょう。それに-あんな事-があるのよ?将来は有望よ。」

「ミランダの言う通りよ。お近づきになってもいいじゃない、もったいぶっていないで紹介して頂戴よフローラ。」

 

彼は確かに魅力的だが、打算的な者を何よりも嫌う。この二人もいい友人なのだが、今回の一件で近づけば媚びを見抜かれ大火傷は必至だ。

レイブンクローの席のみならず、ハッフルパフでも同様の事で、彼と仲がいいセドリック・ディゴリーとバート・クラウンも迫られている。

あるものは日刊予言新聞を朝一で読んだもの、親から仲良くしておけと言われた者達が騒いでいる。

 

 

 

「・・皆一体どうしたんんだ?」

「君は気にせず朝食を取りたまえハリエット。梟たちが押し寄せる前に。」

「食ってさっさと寮に戻ろう。今日は日曜日だ、遊びまくるぞ。」

「糖蜜ヌガーも食え。」

「ちょっとビンセント!お野菜は美容にいいのよハリエット。」

「鳥の胸肉のグリルもね。」

・・聞いた事に答えてくんない・・ドラコとセオの顔が怖い・・早く来てくれよロン・・

 

常の大広間と違い過ぎて、ハリエットはすっかり怯えてロンを探すがまだいない。

ドラコ達としてはこんな中にロンには来てほしくはない。寝坊しているのならば今日一日寝ててくれ!

 

 

 

 

だが彼が、自分の天使達をほったらかすことは絶対ない!

「おはよう皆!!遅くなっちま・・た・・って・・どした?」

何だ一体、俺は確かにいつもより遅くなったから大きめの挨拶したけど、なんでみんな黙りこくって俺の事を凝視してんだ?

「ロン!!」・・ハリエットはいつも通りに俺にしがみついてきたけど。

「ハリエット、皆どうしたんだ?シリウスはまだ来てないのか?」

「シリウスはまだ、俺もみんながどうしたのか分かんねえ・・今日もうヤダ!外で食べよう、

ドラコ達も外に行こう!!」

ああ~ハリエットの奴粉の雰囲気で食欲失せたか、俺も外がいいかな?

 

「そうしたまえ、ロニー坊や!」

「僕等もそうしようパーシー、ジニー!」

「二人に賛成だ。」

「皆でお外行こう。コリンも来るでしょう?」

「お供する!君の荷物は僕が持つねジニー。」

兄貴達も勝って、コリンの奴ジニーに惚れたか?誘われてウキウキしてやがる。あいつはいい奴だから許してやろう。

「ドラコ・・」

「ちょっと待って!」「ん?」

フローラの隣の子が真っ赤な顔して止めてきた。

「俺に何か用か?」

「えっと・・私・・キャロライン・モント-て言います!私も一緒に・・」

「あ!抜け掛けずるいわよ!!私だって!」

「ちょっと!!」

「引っ込んでなさいよ一般魔法族!私は貴方と違って聖28一族ではないけれど中流の・・」

 

           「や――か――ま――し――!!!!!!」

 

何だこの馬鹿げた騒ぎは⁉近頃では寮の垣根も血筋だのなんだののバカ騒ぎは見られなくなったのに!何で戻ってやがる!!

「ドラコ説明してくれ、このバカ騒ぎの原因何なんだ?」

「僕が知っていると?」

「お前の耳は誰よりもよくて情報が早い。」

「君からの高評価に応えるべきだな。原因は-これ-だ。」

ドラコの奴、新聞寄越してきやがった。日付は今日か・・えっと・・・・・・・・・・・

「何だこれは――――⁉」

 

 

 

 

        -魔法大臣コーネリウス・ファッジの英断-

 

昨日の夕刻、魔法省より緊急発表。なんとホグワーツの生徒に対して勲一等・マーリン賞授与を検討しているとの事。

この賞はご存知あの-偉大なダンブルドア-が、ゲラート・グリンデルバルドを一騎打ちにて倒した時に送られた現魔法界最高位の栄誉である。

にもかかわらず、何故ホグワーツに通う未成年者に送られようとしているのか。

昨日の大臣のコメントによれば、彼はアクロマンチュラ騒動の折に、生徒及び教職員たち全員をほぼ無傷で逃がした立役者であった。

「彼なのですよ、生徒達を逃がすときに屋敷しもべ達に姿現しを使わせてはどうかと提案をしたのは。」

それのみならず、ゴーストや絵画の人物を使ってあの広大な城に取り残された者・逃げ遅れた者がいないか探すようにとも提案をしたと。

「この功績は確かにその生徒だけの者ではなく、提案を受け入れた教師達・実行をした者達の力だが、その生徒の提案が無ければ不幸にも命を失われた者達は大勢いたはずです。

その不幸な未来を回避してくれた彼に、この賞を贈る事を躊躇う必要があるでしょうか?

考えてもみてください、この賞の持ち主であるアルバス・ダンブルドアは大勢の命を救ったからこそ授与された。

ならば彼にも授与の検討の機会があって然るべきでしょう。」

魔法大臣は既存の考えだけではなく、賞に値をすれば未成年というだけの理由で・・

 

 

 

 

「なんでこんな事になった!!」

ふざけるな・・ふざけるな!!

俺がこんな賞に値するわけがねえ!!大勢のケンタウロス達や屋敷しもべ達を殺してしまった俺が!!こんな称賛を貰っていいはずがねぇ!!!

ロンは無言で新聞を燃やし、激昂をする。

自分の罪を知っているから、この様な賞賛を貰う権利がないのを一番知っているから。

「賞を貰うとしたら俺なんかじゃなく!!-あの人達-だろうが!!」

命を擲って皆を助けてくれた彼等にこそふさわしい!

 

「君は欲しくないのかい?この最高の栄誉が。」

新聞にすっかりと気を取られていたロンは、嫌いなリーマスに背後を取られた。

「これを授与されたのは君達の校長先生だけなんよ?あの有名な・・何て言ったかそうだ!

冒険かで作家のギルデロイ・ロックハート氏だって勲三等で止まっているのに、君はいきなり勲一等なんだよ。名誉な事じゃないか。」

ロンが振りほどかないのをいい事に、まつわりついたまま耳元で囁く。

邪心を吹き込むように、お綺麗な少年の心に名誉欲という染みを付けるべく。

「君達だって嬉しいでしょう?友人が世間から正当評価を受けるのは。彼の功績を考えれば貰えるよね、ドラコ君。」

ロンにひっついて顔を撫でまわしながらドラコに尋ねる。彼ならばロナルド・ウィーズリーの

功績を全部知っているはずだと踏んで。

案の定苦い顔をしても否定しない。

 

 

 

「その通りだ!君にはぜひ受け取って欲しい!!」

 

大広間の沈黙を破ったのは他ならぬ魔法大臣コーネリウス・ファッジその人であった!

・・なんかふくよかなおじさんが来やがった。

「彼が魔法大臣様だよロン。」知らない事は手取り足取り全部僕が教えてあげるよと、すっかりリーマスはロンのマネージャー気取りだ。

「・・いい加減に放してくんないか・・情報どうも。」

「どういたしまして。」邪険にしつつもお礼をしてくれる良い子だな~食べちゃいたい。

 

なんか今背筋ゾゾっとしたけど放っておこう・・どうせあの変態狼だ。

こいつが今回の騒ぎの原因か、あんまし関わり合いたくねえが

「俺の名前はロナルド・ウィーズリー。父がいつもお世話になっています。」

一応父さんの上司にはきちんと挨拶はしないとだな。

「なんて良い子なんだ。私は魔法大臣をしているコーネリウス・ファッジだ。

気楽にファッジ小父さんとでも呼んでくれ。」もの凄くフレンドリーアピ-ルされてもな~

あ、「おはようございますキングズリーさん。」後ろで困り顔のキングズリーさん発見。

「いや・・おはようロン君。」

「・・・もしかしなくてもこの件のファッジさんのニュースソースって・・」

「私だ、今回の一件を報告をしたのは・・」

「そしたらあの人達の功績も・・」

「えへん!!」・・邪魔された・・

「まずはロン君、君のお詫びをしなけらばならない。」

「・・なんすか一体。」

「アンブリッジの一件だ。」

「ああいいですそっちなら、あの人くびでしょ.路頭に迷うの決定な人に興味ないんで。」

「やっぱり君って最高!あんな女は放っておいて、今は君の未来について語ろうね~♪」

「・・俺の未来って・・」

「賞を貰う?貰わない?もっと言えば欲しいのかどうかだよ~。」

またこいつ俺にまとわりついてきたよ~、シリウス本当にこいつのどこ見て親友って言ってるんだ?

「俺が欲しそうに見えるのかよじじい。」

更にはくそ爺の眼が鬱陶しい。

 

「俺はそんなものいらない、明日の朝一で撤回掲載文出してくれ。」

痛くもない腹さぐられてたまるか。

「・・・何故だね⁉魔法界最高の栄誉だぞ。」

「見苦しいですぞ大臣!!」・・誰が来たかと思えば・・父さん来た~!!

「もしもロンが辞退をした時にはその意を汲んでくれるお約束ですぞ!!」

「えっと、父さんおはよう。朝からどしたの?」

「昨日大臣からお前の事で打診をされたんだよ。」

「・・父さんは俺のこの賞貰ってほしいか?」

「何を言っている。こんな賞なぞなくとも、うちの子達が素晴らしいのは私もモリ―母さんもよく知っている。

お前達が元気であればそれでいいんだよ。」

「父さん・・」

「「父さん大好き!!」」

「パパ愛してる!」

「はは!お前達までどうした?父さんも母さんもお前達を愛しているぞ。」

 

これぞアーサー・ウィーズリー一家。どこであろうと誰がいようとも、家族愛全開である。

ロン達が伸び伸びと育ち、幸せなのはこのおおらかな両親のお陰であり・・ロンの弱点であったりもする。

ファッジもその辺をよーく知っている。

断られた時の秘策も我にあり!!

「おっほん!!」

「・・何ですか大臣、俺いらないって・・」

「まあ話は最後まで聞き給え。勲一等には副賞として1000ガリオンが贈られるのだよ。」

 

・・・・1000ガリオン!!・・・マジかい・・それって超欲しい!!!

それがあれば当分モリ―母さんが家計で悩まなくて済む!それどころか母さんに新しい服を、父さんにも新品の仕事着を・・俺が賞貰えばいいのか?

「おやおや、賞はともかく賞金は欲しいか~。何か欲しいの?それとも」

リーマスは一旦言葉を切り、アーサーを見る。

袖は擦り切れ、ネクタイもアイロンは掛かっているが色褪せている。そんな父をロンが尊敬をしているとすれば「ご家族楽になるね~。」良い子だ本当に。

 

しまった!!「ロン!私たちの為に身売りなぞ考えるな!!!」

そうだ!この子は口こそ悪いが家族思いの良い子だ!いつもおやつは半分をジニーに上げたり、困っていれば子供の家でアルバイトをしたりと我が家の火の車の家計をいつも考えてくれる子だった!!!

大臣め!我が家の台所事情とロンの良い子さを突いてきおって!!

 

勝った!!これで私はダンブルドアを超えうる逸材を手に入れた!

このやり取りでロナルド・ウィーズリーとダンブルドアの仲が悪い事もよっく分かった!!

この子は私にとって理想の子だ!何悪いようにはせん、君の将来を輝かせてひいてはあの因業狸を引きずり下ろすための手伝いをしてくれればそれでいいのだ!!

 

 

ロン父は家族思いのロンに何とか反意をさせようと試みるがロンの硬い意思に阻まれ不発に終わり、内心では悪代官化したファッジがロンの手を取ろうとしたまさにその時・・

      

 

 

          「「ちょっと待った――――!!!!」」

 

 

超渋い男前の声がハーモニー化してちょっと待ったコールを掛けてきた!

「早まるなロン!!俺達がいる限りお前に身売りなんぞさせるか!!」

「我がマルフォイ家は断じてそのような事を認めるものか!!自分を大切にしたまえ!」

・・身売り・身売りって連呼すんなよ・・賞貰うのに身売りって・・俺はドナドナされる仔牛かなにかかい。

「・・あのさ、二人の家がいくら金持ってても俺が貰う理由ないからな。」

賞の1000ガリオンは百歩譲ってもらう理由があっても、二人から貰うのは施しだろ。そんなん受け取るか。

「分かっている、だが安心しろロン。」

「我等が提示をするお金はきちんと君の物だ。」・・・俺何かしたっけ?

「大臣、こいつは今魔法界で話題になっている魔法幼稚園の立案者だ。」

「我がマルフォイ家の財務会計が試算したところ、黒字の予定でね。その内の数%を彼に渡す書類を持ってきた。」

「・・何ですと⁉」

ファッジはルシウスが掲げた書類をひったくり、穴が開くほど見つめてからがっくりとした。

そこには魔法幼稚園の希望者と、それらが生む利益と、その内の数%の額が書かれていた。

「マグル界にはアイディアを出すだけでも支払いが発生をするシステムがあってね。これはきちんとした報酬だ。受け取ってもらわねば魔法幼稚園を開くつもりはない。

貰ってくれるねロン君。」

「貰うよな~ロン、ちなみにこれは毎年更新だ。その年の黒字によって上がったり下がったりする。」

「ロンってすげえ!その年でもう働いてんのか。」ハリエットを筆頭に、皆がロンを尊敬のまなざしで見つめた。

 

これって・・マジかい・・「アイディアの使用料なんて話にも出てなかったような・・」

「大臣がこんな阿保ごと持ってこなかったら、幼稚園の開校前に話すつもりだったんだ。」

「我々もこの記事には驚いたが、君の反応と大臣の傾向と対策を速攻で練ってきたのだよ。

さあ、これにサインしてくれたまえ。」

・・藤の花のあしらわれたすりガラスの万年筆をルシウスさんが渡してきた。

「俺・・これ・・」

「正当評価だ。」

「その通り、大臣この子供を巻き込んでもらっては困る。ハリエット・ポッター同様に、この子供へのお手出しをご遠慮願いたい。」

「そんな・・君は・・」

「大臣ご免、俺はこの賞には値しないんだ。賞金に目が眩んじまったけれどもさ・・」

 

ファッジのもの凄い落ち込み様に、ロンは優しく声を掛ける。

「でもありがとな、こんなガキの俺に凄い賞をくれようとしてくれて。あのさ、アクロマンチュラ騒動の件は俺の力じゃないんだ。・・俺はさ・・勝手にドタバタしただけだよ。」

「君は・・」

「だからさ、俺なんかよりももっと目を向けて欲しい人達がいるんだ。このホグワーツで眠っているケンタウロス達や屋敷しもべ達に・・彼等をもっと正当評価して欲しい。」

あの人達はきっとそんな事を望んでいないかもしれない。それでも思ってしまう、敬われるべきは彼等だと・・

「あんたにはそれを世間に知らせられる力があるんだろ?その力を正しく使ってほしい。」

「・・・・・分かった。君の気持ちに敬意を表して今回は引こう。」

ファッジはロンの手を取り諦め宣言をしたが「腹黒狸や因業狸や真っ黒狸に愛想が尽きたらいつでも私に言ってくれたまえ!魔法省を上げて全力で狸退治を決行する!!」

なんかトンデモ決意を表明してきた!!それってどう聞いてもうちの狸校長の事じゃないか!

何神聖な学び舎でそこの校長抹殺します宣言してくれてんだおっさん!!

「嫌いな者同士勝手に喧嘩してろ―――――!!!」

分かってしまった・・ようは狸校長とこの大臣様は犬猿の仲で、今回の騒動は俺を巻き込んでのプチ戦争かい!!

「ふぉっふぉっふぉ、振られて残念じゃの~大臣殿。お帰りはあちらじゃ。」

「・・いつか後悔をするがいい真っ黒狸め!!!」

「やかましい!!!!子供達の前で何してくれてるんだ!デパルソ!!」

天使達の耳を汚した二人を吹っ飛ばした俺は悪くないと思う。

たとえ父さんとシリウス達が真っ青な顔をしても知るもんか・・変態狼は大爆笑して、マクゴナガル先生達が泡食っても知らないったら知らない、もう今日は寝よう。

 

 

ロンがふて寝をしている夕刻、日刊予言新聞夕方の部ではまたもや賑やかだった。

 

         -ホグワーツの生徒、勲一等授与を固辞する-

 

今朝発表された、ホグワーツの生徒への勲一等・マーリン賞授与の件を大臣自らが会いに行き打診したところ、自分は賞に値しないという理由で事態をする。

その生徒の謙虚さに大臣は感銘を受け、その生徒の要望を聞き入れ賞の見送りを決定。

なおその生徒は心優しく、次の様な事を述べた。

「アクロマンチュラ騒動で生徒達が無傷だったのは僕の力ではありません。彼等を本当に救ったのは森の守護者ケンタウロス達の力と、心優し屋敷しもべ達のお陰です。

彼等の犠牲を僕たちは忘れません。」

その言葉を受けた魔法省は緊急会議を開催し、近々人族以外の種族の地位向上を話し合う席を用意する・・

 

 

 

ファッジも大臣を務めてかなり経つ。無論断られた時のシナリオもキチンと用意をしていた。

これで世間は新たな英雄の期待を一層膨らませるだろう。

名前も公にはせずにホグワーツの生徒としか言ってはいないが、世間は英雄を探そうと躍起になり増々ダンブルドアの事なぞ古臭い者として扱うはずだ。

ハリエット・ポッターを手懐けようかと目論んだが、腹黒狸よりも怖いシリウス・ブラックに止められたので代わりの者はいないかと捜していたが「君のお陰かな、リーマス・ルーピン。」

大臣室には椅子に座ってウィスキー入りのグラスを傾けているファッジと、扉にもたれて腕を組んで立っているリーマスの姿があった。

「君の予想通り、彼等が介入してきたか。ハリエット・ポッター同様に。」

「ですが絶対にアルバス・ダンブルドアの手先にならない子でもありますね。」

「・・・君はダンブルドアの・・」

「違いますよ。僕は面白いものが見られればそれでいいんです。」あなた方二人がロンに吹き飛ばされたのは最高に笑えました。

「・・君は厄介な存在だ。」

「でも野放しにはしたくはないでしょう?」僕って出来る子ですから。

今回のファッジへの入れ知恵はルシウスではなく、リーマス・ルーピンだった。

ダンブルドア嫌いの面白い子がいますよ~。彼をダンブルドアの対抗馬に育ててみてはと、ロンをファッジに売りつけた。

うまく逃げられたが、今度は何をして遊ぼうかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあロン、何で勲一等ってやつ貰わなかったんだ?」

「・・君達はいい加減に帰りたまえ・・私もそう思うが。」

「あのなハリエット、それと教授も。そんなの決まってるだろう、貰う権利は俺にはないんだよ、それにさ・・」

今日は散々な目にあったせいか教授に夕食後ハリエットと二人でお茶に誘われた。

賞を貰わないって言った後も騒ぎになっていい迷惑だった。

「あんな風になって、天使達との時間を邪魔されたらたまんねえよ。」

鬱陶しくってデパルソかけまくるわ。

「・・俺もよくわかる・・俺の事知りもしない奴等が好き勝手いって来た時嫌だった。」

「ハリエット・・」

「だからさ、そんなもん受け取らなかったロンが好きだよ。」

ハリエットの奴、嬉しい事言ってくれて甘えてくれて。

「俺も大好きだぞ。」どんなことをしても守ってやる、俺のマイ天使。




リーマス・ルーピンはジョーカー役決定です。
彼には甘くなりがちなこの物語のスパイス役になってもらう事にしました。



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