ロナルド・ウィーズリーは天使達を助けたい   作:ドゥナシオン

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ホグワーツ校始まって以来の一大イベントです。


ホグワーツ城のお茶会にご招待

一週間、俺達はじりじりと狸校長の言ったお茶会が来る日を待ちに待った。

あのじいさまは悪い奴じゃなくなった分、茶目っ気たっぷりの企みを嬉しそうにしていたのには、

こいつやっぱり狸校長に決定だ。

でもやっぱり気になる!でも今は勉強が一番だ!!だって来年はOWLの年だぞ!いいOを沢山とって父さん母さんを喜ばしたい。

俺は実技得意でも、筆記はからっきしだ。今からハーマイオニーに勉強を見てもらおう。

 

それでもどんなお茶会になるのか楽しみにして寝て起きてみれば・・外が滅茶苦茶騒がしいぞ!

まさか今年も何か騒動が起きたのか!!もしやの闇の勢力の特攻か⁉

ローブを着たまま談話室を出て外を見てみれば、信じられない光景が広がっていた。

 

なんと大勢の人達で城が埋め尽くされていた。ローブをを来た親子とおぼしき者達、マグルの家族と一目でわかる人達。

誰かの両親や兄弟といった人たちが一堂に会している。

何だこれは、どっからこんな人たちが湧いて出た⁉ホグワーツの守りはどこ行った!人避け呪文があったんじゃないのかい!!

「あ!あなた!!ロンがいましたよ!!!」

「おおロン!もう兄さん達とは会えたぞ。惚けていないで着替えてきなさい、待っている。」

父さん達もいた、よく見ればオーガスタさんがこっちに来ようとして、ディーンの父さんもお母さんもいて、それぞれの家族がいるようだ。・・・一体どうなってんだ?

 

 

「それではこれより、ホグワーツ城の家族お茶会を開催することを宣言する!!」

ひと段落した後に、ダンブルドアは来客・在校生達を一旦大庭に出してソノ-ラスを掛けて宣言をした。

落ち着くのに一時間近くかかった。それも当然だ、魔法族の人達はここ出身で勝手を知ってるが、ハーマイオニーの様に両親マグルの人達は、自分の子の寮を探すのも大変だろう。

それを防ぐために案内の屋敷しもべがいても、その容姿で怖がられて遠慮されるのが普通だろう。

もっと道筋の矢印やらなんやらしてやれよ。それでもここに出席した家族たちと子供たちがきちんと会えたのが凄い。

マルフォイ一家、グリーングラス家・ロングボトム家にビンセント・グレゴリーの家族もいた。

「初めましてロナルド・ウィーズリー君。いつもダフネ達が世話になっている。」

「これからも娘たちをよろしくお願いしますわ。」

グリーングラス家に会うのははじめましてなので、俺もきちんと挨拶をした。

側にハーマイオニーの両親がいても、ダフネの両親は礼儀正しかった。

「ロン!叔父さんや叔母さんとダドリーも来てくれた!!!」

挨拶をそこかしこでしていたら、ハリエットが超嬉しそうな顔で走って・・もとい爆走をして、

突っ込んできやがった。

「分かった、分かった、二週間ぶりですダーズリーさん。」

「おおロン君・・ここはその・・騒がしいな。」

「いつも以上なのは確かです。それでもこの学校はかなり安全になっていますよ。よく見れば

魔法省の警備の人と、子供の家でボランティアをしていてくれている人達も臨時で来ているようです。」周りを見ればキングズリーさんの部下の人達がちらほら見える。

クィディッチ・ワールドカップでの騒ぎが今回起きたら洒落にもなんねえからな。髭校長も、

その辺抜かりないようだ。

だったら俺達がする事はたった一つ!今日は徹底的に楽しもう!!!

ブースはいつも通りだが、配り手には屋敷しもべたちの手と子供の家のボランティアさんたちも手伝ってくれて回転率はよく、待たされることなく楽しめる。

中には持っているカップの中に、飛んできた茶器から注がれるなど面白い方法もあり、ゼリー類や壊れずらいお菓子類はその手が使われて、マグルの人達も楽しませていた。

今回はお茶会だけでは無かった。

なんとホグワーツ出身の親達がボランティアで、マグルの親達をホグワーツ観光と銘打って案内をする企画もあった。

自分達の子の寮を見学し、地下室の教授の魔法薬学作りを見学し、禁じられた森の側まで来て、

ケンタウロスのフィレンツェの挨拶を受けてハグリッドのバックビークを見たりと企画力満載のものだった。

マクゴナガル先生は大広間の中央で、大きなツリーをグリフィンドールの獅子の巨大オブジェに代えて、フリットウィク先生はくりぬいてジャック・オー・ランタンにしたカボチャの中に蝋燭を入れて、薄暗くした会場の中でタップダンスをさせた。

その他にも食べている間に数センチ浮くフィフィ・フィズビーが子供達に人気であったり、

バタービールは作った端から品切れていき、メイン・イベントは各寮のクィディッチ選手が全員召集をされて、準備が出来次第城で一番広い御お庭に出た。

そこはいつもは何もない草原でホグワーツ城の半分はあるのに、大きなコロッセオ型の会場が出来ていた。

ゆうに一万は楽に入りそうで、昨日の夜のうちに作ったって魔法界半端ねえ!!

外から来た家族よりも在学生たちの方がビックリだが!しかしクィディッチが始まればそんなのは関係はない!!

クジで対戦相手は決まり、まず始めはスリザリン対レイブンクローで始まった。

「いけえ!ドラコ・セオ!!頑張れハリエット!!!」

「箒から落ちるんじゃないぞ!」

「あ―――!!ハリエット!!!」ダーズリー家の皆は力の限りハリエットとスリザリンチームを応援している。

今回は危険なブラッジャーは無しで、クァッフルとスニッチのみだがそれでも初めて見る人達からすればスリル満点で、ダドリーは楽しそうに、バーノンさん達はハラハラとしながらも応援をしている。

・・誰が予見しただろう、コチコチマグルと言われていた彼等がハリエットと俺達と魔法を受け入れてくれただけではなく、彼等の言うまともが一切通じない未知の場所にまで来て、ハリエットのクィディッチを応援する日が来るだなんて。

 

彼等は勇気ある人だ。もし万が一魔法界の英雄を虐げていたことが暴露されればただでは済まないのは彼等だって分かっているのに、ハリエットとハリエットが大切にしているもう一つの世界をきちんと知りたいと来てくれたのだから。

魔法族もそうあるべきだ!自分達だけを理解させるのではなく!!マグルの世界に飛び込ませることを!・・いかん、小難しい事は後にしよう。

今年のスリザリンチームのキーパーは何と我が愛しの妹ジニーだ!無駄のない綺麗な動きでゴールを死守し、互いにクァッフルでの得点は入らずに最後はハリエットとレイブンクローのシーカー

チョウ・チャンとのチェイスの末に、指一本差でハリエットとが掴んで勝敗が決した。

父さん達とバーノンさん達が抱き合うようにして大喜びをしてる。

向かいを見てみれば、シリウスとリーマスが辺りを警戒しながら試合を見ていた。

俺の視線に気が付いたのかすぐに隣に来た。

「ようロン、お前は今年もクィディッチはやらないのか?」

「生憎在学中はやらないって一筆を書いているんでな。」

「勿体ないなロン君上手いのに。お久しぶりです、アーサー、モリー。

ダーズリー家の皆さんとお見受けします、初めましてですね。

僕はリーマス・ルーピンと言います。いつもハリエットと仲良くさせていただいています。」

ニコニコしながら父さん達の次にバーノンさん達にさらりと挨拶しやがったよ。

近頃は変態度合いは低くなったが、やたらべたべたしてくる。おかげでポッケの中のスキャが落ち着かなくて迷惑だよチクショウが。

でもこれでシリウスも挨拶をしやすくなったかな。

「・・・・・初めまして、俺はシリウス・ブラックだ。本当ならもっと早くにあんたたちに挨拶をしないといけなかったが、遅くなって申し訳ない。」

 

シリウス・ブラックがどう見てもマグルの一家にきちんと頭を下げた事でプチ騒動になったが無視だ無視。

バーノンさん達は本気で恐縮をして、魔法族が大勢いる中で自分達の罪を懺悔しようとしたのを、

ルシウスさんが本気で爆走してきてバーノンさん達を他室に埒って事なきを・・得てねえか。

何せこれぞ貴族を絵にかいたようなお人が、遠目から状況を察して鬼の形相で爆走をしてきて、これまた焦った声でリジーを呼んで、何の説明もなく複数の屋敷しもべも連れてシリウス・ブラックとマグル一家を埒ったんだから、明日の日刊予言新聞に載んなきゃいいが。ルシウス・マルフォイご乱心とか。

一応マスコミ関係は弾いているらしいが、大丈夫だろうか?

 

 

俺と父さん達は様々な心配をしながらもグリフィンドール対ハッフルパフを観戦し、俺達の応援届かずに、120対130でハッフルパフが辛くも勝利をした。

「去年の続きをしようセドリック・ディゴリー!」

「負ける気はしないよハリエット・ポッター!!」

両雄が上空で咆え合い、蛇対穴熊の試合は始まった。-バチン!!!-

「・・間に・・あった・・頑張りなさいドラコ!!待たせてすまなかったシシ―。」

「っ頑張れハリエット!!!優男に負けんな!!!」

「怪我すんなよ!!」

「負けるなハリエット!!」

「勝つのよハリエット――!!」

試合開始と同時に姿くらましが爆裂音を発して数名が姿を現し、誰も姿現し酔いをせずにすぐさまにハリエット達応援するって、バーノンさん達凄くね?魔法族でも酔う人いるのにタフだな~。

ルシウスさんなんて応援+ナルシッサさんとすかさずにイチャコラするってすごくね?

でも今回は俺もハリエット達の方を全力応援だ!

それでもセドリック・ディゴリーの腕は一流で、テクニックと経験の差で惜しくもスリザリンは敗れたが、両チームはピッチの真ん中で高々と箒の柄を上げて互いのチームの健闘を讃え合い、その二チームに、グリフィンドールとレイブンクローも続き素晴らしい終わり方を迎えた。

 

 

 

 

「叔父さん達もう帰るのか?」丁度日も暮れたのでダンブルドアの挨拶でそれぞれ列車に乗ったり、ホグズミードまで出て煙突ネットワークで帰ったり、ポードキーで帰るものと様々だ。

「うむ、今年は何事もない年にするとシリウス・ブラックさんが言っていたな。

彼は素晴らしい名付け親だった。」

「叔父さん!!その・・シリウスと・・」

「ああ、ルシウスさんの計らいで静かな部屋できちんと話し合いが出来た。あの人は許してくれた・・それでも・・すまなかったハリエット・・儂らを嫌わないでくれて、ありがとう・・・本当に・・」

「・・俺だって今は叔父さんのこと好きだ!叔母さんもダドリーも!家族なんだ・・俺の家族なんだよ!!!」

初めてのバーノンの正面からの謝罪に、ハリエットは堰を切ったように心に仕舞っておいて、言えなかった言葉と己をバーノンの巨体にぶつけてしがみつく。

 

はじめは嫌いだった、いつか殺してやるとも思った。ロン達に助けられた後は無視をしようとも思った、でもできなかった!

魔法族の子が育つ時の魔力の暴発でのあらゆる危険を知り、そんな怖ろしい自分を魔法が全く使えない、まして押し付けられたほぼ赤の他人の自分を夫婦が長年育ててくれたのは奇跡なのだと思ったから。

少しずつ歩み寄った、何かをし合う度にお礼を言うところから始めた、手紙もルシウスさんを一度通してマグル式で送ったりもした。

そうしたら一昨年から距離は一気に詰まった、この人達と本物の家族になりたいと。

だから、面と向かって今までの痛かった事を、きちんと謝る勇気のある叔父さん達に押されるように、胸の中の言葉を表に、叔父さん達に伝えられた。

バーノンは無言でもハリエットを抱きしめ、涙を流して何度も頷き、ペニチュアとダドリーもハリエットを包み込む。

四人で本当の家族になろうと。

 

 

 

 

 

 

「いい一日だった。」素晴らしいと言っても過言じゃない程の良い一日だった。

来年もぜひやって欲しい。

「それにしてもパパ達ったら私に何にも言っていなかったのよ。」おかしいと思ったとハーマイオニーが少しふくれつらをしてる。

確かにとドラコ達も頷く、俺もだけど。

夏休み前に、去年のホグズミード許可書の様に、必ず保護者に見せるように、生徒は見てはいけないと封印魔法も一つ一つ掛けられていた。

その中身は今日知った、お茶会への家族招待状で、参加・不参加・通っている子の寮・参加人数と保護者か兄妹かを記せば、ホグワーツにセットをされていた羊皮紙にリストアップを自動的にされる仕組みだったようだ。

俺達を驚かせるための仕込みだったようで、なんとも壮大で、茶目っ気たっぷりで楽しい仕掛けだった。

来年は堂々とやると言っていた、それともう一つのイベントが発表されたがそっちはまだ先だからいいや。

ハリエットとバーノンさん達も良い事尽くめで、「今年は徹底的にハリエットたちの邪魔をしそうな奴等を見つけてボコるぞスキャ。」

「ち!っち!ちゅう!!(合点だロン!俺もあいつ等可愛い!!今年こそは穏やかな一年を!)」

相棒と共に、天使達の一年を守ろうと気炎を上げて眠りの底へと落ちてった、流石にくたくただ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴドリック・・サラザール・・・ヘルガ・・・・とうとう・・」

「そうだロウエナ・・我等の夢が遂に適ったのだ・・」

「あの子供をきっかけに・・我等の見し夢が現実となってくれた。」

「何と素晴らしい事でしょう・・」

ホグワーツ四大始祖達はむせび泣きながらお茶会を見ていた。

ホグワーツを介して、魔法族と純粋なマグル達が同じ場で共に笑い合う・・1000年待った甲斐があった!何と素晴らしい光景だったろうか、また来年もこの素晴らしいお茶会をすると現校長が確約をしていた。

このお茶会のきっかけ「頑張ってくれたことを感謝しよう、若き炎の獅子の子よ。」

ロナルド・ウィーズリーに、そして彼の影響を受けて同じような素晴らしさ広めてくれる、

全ての者達に感謝してもし足りない四人だった。




バーノンさん達がようやく名付け親と和解が出来ました。

矛盾点報告マン様と学生食堂様からのご指摘でOWLの時期を訂正させていただきました。
ありがとうございました。


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