ロナルド・ウィーズリーは天使達を助けたい   作:ドゥナシオン

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お待たせいたしました。


日常に忍び寄る影

近頃何か落ち着かない。

何処に行っても視線を感じる、それは特に夜に感じる。

大広間からスリザリンの寮に戻る時、何かにじっと見られているようなひりついた視線を感じるんだ。

先日バジの奴も感じたのか素早く視線を感じた方に飛び出すように行ってくれたけど、誰も居なかったって言っていた。

でも気になることは他にもある、ゴースト達が見知らないものを見かけたって言ってた。

そいつは素早くて、人なのか獣なのか分からなかったって困惑をしていた。

中には500年以上もホグワーツに住み続けえているゴースト達をも困惑させられる奴ってどんな奴だ?

ピーブズもその件に関しては相当カリカリして苛立って、悪戯が悪辣化をしてロンに檄おこされてやっと沈静化をしたほどだ。

先日ホグズミードに行ったら「ハリエットちゃんとクィレル先生の事を聞かれたわ。」って、

三本箒のマダムが言っていた。

 

「俺とクィリ先生の事を調べてる奴なんているのかな?」

「・・・ハリエット、そういう事はロナルド・ウィーズリーに相談をしたらどうかね?」

「だって・・あいつはすぐに大事にしちまう・・」

俺のハリエットに危機が迫ってる!

ロンがそう言おうものならば、ほとんどの生徒達は犯人探しに付いていくだろう。

俺のと言ってくれるのは嬉しいのだが、近頃は少し・・ほんの少しだけ恥ずかしい。

「成る程、君に自我が芽生えてきてなによりだよ。」

「先生なんだか嬉しそうだ。」

「嬉しいさ、赤ん坊が子供に育ったのだからね。」

ハリエットの恥ずかしいは、子供の事に何でもかんでも親がしゃしゃり出てくるのが恥ずかしいと思う、お年頃になったという事だ。

現にこうして自分に対してのお悩み相談を、ロン抜きできて紅茶を飲んでいる。

 

「嬉しいんだよ?でも・・やっぱり恥ずかしい。」

言葉遣いも少しづつ女の子らしくなってきている。

以前ならば嬉しいんだよを、嬉しいんだぞとかどうしても荒っぽくなっていたのが成長をしたものだ。

しかしだ、「私と君の事を調べている輩か。」そちらの方が問題だ。

こそこそと嗅ぎまわっているところから、闇の陣営の物に間違いないだろうが、問題はなぜ今頃なのか。

ヴォルデモート卿の安否確認の為ならば遅すぎる、ハリエットに対して復讐をするにもまた然り。

一体何の目的で今更そんな輩が居るのか皆目見当がつかない。

 

今自分がしている事が漏れるはずもない・・・訳でもないか。

夏の日刊予言新聞を少々騒がせてしまった。

 

 

            -グリンコッツに再び侵入者⁉-

 

昨夜未明にグリンコッツの侵入者除けの魔法が発動!

だがしかし、誰の金庫が狙われて何か盗まれたかどうかも不明であるという不可解な事態が発生。

「グリンコッツは安全でございます、何も盗られてはおりません。」

自動通報を受けた魔法省に対して、グリンコッツの見解は変わることなく主張をされた。

 

 

 

 

まあ確かに盗んではいない、ヴォルデモート卿の持ち物を返してもらっただけだ。

一昨年の夏に賢者の石を盗み出そうとしたときよりも騒ぎにはならなっかった。

当然と言えば当然か。今あの金庫の持ち主は魔法省の監視の下で働いていて、金庫など資産は凍結をされているからグリンコッツっとしては気合を入れて守ろうとはしていないだろう。

案の定警備はざるに近かったし、目的の物は手に入ったので良しとしよう。

 

だがこの-微妙な時期-に、招かれざる客にはご遠慮を願いたいものだ。

「一人で行動をしない事をお勧めするよ、ハリエット。」

「うん・・それが一番か。抜け道封鎖されても油断しないようにする。」なんだかんだ言っても自分は世間的にはヴォルデモートを倒したことになっている奴だし。

「君が素直なのが助かる。」大人の忠告を無視するような鼻持ちならない子ならばとっくの昔に見捨ててる。

 

なんだかんだ言っても、やはりこの子供が可愛くなったのは何故か以外ではない。

世間の情報に疎いせいか、生きるだけに必死だったせいか、まるで生まれたての赤ん坊に懐かれた経験は嫌では無かった。

それは主とても。近頃の主はこのハリエットとロナルド・ウィーズリーを殺したくないと言っている。

自分は純血主義の旗頭・ヴォルデモート卿が好きなのではない。

何者にも屈しない、強き主が好きなのだ。

あの方が愛に目覚められ、罪を償いつつ、光の道を行くと言えば万難を排するためにこのみを使いきるのも厭わない。

だがしかしそれは主が決める事、自分はどこまでもあの御方の行く道を歩きやすくするのみだ。

 

その為にも邪魔になりそうなものであれば、主の築きし闇の陣営の者であろうとも容赦はしない。

いや、もしかしたら-それ-を使うのもありか。今主を捜しているのだとすれば相当な忠誠心の高さを持つものだ、利用できるのであれば利用しよう。利用後に使えない奴ならば消せばいい。

ハリエットを寮に返したクィレルは、様々な案を頭の中で練りつくす。

いまだにダンブルドアたちに監視をされているので、案をうっかりとメモにもかけずに苦労をする。

それもじきに終わるか・・




物語りを急加速させるエピソードなので短めです。
クィリナス・クィレルの本質が書けていればいいなと思います。
感想お待ちしています。

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