ロナルド・ウィーズリーは天使達を助けたい   作:ドゥナシオン

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今季こそは幸せ一杯が合言葉です


穏やかな新学期の始まり

ホグワーツ特急では特筆すべきことは何もなかった。

今年はハリエットの護衛はおらず、ドラコが覚えたての拡大呪文でコンパートメントを広げてくれたので、いつものメンバー+でダフネの妹アストリアがちんまりと座っている。

ダフネもだが妹さんも西洋人形に命を吹き込んだような美しさがある。

おっとりでも、しっかりとしたお母さん気質のダフネと違って、アストリアは物静かな子だった。

考えてみれば妹さんの話は聞いた事があっても、実際にあったのは今年の夏休みで子供の家でしか

会ったことがない。

そう言えばグリーングラス家には血に掛けられた呪いがあると、「それとは違うのよ。」

心配になった俺の顔を見てダフネは早々に否定をした。

どうやら血の呪いではなくて、心臓が弱いらしい。

「マグルの医者行け、アメリカの方が進んでるぞ。」がっくりとした俺は早期手術はないにしても、

さっさと治せと言ってやった。

確かに魔法薬は凄いが、こと内蔵系統の検査やら治療やら、最悪移植が必要ならマグルの方が優れている。

だがそうもいかないのが純血の家系・聖28一族の第三番目の難しいところだと言われた。

マグル共存は呑むにしても、そのマグル式の治療を受けるのは家の恥と言いたいらしい。

阿保らしいというには家の歴史が許してくれんのだろうが、「いつか私が当主になったらアストを

マグルの医者に見せるの。」ダフネが凛とした顔で宣言をしてきた。

そんときは応援と協力は惜しまないと皆で誓った。

マグルの医療も日進月歩。確か2000年代の方がいい治療法がバンバン生まれていた気がする。

アストの体に負担が少ない治療法が確立されている事を祈ろう。

 

当然アストには激しい運動は無しだ。魔法の運用も細心の注意の元で教師が側についてやる事。

飛行術授業はその日の体調を鑑みてやるなど制約は沢山あり、そんなアストの寮は当然の如く

「スリザリン!大事にしてやれ蛇の愛で!!」・・・帽子が個人を応援してはいかんのではないのかと誰もが思ったが、破顔一笑のダフネを見て誰も何も言わなかった。

 

「さて新入生の諸君、および在校生の諸君に告げる!かっこめい!!」

校長お得意の挨拶で始まった。

この時ばかりは各寮に分かれて新入生たちを歓迎するのだが、早々にアストが挨拶に来た。

「よろしくお願いいたします、ロナルドお兄様。」またまた他人行儀な挨拶を。

「ネビルお兄様も、ウィーズリー家の皆様もよろしくお願いします。」優雅な挨拶に、グリフィンドール寮一同和みました~。

ハッフルパフやレイブンクローにいる知り合いにもあいさつ回りをして律儀な子だけど、

「アストリア、いい加減にしないと疲れるぞ。ダフネを見てみろ、ハラハラしながら見てるぞ。」

抱っこをして強制的にスリザリンに帰した。「だって、ご挨拶を・・」

顔を真っ赤にしながら小さい声で礼儀を守りたいというのは可愛いが、「いいかアスト、お前はこれから七年もホグワーツに通うんだ。時間はある、ゆっくりでいい。」

教授がいればアストの体調管理は万全で、マダム・ポンフリーもいる。万一の時にはシリウス呼んで、有無を言わさずにアストをマグルの医者のその道の権威に見せる算段はしている。

ま、本人とグリーングラス家には内緒だけど心配はさせない。

「ロン、アストをありがとう。」

「いいさ、初めての事ばかりで嬉しいんだろう。大丈夫だから怖い顔をするなよセオ。」

「・・・アスト、無茶すんじゃねえ。」どうもセオは初対面からアストリアを気に入っている、

それこそドラコ並みに構って優しくして気遣って・・ってこれってアストに惚れたのかセオよ。

セオドールはいい奴だ。つんけんしながらも、何だかんだと身内の面倒をよく見てくれる、

頼もしい俺の親友だ。

体の弱いアストリアにとってはいい恋人になるかもしれない。

甘酸っぱい青春でいい事だ。皆いつか好きな相手が出来て結婚して家庭を持って家族が出来るのは。

 

ロンがほのぼの未来を予想してアストを優しく見ているのを、ハリエットは顔をへの字にして

面白くなさそうだ。

なんだか面白くない。そんなに優しい顔を自分以外に見せるのは妹のジニーだけにしてほしい。

でもアストは良い子で、体の弱い守る子だ。自分がスリザリンの蛇の愛に守られたように、

今度は自分がアストを守ろうと思うのだが、なんで胸がもやもやするんだろう?分からない。

 

 

 

 

もう駄目だ、腹がいっぱいで動けね。そんな俺達の様子を教授やクィレル先生がにこやかな顔で見ていてくれる。

今季は訳わからん事件での幕開けはなく、穏やかに始まったんだから無理もないか。

よく見ればマクゴナガル先生やハグリッドも、他の先生たちも同じような顔をしている。

 

「さて、諸君の腹は満ちたと思うがどうじゃろう?」

「異議なし!」

「デザートもかっ込みました~。」

「もうステーキも入りません。」

「糖蜜ヌガーも無理っす。」

「明日の朝までもう入りませんよ。」

校長の言葉に元気いっぱいに在校生達は答える。

「よろしい、では今年はいくつかのイベントがある。

去年は残念ながら-ホグワーツのお茶会-は出来ずにガッカリとさせてしもうたが、今年はもっと-大規模-で開催をすることにした。

手はずはもう整っておる。

来週の日曜日に開くのでそのつもりでいるように。」

「大々的な規模とは?」

「勿体ぶらずに教えてください校長!!」

 

ホグワーツのムードメーカーこと、ウィーズリー家の双子のジョージ・フレッドが元気よく好調に質問をする。

ダンブルドアの言う通り、去年はガッカリとしたのだ。その埋め合わせとなる様な大々的なお茶会とはどのような事になるのか知りたい!

「ふぉふぉふぉ~、来週は嫌でも分かるので内緒じゃ。事前準備も真夜中にするので、見ようと寮を出た瞬間に見張りのゴーストにあう手筈にもなっておる。

ペナルティーは次の日のお茶会の出席を禁ずる事じゃ。」

それはかなり厳しめで、やろうとする者はいないだろう。

それ程の綿密に立てられるお茶会が楽しみだ!!

いつものようにそれぞれ勝手な音楽でホグワーツの校歌を歌い、それぞれの寮へと引き上げる。

思い思いの楽しさと期待を胸にしまって。




今季の筆者の合言葉、幸せ一杯青春一杯が目標です。
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