「ってなわけで教授、俺はどうしてこんなにも腹が立つんだ?」
ハリエットだって断られていた女子達を擁護して言ってきただけだろうに、何故かハリエットだけに言って欲しくはなかった。
ロンといつものように呼んできてこのタイミングならダンスパーティーの話かと思っていたら・・
「まあ確かにダンスパーティーの話ではあったけどさ・・」ハリエットは俺が誰と踊ってもいいと思っているのだろうか?
「・・・・・・・・・そんな話を私にして、私にどうしろと?」
セブルスはこめかみをひくつかせながらロンに絶対零度ヴォイスで聞き返す。
こんな薄暗い地下室で!甘酸っぱい青春話をどうしろと!!
「いや・・・なんで苛々するのか分からなくて・・」はあ~。
「一度ハリエット・ポッターの事をどう思っているのか真剣に考えてみたまえ。」自分が言えるのはここまでだ。
「分かった・・騒がせたな教授。今度鍋洗いを手伝うよ。」
「いらん、それよりもハリエット・ポッターに魔法薬学を教わりたまえ。
彼女の方が君よりも遥かに成績がいい。」
「はは・・俺実技が一番で細かいのてんでだもんな。」毎回赤点ギリギリだ。
「来年のOWLの為にもハリエット・ポッターかハーマイオニー・グレンジャーにでも師事をしておきたまえ。」
「ドラコでもいいだろう教授。」あいつは面倒見がとってもいい。
「その代わり実技は俺が教えてお相子だ。」
「・・そお言う発想はすぐに出る癖に・・」何故に-そっち方面-が全く育っていないのか謎だ。
「もう行きたまえ、夕食に遅れるぞ。私も片付けたらすぐに行く。」
「分かった。ありがとな教授、話を聞いてくれて。」
パタパタと行ってしまった。
ぶっ飛んだところは多々あり、発想も魔法界の常識が引っくり返る事ばかりの凄腕魔法使いが、
何故中身が子供のままなのかと頭が痛くなってくる。
きっとロンは・・いやハリエットもそうかもしれない。
「・・・似た者同士か・・」
お互いに凄い事が出来る子供のままの二人。
きっと今頃ドラコ達も自分と同じ理由で頭を痛めているだろう。
ロンに怒られたハリエットを慰めつつ。
様々事を考えつつ大広間に行ってみれば、大広間がピリピリと・・いや戸惑いの空気が流れている。
何事かと見回してすぐに分かった、ハリエットがスリザリン寮の者達に囲まれてグすぐすと泣きながら食べていて、そんな状況をロンが放って置いているという、ホグワーツの全生徒否!全在校生及び教職員及びゴースト達と屋敷しもべ達が驚くような光景だ。
あのハリエット・ポッターに激甘なロナルド・ウィーズリーが!この状況を放って置くだなんて!!
「お兄ちゃん!ハリエットが!!」
「ロナルドお兄様!!」
可愛い妹のジニーと、これまた可愛いアストリアが懇願をしてもなしのつぶて。
かくしてあり得なホグワーツ生活の幕開けとなってしまった。
二人の難しいお年頃のお話でした。