ロナルド・ウィーズリーは天使達を助けたい   作:ドゥナシオン

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原作崩壊の回です。
よろしくお願いします。


・・あれ?

俺は8歳になった。

 

大きめのふっかっふっかの大きなソファーの横に生けるプラチナブロンドの天使のドラコが優雅に紅茶を飲んでいる。窓からの日の光も相まって後光がさしてる。

俺の方はマグルの飲み物コカ・コーラ。

 

ここって俺ん家じゃなくてマルフォイ邸なんだけどコーラなんて出していいのか?

確か俺の目の前で息子と同じように紅茶飲んでるイケメンパパ・ルシウスさんてバリバリのマグル嫌いじゃなかったっけ。

 

この一家とお付き合いを始めて早五年、当初は親同士は当たらず触らずの仲が子供の俺達の仲の良さから今はまあそこそこになってる。

それも何でかルシウスさんは俺個人がえらく気に入ってくれたのかドラコと同じ位の魔法使いとしての教育をしてくれる。

俺ん家も魔法使い一家だけどマルフォイ家の知識力半端ねえ、目から鱗もんだわ。

しかも純血の一族とマグルとの関わり方の考え方も教えてくれた。

きっかけは7歳の時の俺の疑問。

 

「マルフォイ家ってマグルが大嫌いじゃないのか?」

父さんがそう言っていたけど、マルフォイ邸のそれも本当のプライベートの家に呼ばれてお邪魔している時が付いたことがあるからだ。

まずはルシウスさんの筆記用具が魔法界の定番の羽ペンじゃなくて万年筆、それも普通のじゃない摺りガラス製の綺麗な代物。

キャップのふちが金細工、藤の花が全体に施されているのはもしかして日本製か!

 

他にも日刊予言新聞以外の新聞のロンドンタイムズだったかな、他にも数社のマグル世界のニュースが載った新聞があった。

これを見たら俺の疑問は当然だろう。

かつての闇の陣営のトップ・ヴォルデモートを信望していた人物がマグルに関心があるっておかしくね?

 

「私はマグルが嫌いじゃない、どうでもいいとは思ってるがね。」

「・・どうでもいい?」

マルフォイ家の次代のドラコが隣にいてそれ言っていいのか?マグル排除の考えを植え付ける気ないのか。ま、あっても俺がそんなバカげた考えで天使の清らかな心を汚させるのは絶対阻止すっからいいけど、でも

「どうでもいいってのはどういう意味だ?」

「言葉の通りだ、いいかねロン君魔法族の存続にはマグルとマグル生まれの魔法使いは必須だ。今いるだけの魔法族だけで閉じこもっていてはいつかは滅びる。」

「・・なんで?」

「単純な話で血が濃くなりすぎては結婚が出来なくなる。」

「えっと・・それって兄妹が結婚できないみたいな?」

「その通り、血の近過ぎるものが子を作ると奇形になりやすく下手をしたら産めなくなる。」

「それって駄目じゃないか・・その考えって・・」

「君は本当に聡い、この考えは聖28一族の半数以上が持たざる考えだ。」

「・・マジかい・・もしかしなくとも闇の陣営の奴等も・・」

「その考えはない、少しでも知っていれば純血の魔法使い以外を魔法界から排除しようとは言わないだろう。」

 

ちょっと整理してみよう、つまり魔法界にとっては新しい血を入れてくるマグル生まれや

片親がマグルの半純血ってやつが必要不可欠。

「なら何でルシウスさんはマグルを嫌ってるって・・」

「何度も言うがマグル自体が嫌いなんじゃない、彼らは今の古い魔法使いの一族よりも数が多い。

その数にものを言わせて-我々-が営々と守り継いできた伝統や古いしきたりの意味と所以を知ろうともせずに土足で踏みにじりながら平然と-新しい事柄を拒む古いカビの生えた者達だ-と振る舞う厚顔無恥どもが死ぬほど嫌いなだけだ。

付け加えるならばそんな者達の肩を持って正義を声高に叫ぶ伝統を捨てた馬鹿な魔法族もしかりだ。」

それってどう聞いても俺の家じゃね?

「・・ドラコはルシウスさんから・・」

「うん?もうとっくに教わってるよ。」

マジかい、天使の彼は幼いころから英才教育を受けてんのかい。

ええっとつまりルシウスさんの考えってのは、古い本当に伝統と格式を守ってきた純貴族は成金達はいてもらってもいいけど度を超えた馬鹿が嫌いって事か。

「ルシウスさんの考え方ってすんごく納得いく。」

「おや・・アーサーの子には少々毒性のある話だと思ったが?」

「いんや、俺だって隣に引っ越してきた奴がいきなり人の家の仕来たりや約束事や大切な家訓をああこう言ってきて馬鹿にしてきたら即座にぶっ飛ばす。」

「・・君は・・なんと言うか・・君の父というよりは本家のウィーズリー家のもののようだ。」

「・・それってうちの父さん馬鹿にしてんの?」

「あっ!いや・・すまない・・ロン君、君さえよければこういった話をドラコと勉強しないかね?

この子は一人っ子で君の家の様な兄妹がいない。ドラコの張り合いにもなるしどうだろう?」

 

どうすっかな、あわよくば俺を子飼いにするとか目論んでんのか。

まあいいや、それは俺が気を付ければいいだけの話で、ドラコと居れる時間が増えて万々歳だ。 

二つ返事ではないけど都合がついたらという話で手打ちになった。

 

 

 

あの子供、ロナルド・ウィーズリーは本当にアーサーの子供らしくない。

あの子供の考え方はウィーズリー本家の考え方に近い。

アーサーは本家の次男だが、長男がマグル生まれの魔法使いの女性と結婚をして当主の勘気に触れてお鉢はアーサーに行くと思われていた。

ところがどっこいそのアーサー自身は親・マグルを謳いだし、当主の父親は長男の時よりも激怒をしてアーサーは有無を言わさず勘当されて、結局長男が跡を継ぐ事を許された。

長男も本当は父親が嫌いで勘当でもいいと考えていたが、伝統ある家を自分の思い一つで潰すのは忍びないと継いでいる。

 

確か現当主とアーサーは未だに疎遠の筈だ、老いたとはいえ前当主が存命の内は会えないというのがウィーズリー家の内幕を知っている者達の一致した意見だ。

ではあのロナルド・ウィーズリーの考え方はどこから来たのか、アーサー・ウィーズリーでは

断じてない。

 

アーサー・ウィーズリーは親・マグルを謳いながらも無意識にマグルたちを低く見てマグルたちの本当のところを碌に見てはおらず―保護が必要な者達-と勝手に思っている。

マグルたちの科学技術や洗練されていく日常の物品をきちんと理解せずにだ。

だがあの子供ならば理解しよう、真の純血主義の意味と意義とマグル達の本当の姿を。そのようなものが息子の側にいてくれるのは何かと好都合だ。

息子の側には最良の者がふさわしい。私自ら磨きをかけてやろう、磨きがいのあるあの子供を。

 

 

 

 

 

そんなこんなで家族を大切にしつつ時折英才教育のおこぼれを受けるようになった。

今日はルシウスさんと-子供の家-がいつ開設するかの話を聞かせてもらってる。

名前からしたら孤児院ぽいだろうけど全然違う。

-魔法族の家の未就学児は誰でも遊びに行ける児童館-って感じだ。

きっかけはこれまたおれのひとこと。

 

「家族やドラコといるのは楽しいけどもっと多くの同い年の子達と遊びたい。」だ

 

魔法族の家同士って子供たちが気軽に集まって遊べる場が本当に無えんだは。

純血貴族達や、裕福同士のパーティーや夜会とか洒落たもんに縁のない家ってのは遊び相手が限られすぎだろ。

俺の前の人生は家族はいなくて、施設では他の奴らとは合わずに嫌われてたが、公園に行けば名前は知らなくともすぐに遊ぶ仲間が出来たもんだ。相手の親が俺を施設の子と知ると大半は遊び仲間連れてっちまったけどそこは別にいい、いいったらいい。

俺が言いたいのは-公園-が無いと言いたかったわけだ。

「ふむ、大勢の家の子か・・」

勉強が終わった後に言った俺の一言にルシウスさんは真剣な顔をしはじめた、マジかい。

 

言っちゃなんだが中身ともかく見た目は金を稼いだことも無い世間知らずそうなこんなガキの言う事を真に受けて真剣に考えてるって、ルシウスさんて器がでかいのかちと変わり者かどっちだろ。

 

そのどちらでもなく、ルシウスはロンの-大勢の魔法使いの子供達-の方に反応を示した。

大人の社交場はいくらでもあるが、子供は確かに限られており特権階級の者達で占められている。

-光の陣営-の子供や、どちらにも属さなかった一般魔法族の子供達が-ルシウス・マルフォイ―によって作られた場で安全かつ穏やかに楽しく過ごせればマルフォイ家への悪しきイメージは大幅に払拭をされよう。

 

ウィーズリー家と長く付き合っていてもダブルスパイの嫌疑をかけられ、時折家宅捜索をされるのにはうんざりとする。

自分は本当に闇陣営とは手を切った‥とは言えないが。

今でも家の利益の為に水面下で付き合っているノット家やクラッブ・ゴイル家や他にもこまごまとあるのは否定しない。

本当に不味い物は海外の別荘に隠しているのもまた然り、旧家には人前には決して出せない闇やそれに相当する物があるのは当然だ。

なのに魔法界にとっての新参者が多い魔法省はその辺が全く分かっていない馬鹿者揃いで出来ているから大目に見よう。

無知蒙昧の輩に本気で腹を立てるのは大人げなく品性が落ちる。

 

だがその魔法省の鼻を明かしてやるのは面白かろう。ロナルド・ウィーズリーのアイデアではあるが作って見せよう、子供達の夢の遊び場所を。

最初は相手にはせずに世間へのご機嫌取りだというだろうが、作り手の中に―ウィーズリー家-の者が入っている事も大々的に披露すれば様々ない意味で宣伝となる。

アーサー・ウィーズリーでは無いが、光の陣営のウィーズリー家の者が関わってるとなれば狸爺ことアルバス・ダンブルドアも唖然としよう、闇陣営のルシウス・マルフォイと共同者になるのだから。

あの正義面をした老害が驚くさまを思い浮かべるだけでも溜飲が下がる、その上で我が家に理が出ることは試す。将来ドラコが悪しざまに言われずに過ごせる将来の為に。

「ドラコの悪口言った奴ぶっ飛ばす!!」

不意にロンがドラコを悪しざまに言った者に火が吹くがごとく怒った様が浮び可笑しくも頼もしくも思ってしまった。

あの少年は本当に役に立つ、我が家とドラコの双方にとって。

 

かくして少年の純粋な願いと大人の汚れた考えがどうしてか合致をしてあり得ない化学変化を起こして-子供の家-建設着手となった。

 

 

「風船が沢山あったらいいな・・あ!魔法で風船の柔らかさはそのままで、割れない奴ってできる⁉」

「おままごとやお人形さん遊びしたいな。」

「僕としては本も置くべきだと考えます。幼児の児童書から、少し大人びたもの本です。

魔法族の物だけではなくマグルの児童書もどうですか?父がくれたアンデルセンのは・・」

「外遊びもしたい!鬼ごっこやおもちゃの箒で思いっきり!!」

「ゴブストーンも!」

「父上、チェスなどのテーブルゲームもいかがですか?」

「俺は畑が欲しい。」

 

「「「「「はあ⁉」」」」」

 

「花壇じゃないの?」

「違うぞジニー、それも作ってもらえればいいけど畑欲しい。」

「・・なんで畑?」

「いい質問だドラコ!いいか、自分達で野菜を作って収穫をして自分達で調理をして食べる!!これぞ教育だ!!!

慣れないながらも遊びに来た奴等全員で協力をして美味しいもんが食えたら知らない奴ら同士でもぜってえ仲良くなれるって。

ほらよくあるだろう、仲の悪い奴等がスポーツで勝利を一緒に目指すうちに親友となり一生涯の友になるってやつ!!あれを目指すんだよ!!!」

 

・・・この子供の発想はどこかぶっ飛んでいる。

遊び場づくりの参考としてウィーズリー家の子供達をご招待をして意見を聞いた見れば、

例によって例の如くロンが真面目に熱い意見を言ってきた。

趣旨は分からんでもないが、子供が畑仕事で友情はぐくむとは聞いたことがない。

良いとこクィディッチが出るものではないのかとルシウスは少し疑問に思ったが、そこはルシウス・マルフォイである。

彼も周囲者から見れば相当マイペースな道徳の思考を持ったものと評価を本人の知らない所で付けている。

つまるところロンとルシウスは変わり者同士で似ているのだ、現にウィーズリー家の意見と息子の意見は全て取り入れることにした-畑-も含めてだ。

 

 

着手から一年後、-子供の家-は完成をした。当初は遊ぶ子はウィーズリー家の子とドラコとクラッブ・ゴイル家の子供達のみだったが。

しかし子供達はさして気にしない、広い遊び場を独占しているのと、

「こんにちはおばあちゃん、おじいちゃん!」

「おおロン君、ドラコ君達も元気だね~」

「おばあちゃん、一緒におままごとしましょう。」

「はいはいジニーちゃん、今度本当のお料理を教えてあげようかね~」

常に子供の家にいるおじいちゃん、おばあちゃん達の交流も楽しみだったりする。

これもロンの前世のアイデアで、「家で退屈しているじいちゃんばあちゃんも来れるようにできない?共働きで忙しくて子供の面倒見る親がこれな子がいてもしっかりとした保護者役がいれば来やすくなる気がする。」シルバー人材センターの発想で言ったみた。

 

 

確かに仕事や現場を引退しても矍鑠とした魔法使いや魔女は結構いたりする。

そういう者達を小遣い稼ぎ程度で雇えばこれまたマルフォイ家の株が上がるかと算段したルシウスはいっそのこととそれはアーサーにそっち方面担当してもらうことにした。

全面的にマルフォイ家とウィーズリー家の共同だと宣伝するために。

「私はそういった事が苦手だ!」

「ご子息が出した折角の良きアイデアをつぶす気かアーサー・ウィーズリー。」

「しかし・・」

「言いたくはないがこの家の子供達は両家の祖父母には恵まれているとはいえなかろう、折角の先達との交流の縁の機会を切るか?」

「・・それは・・」

そこを突かれるとアーサーとしても痛い。モリ―の両親はわりに早く亡くなっており、自分の両親は生きてはいるが会える確率はゼロだ・・

「・・お前がすればいいだろうルシウス・マルフォイ。」

「それは本気で言っているのかね?」

「・・無理か・・」

ルシウス・マルフォイがしっかりした人材の面接をしようものならば、面接を受けた者達は今まで知られなかった闇の陣営の者で、ルシウスの庇護を受けたとの悪意ある思いの的になる公算が高い。

子供達の折角の場が下らない大人たちの誤解によって壊されてはたまらない。

アーサー・ウィーズリーは子供達の為に泣く泣く受けた。

なんだかんだと言っても浅くとは言え、長い間付き合ってきたマルフォイ家に情が湧いたことも手伝って。 

 

 

子供の家が出来て一年、俺9歳

 

初めの頃はがらんとしてた家が今やガキの笑い声で溢れてる。

兄貴三人はホグワーツでいないがジニー・ドラコ、ビンセント・グレゴリーそれにセオドールとネビルがいるから楽しいから気にならん!

遊び方見てるとそいつの中身が分かんのな。

ビンセント・グレゴリーは肉体系の遊びで脳筋族だ。ドラコとセオドールはチェスして知性派か・・セオドールはいざとなった実力行使も辞さないやばい光が時折瞳をよぎってる。

 

俺と同じでドラコべったり、詳しくは知らんがセオドールの家も聖・・何とかの一族の子で父親がドラコの親父さんと一緒でやもめの父子家庭だそうだ。

ドラコ取り合って本気の喧嘩でぶつかり合って引き分けた後本人がポツポツと話してくれた事だ。闇の時代は良かったと繰り言しか言わない親父が嫌いで、マルフォイ家に媚びるさまも嫌いで、でもいろんな意味で綺麗なドラコは大好きだと、大切なセオドールの心の中身を教えてくれて、以来俺はセオドールを親友の一人だと思っている。

向こうはあれ以来取り澄ましてよく分からんが、それでも俺がセオと呼んでも返事してくれるからまんざらでもないんだろう。

 

んでネビルだが、「ロン見て、パンジーの芽が出たよ。」

ほっこりと笑って鉢植えにちょっこりと出てる芽を見せてくれる。

少々ぽっちゃりとした、このテディベアみたいなネビルが俺は大好きだ!!もう何この可愛さ!!!

最初こいつのばあちゃんと来た時はオドオドしていた様は小動物の如くで「可愛い!!」とつい絶叫して怯えさせちまった。

以来俺はネビルと接するときはなるたけ優しくそっと話しかけるのを心掛けて半月掛けて仲良くなれた内気な俺にとっての-三人目の天使-だ。

ネビルは何をするにもゆっくりとしているスローペース型だ。

それをからかったり馬鹿にするやつがいるが俺はいつもこう返すことにしてる。

「ネビルにはネビルの動く時間がある。それを分からずに何もできない奴っていうのは節穴の目の持ち主だな。」。

本当はぎったんぎったんにしてやりたいけどネビルの前で喧嘩騒動は起こしたくない、ネビルを怖がらせちまう。

ネビルの良さは俺の周りの奴等はみんな知ってる、誰も馬鹿にしておらずネビルの事を大事にしているしそれで良しとしよう。

ホグワーツに行く前に親友・友人がたくさんできて満足してたある日、俺にとっての異変が起きた。

 

何時ものように母さんからサンドイッチと水筒を貰ってジニーと子供の家に煙突移動をした。

そこには早めに来ているじいちゃん・ばあちゃんいて・・ルシウスさんと・・イケメン黒髪の一目でこいつ貴族でだろうと分かる長身の男がいた。

顔はいいが酷く痩せてる、そのくせ目には力強い光がともってる。こいつどんだけの修羅場くっぐってきたんだと元・喧嘩三昧の俺にはピンとくるもんがある奴にあったのは初めてだ。

向こうも俺に何かを感じたのかまじまじとと真剣に探るような目で見始めた。

品定めをされるってのは不愉快だ、癪に障る!

「おはようございますルシウスさん。」

天使ジニーがきちんとルシウスさんに挨拶をしたので場が破れて男は視線を下に向けてそらした。

「おはようございます、ルシウスさん。」

俺もきちんと挨拶しなきゃだ。

 

「坊主、名前は?」

「・・は?」

「はじゃねえ、名前だよ名前!なんだとろくさい奴・・」

「うっせえぞおじさん・・」

・・とろくさいだ?人に名乗りもしないで挨拶もしない奴が・・

「・・んだとこの!!」

「人に名前聞きたきゃ手前から名乗るのが筋ってもんだろ!!手前が一番の礼儀知らずしといてとろくさいだ⁉まともに挨拶もできねえような奴に!父さん・母さんが大事に付けてくれた名前教えてやる謂れはねえ!!分かった礼儀知らずのおじん!!!」

 

近頃怒らなかったお兄ちゃんが怒った!このおじさん悪い奴だ!!

 

兄をトロイと言った男に自分が怒る前に兄自身の怒声を久々に聞いたジニーはそう判断を下した。

近頃の兄は他の子供達の面倒を何くれとなく見て、そんな兄を一緒に手伝って褒めてもらう事は多々あったが、ここまでの怒りを見たの本当に数年ぶりだった。

 

「・・・・っすまねえ・・・」

「・・・」

「久しぶりの-外-で本当に礼儀忘れてた・・」

「・・それで?」

「悪かった坊主、もっぺんやり直させてくれるか?」

何だこのおっさん、根っからの礼儀知らずじゃねえようだし「いいぞ。」許可してやる。

「すまない・・」

 

黒髪の男は少年の言った事を加味して落ち着いて考えてみれば、少年の言った通り礼儀知らずだ。

子供のころ、自分だって偉そうな大人たちが嫌いで、そんな大人達の嫌った-グリフィンドール-入ったのに、苛ついていたとはいえ-嫌いな大人-をした自分を消し去りたくてやり直しを求めればすんなり許してくれた少年に敬意を表するために、右手を胸に当てて一礼を少年にした。

-家-を飛び出してからは一度もしなかった・・それこそ尊敬しているアルバス・ダンブルドアにもしなかった最高の礼を。

この少年はそれに値するはずだと信じて。

 

「俺の名はブラック、シリウス・ブラックだ。君の名を教えてはくれまいか少年。」

 

 

 

・・あれ?・・シリウスブラックってこの時期はアズカバンにぶち込まれてるはずのハリー・ポッターの名付け親かい⁉

 

「俺はロナルド・ウィーズリー、家族と親しい奴はロンって呼ばれてる。」

「では俺も君の事をロンと呼んでいいか?」

「構いませんミス・・」

「シリウスだ。」

「・・・は?」

「君は俺の事をシリウスと呼んでくれ、さんもつけるな。喋り方も先程の威勢のいい方が素だろう。そっちにしてくれた方が俺は嬉しいぞロン。」

 

 

・・なんかやたらとフレンドリー、でもって色々と面倒くさい奴きたー!!

何がどうしてこうなった!!!誰か説明してくれコンチクショウ!!!!!

原作崩壊じゃねえかよ!!!!!!!!




何がどうしてこうなったかと言えば全てはやはりぶっ飛んだ考えをうっかりとルシウスさんの前で言ってしまったロンのせいです。
次回は真相解明のお時間です。

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