「キャッ!アミル!!これ本当に飲み物なの?」
「ちゃんとした飲み物よ、パンジー。」
「私これ知ってる!マグルの飲み物でコ-ラっていうのよ・・ダフネには少し刺激が強すぎると思うけど。」
「ジニーの言う通り、ちょっと無理そう。オレンジジュースにしておく。」
「俺はこれ好きなんだけどな~。アミル、お代わりほしい。」
今日のスリザリン寮の夜は仲の良い女子が集まってマグルの-パジャマパーティー-が開催をされた。
とはいっても寮内であっても夜は基本である禁止だある。たまに眠れなくて談話室で過ごすくらいは認められてはいるが、大勢の子供達が一つの部屋でパーティーをしていいとはなっていない。
規則にこそ記されてはいないが、グレーゾーンではある。
基本ダフネは貴族の子女として規則に則っての生活を好む。規則を破るものにお説教をする方なのだが、
「たまには皆でワイワイしながら寝てみたい。」
可愛い娘ことハリエットのお願いならば規則厳守にはお出掛けを願い、この日の為に実家にお菓子を多めに欲しいと梟便を送って準備万端に整えた。
今日の初パジャマパーティーのメンバーはハリエット達の部屋を開催場所にして、ジニーとパンジー・パーキンソンをご招待。
パンジーは大量のチョコレートを、ジニーは手作りのマフィンを持ち寄ってキャッキャウフフの
パーティーの開催とあいなった。
「コーラ何てよく梟便で届いたな?」
「箱の中に藁を敷き詰めてもらって、しばらく台所で預かってもらったのよ。」
「炭酸ていうの初めて飲んだわ。これ結構おいしいからダフネも飲んでみなさいよ。」
「私は遠慮しておくわ。ジニーこのマフィン美味しいわね、これならいつでもお嫁さんになれるわよ。」
「ホントだ!ロンはいつもこんないいもの食べてたのか~。」
「それくらいならいつでも作るわよハリエット。沢山食べてね?」
「でも寝る前に食べたら太るんじゃない?」
「あらパンジー、貴女もハリエットももう少しふっくらした方がいい位よ。」
「キャ!このカエル動いた。」
「あら、魔法界二年目なのにカエルチョコは初めてだった?」
「・・母さんが魔法界のお菓子は刺激強いからってあまりくれなかったの。」
アミルは母親が魔女で父はロンドンの銀行で働いている裕福な家で育ち、ホグワーツ入学許可書が届くまで生活の拠点はマグル界の方だった。
魔法の事は父も知っており、物心ついた時には母からある程度の魔法の知識を教わって育った。
お陰で暴走事故もなく、違和感なくホグワーツ生活に入り込めた。
母の親戚は母がマグルと結婚をしたのが許せないらしく、疎遠なのでダイアゴン横丁に行くまで魔法界に入った事は無いので、魔法界の生活水準が現代社会よりも遅れているなと感じたのは初めの頃で、今はそれがかえって楽しい。
汽車での移動は遅い分、友達と長く楽しく遊べる。エレベーターがないから自然運動になっている。
鉛筆ではないから消すのが大変なのできちんと考えてから書く習慣も身についた。
便利が=幸せとは限らないようだと学んだ。だってホグワーツ生活は少々不便でも楽しいから。
「ねえ、今年はハリエットはクリスマス休暇はどうするの?」
去年はスリザリン寮で唯一の居残りとなってしまったのを、ダフネ達は気に病んでいる。
マグルの家に帰りたくないならば、自分達の家に来ればいいと誘うつもりだ。
「俺さ・・手紙書いたんだ。」ここで書いて、ルシウスさんにマグルの郵便投函をお願いした。
「帰ってもいいかって。」今はその返事待ちだ。
10年間、あんなに酷い目にあったのに、ダーズリー家に歩み寄ってみようかと考えて。
きっかけは今年の夏季休暇の帰省時だ。何故かダーズリー家は自分に対して優しくなっていた。
きっかけはマグルに対しても根気強く接してくれたルシウスさんとアーサー小父さんとモリ―おばさんのお陰かもしれない。
彼等はダーズリー家の前で魔法を振りかざすことなく、きちんとマグルの常識で接したと言っていた。
ダーズリー家は、たんに自分が怖かったのかもしれない。-魔法-なぞという未知で訳の分からないものがいつか自分達に悪意をもって向けられるのではないかと。
ペニチュア叔母さんの姉であった母はどんな接し方をペニチュアにしていたのかは分からないが、少なくともトラウマレベルになっているのは確かだ。
魔法界の不思議と怖さを知り始めたハリエットはそう考えるようになり、それならば気味の悪い子供を10年間も家から放り出さなかったのは奇跡に近い気がしてきた。
その環境が過酷で劣悪であっても、養育費だって馬鹿にならないのにきちんと学校にだって通わせてもらっていたのだ。
お陰で読み書き計算に困った事は無い。
バーノン・ダーズリーが社長をしていても、ダーズリー家に金銭面の負担を強いてしまったとシリウスは言っていた。
あの子供がそのまま大きくなったシリウスが気にするほどの事をダンブルドアは平然と敢行したのだから恐れ入る。
いつか絶対に取り澄ましたあの髭親狸の顔面をぶっ飛ばすのが最近の密かな目標だ。やった暁にはぜひダーズリー家にも知らせようと思っている。
「今は返事待ちなんだ。ルシウスさん経由で届くはずだ。」
ダーズリー家は魔法界の接点を持つことによって、きちんと魔法の説明受ける事で自分に対しての接し方が和らいだのかもしれない。
「そう・・頑張ったわねハリエット。」
「良い子ねハリエット。」
お母さんダフネとアミル二人に両方からハグをされ、お腹もいっぱいになったのもあってハリエットはそのままスヤスヤと寝息を立て始めた。
「あらあら、歯も磨かないで。」
「一日くらいいいじゃない、ダフネお母さん。」
「見逃して上げようよ。」
「でも私達はもうお開きね、歯を磨きましょう。」
「私はハリエットと寝たい。」
「ジニーはそっちで、そしたらパンジーは私とね。」
「アミルは寝相いい方?」
恋話などはまだまだなく、起きていられる時間もまだわずかなお子様パーティではあっても、
ダフネ達は楽しみ、次はいつ開催して規模はどうするかの相談をしながら眠りについた。
クリスマス休暇には何をしようかも。
クリスマス休暇のフラグの回でした。