ここは魔法族未成年たちが通うホグワーツ。
ここでは素晴らしい魔法使いとなるべく、日夜少年少女達が魔法の腕を磨き、知識を蓄えて切磋琢磨をする場である。
今は六月の年末試験が終わり、晴れて進級が決まった次の日。
勉学は夏季休暇中の課題のみで、庭で遊び・湖水でピクニックをし・箒で遊んで思い思いに過ごせるその日なのに、ホグワーツで一番奥まり-彼等-が使うまでは埃がたまっていた一室で
今まさに-定例会議-が始まろうとしている。
何度この会議を行ったか数知れず。議題はいつもきまってはいるが、毎回決定打が出ずにずるずると-案件-を野放しにしてしまった忸怩たる思いがある!
少年達は深いため息を吐き、少女達には焦りが見え始めている。
今日を逃せばこの一同が会するのは来学期になってしまう、それでは遅いのだ!!
去年も来学期になれば今案件の解決ないし進展の見込みを期待をしたのだが、やれ闇の帝王の信望者だの、吸魂鬼達による迷惑行為だのでいつも通りの波乱万丈学園ライフを送ってしまい、
忙しくて不安な事だらけで案件の進展なぞ望めなかった。
しかしだ!最早そんな事を言っている時ではない!!本案件を一層厄介にすべき事態が一昨年には
起きてしまっている。
手をこまねいている時期はとうに過ぎ、最早自分達の行動あるのみだ!
「よってロナルド・ウィーズリーとハリエット・ポッターを恋人と自覚させる方法を考えるのが急務である!!」
円卓の会議で中央とおぼしき席からずかりと立ち上がったプラチナブロンドの貴公子こと
ドラコ・マルフォイは真剣な様子で出席者たちを見回す。
「つってもなドラコ。あんだけイチャイチャしている奴等に、どう言ったら恋人の自覚を持たせる事が出来んだ?」
セオドール・ノットの言葉に一同もうんうんと頷く。
終始膝に乗せるは甘やかし方は他の者達と違うは、何かあったら自分力プラスαで凄い事しでかすロナルド・ウィーズリーと、他者には絶対に許さない行い(かぼちゃジュースの指の嘗め飲み)他者には絶対にしない事(膝に乗ってのお食事)を平然としているのに男女の関係を全く意識していないハリエット・ポッターに、どう言ったらお前達は恋人だと気が付いてくれるんだ?
「ドラコ、最近私ロンを見てて気が付いた事があるの。」
セオの発言で思い悩んだ一同の中で、凛とした声でハーマイオニーが発言をする。
「続けたまえハーマイオニー。」セオの意見で席に座って思い悩んでいたドラコは、ロンが見たら
-あ!碇ゲンドウポーズだ-とか、ジャパニーズアニメーションの名前が出た来そうなポージングでハーマイオニーの発言を促す。
彼女はグリフィンドールきっての才女。彼の寮にはロナルド・ウィーズリーというジョークが具現化したようなでたらめ人間が生息しているために、彼女の価値が埋没しかけているが、
見る人間が見れば分かる。
知識の才ならば圧倒的に彼女の方が上なのだと。ロンはその応用が上手く、場面場面で上手く使うから目立つが、その安定性は彼女の方が上なのだと。
その彼女の貴重な意見は、時間が迫っている本会議の貴重な時間を割くに値するはずだと誰もが信じて。
「ロンて、実は思考がかなりのお子様じゃないのかしら?」・・・・・は?
「もっと言えば年相応よりも、こと恋愛とかになるとからっきしでほらあの・・鈍感ガキ大将みたいな?」・・・ホワット⁉
「ハーマイオニー・・それは本当にロンの事を言っているのか?」ドラコは目を点にしながらも果敢に質問をした。
だってあのロンだぞ⁉幾多の素晴らしいアイディアを出して魔法界に新風を吹かせるあの
ロナルド・ウィーズリーの思考がお子様っだったら、今までロンのようなアイディアを出せなかった大人たちの立場は崩壊するぞ⁉
会議室は混乱を極めた。何故ならば出席一同は大なり小なりロンに助けられている。
ドラコアはロンのお陰で一家事闇の道から出る助けのきっかけになってもらった。
ビンセントとグレゴリーは、ロンという仲介人がいなければドラコの友人ではなく、ドラコの取り巻きとして一歩引いてドラコの事を見ていただろう。
ダフネやパンジーもロンがいなければマグル生まれを馬鹿にし、侮辱をしていたかもしれない。
それは半純血やマグル生まれの者達も、ロンとい仲介人があったればこそこの場に集う事が出来ている。
でなければ他寮の生まれも育ちもバラバラの彼等が仲良くなることなぞあり得ないからだ。
それ程の事を平然とやってのけるロンを、お子様呼ばわりされては納得がいかない。
「あのね、私思うの。生まれも育ちも何も考えずに、ロンはただ仲良くなった子と遊びたいだけの無邪気な子供なんじゃないかって。」
いつも気に入った初対面の人間にはきらきらとした眩しい位の笑みを浮かべて挨拶をする。
まるで遊びに誘う子供の様に。
「・・・・そうかもしれない。」ドラコがぽつりと漏らす。
考えてみればこうやって生まれも育ちも関係なく集えるようになれたのは、子供の家があったればこそだ。
確かあれを作るきっかけになったのはロンだが、理由は「大勢の子供達と遊びてえ。」だった。
その子供の家で雇用が生まれたのは「子供だけで心配なら、家にいるじいちゃんばあちゃんに送り迎えをしてもらって、何なら一緒に遊べばいいんじゃねえの?」というロンの発言を、
父上が拾って発展をさせた結果だ。
来期に竣工となった魔法幼稚園だとて、シリウスが外部から凄くて面白い魔法使い達を呼んだのを見て「マグルの幼稚園みたいにしちまえば?そうしたらもっと小さい子達も来やすくなる。
弟・妹沢山出来るみたいで楽しそうだ。」とか言っていたのをこれまた父上達が拾って発展をさせた。
つまるところロンの発言は、楽しそう・面白そうが所以であって、本人は壮大な事を言っているつもりは毛頭なく、単に周りが深読みをして凄い事が出来そうだとアイディアを転がして今にいたり、結果ロンが凄い奴というレッテルが張られてしまっただけなのか⁉
「でもロンが凄い事には間違いはないと思うの。」ハーマイオニーは更に言葉を続ける。
高い魔法能力・危機管理とその対策・主運時に下す判断力は一級品なのには違いない。
問題は中身である。「彼ってそもそも初恋をした事があるのジニー?」
ここは彼をもっとも間近で見て育ったジニーに聞くことにした。
「・・ないと思う。お兄ちゃんんて、よく女の子には優しくとか、重いものを持たせるなとか紳士的だけど、初恋はないと思うの。」だから安心をして兄にべったりとしていられた。
友達が増えても、特別な異性が出来なかったから。
「・・マジかい・・」
「問題はハリエットだけじゃないのかよ。」
「・・お子様二人・・」
「どうすべき・・」
自他ともに認めるブラコンのジニーが言うからには間違いない。おそらくそっちセンサーに引っかかった女の子も皆無だろう。
その言葉に一同溜息をつくしかなかった。
同様に情緒はお子様でまだ思春期にすら入っていないのか。
これはとてつもなく厄介である。
あの天然二人を放っておいても進展は見込めない。
だが!自分達は諦めない!!
「私、義姉さんはハリエットがいい・・」ジニーがぽつりと言う。
自分もハリエットが大好きで、兄同様側で守りたいと思ってスリザリンを選んだ。
そんなハリエットと兄が夫婦になって幸せになって欲しい。
「私も、彼以外は今のところ納得をしませんの。」
「私もね。」
「ロン以外にハリエットの何もかもを任せられる男っていないものね。」
ハリエットのお母さん達こと、ダフネ・グリーングランス、アミル・エレイン、ハーマイオニー・グレンジャーも同意見と真剣な顔をする。
「僕も二人の幸せはそれがいいと思っている。それはこの会議に出席をしている皆がな。
意見はあるか、フローラ、バート。」二人はレイブンクロー、ハッフルパフと寮が違い、そうそう定例会議には出られない。
一体この定例会議は何度目か。きっかけはハリエットのラブレター事件だった。
まさかロンの膝からハリエットをかすめ取ろうとする猛者がホグワーツにいるとは思わなかった。
それまではあの二人はゆくゆくは恋人・夫婦に位の話題でしかなかった。
それがハリエットがモテ始めていると知った二人を応援する一同は焦った!
のんびりと見守っている場合ではない!なんとか恋人くらいの自覚を持ってもらわねば!!
あの手この手をした。スリザリン寮でハリエットが着替え中の部屋にロンを突っ込むという蛮行を敢行して、自分のことを俺と言っいても、ハリエットがまごうことなき少女なのだと自覚させようとした。
流石にシャツを着て、後はスカートを履くという最後のところだが、女子の着替えを見てしまった、男子に見られたとお互いの事をそっちで意識してもらおうと思い、お母さん達が泣く泣く決行をしたというのに!あの鈍感男は!!「ついでに髪も結っておいたぞ。」なんて平然とのたまって、ハリエットといつも通りに笑って大広間に行きやがった!!!
あの無自覚鈍感バカは!!
しかしだ、ここで二人を見捨ててはいけない!二人にはお互いが必要なのだ、生涯を通した伴侶として。諦めたはいけない!!「「「「全ては二人の幸せの為に!!!」」」」
「なあネビル、皆はどこ行っちまったんだよ?」
「僕だけじゃ駄目かなハリエット。」
「いいけど、ロンもいないし。」近頃ロンは忙しそうだ、その上夏休みの計画を皆と立てたいのに、その皆もいないのは何でだろう?
「まあまあもう一杯紅茶をどうぞ。セブ先生は?」
「・・ネビル、君までか。」
「ハリエットが言っているのが良いな~と思いまして。それよりも紅茶は?」
「いい、そこの薬草・ハーブ入りクッキーたのむ。」こんなに愛らしい子供達からニコニコと迫られてはヴォルデモート卿もクィレルも陥落をするわけだ。
ドラコ達が定例会議をしている間はいつもネビルがハリエットとお茶をする。
割合的にはクィレル先生のところが多く、頻繁に天使達に来られて絆されたのだとセブルスは二人の変化のきっかけを理解したのだった。
マイ天使達がわちゃわちゃとしている時に、天使達の守護者はぐったりとしていた。
「これで、先生の行動は自由か。外出の際には俺がいればいいんだな。」
晴れてではない無いが、監視魔法の継続のみで許されたヴォルデモートことネフライトの保護者はクィレルで、監視者はルシウスとダンブルドアとロンとなった。
その内の一人が同伴であれば外出を許可し、万一があればキーワードを唱えれば瞬時に対象者を滅する事が出来る。
また解呪をしようとするか、監視者の誰かが襲われればその情報は残りの者に伝えられ、すぐに対処される。
「・・何で俺なんだよ・・」普通は大人の仕事だろう?
「しゅまぬ・・おれ・・我がきぼうしたのじゃ。」ロンが自分を見張っていてくれると思えば、
再び闇に堕ちようとは思わない。彼のいる光の道の端にでも置いてほしいと思えるから。
「・・分かったよ、その代わりハリエットに気が付かれない様に俺様は禁止だ。」
ハリエットの前で何度も使っているのだから、初対面であるはずの幼児が使っているのは何でだろう、誰かに似ていると勘ずかれては大変困る。
そもそもだ「いい年した奴が俺様って恥ずくないか?」ずっと思っていたことを面と向かって
ネフライトに告げた。
告げられたネフライトはそんな―――――!!と絶叫をして崩れ落ちた。
「私もそう思います。」
「・・すまぬのトム・・お主を大人にしてやれなくて・・」副校長と校長にまで言われた!!
髭爺に至っては哀れんだ眼をしてやがる!!
「ご主人様!しっかり!!」
「ええい!あわちぇるなクィよ!決めたぞ!!これからは俺様を卒業して大人になる!!」
小さな体を必死にそらしてネフライトが宣言をする!!「我と言う事にしよう!!」
・・俺様とどっこいどっこいだけどまあいいか。
「夕飯食ってくる。」
「あらもうこんな時間に、夕食に行かなくては。」
「ネビル、大広間で夕飯だ。」
各自図ったように大広間に夕食を取りに行き、扉の前でばったりと会えた。
「そんで夏休み~。」
「課題が・・」
「どこかの家に始めに泊まりっこ・・」
それぞれの思惑、隠し事を胸に秘めつつも、いつも通りの日常が流れるのであった。
ようやくロナルド・ウィーズリーの内面が書けました。
ハーマイオニーの言う通り、ロン君は幼稚園児のガキ大将と、情緒面は育っていません。
これを発展させるか、別々の恋を描くか筆者も悩みどころです。