1 転生
輪廻転生という単語をご存知だろうか?
ヒンドゥー教や仏教などの東洋の宗教に関係する単語で、死んであの世に還った霊魂が、この世に何度も生まれ変わってくることを言う。
小説や漫画の二次創作では異世界トリップなどと並んでメジャーなジャンルだが実際に信じている人は信心深い人を除いて日本では少ないだろう。
だがわたしは信心深い人間でもないのに信じている。
と、言うよりも信じざるを得ないと言った方が正しい。
何故なら…わたしは今あの有名な童実野町にいるのだから。
今から四年前、わたしは死んだ。
別に子供をかばって車に轢かれた訳でも神様のミスで殺された訳でもない。
単に遊戯王のアニメの展開について考え事をしていて赤信号に気付かず渡ってしまいトラックに撥ね飛ばされたのだ。おそらく即死だったのだろう。痛みも感じず意識を失ったわたしが最後に考えていたのは「アニメ見れないなぁ」という阿保なことだった。
そして、全てが暗闇に包まれ、気がつけば知らない建物の中にいた。
周囲はざわざわと騒がしく、壁際にはショーケースが並んでいて、カードが飾られている。どうやら何処かのカードショップらしい。自分は死んだはずなのにどうしてこんな所にいるのかぼんやりと考えていると、小学生ぐらいの男の子達が数人わたしのいる方にドタバタと走ってきた。
通路の幅は一メートルもなく、男の子達は走る速度を落とそうともしない。
避けることもできずわたしは衝撃に備え、目を閉じ手で体を覆った。
しかし、何秒経っても衝撃が訪れない。不思議に思いそろそろと目を開けてみると確かにそこにいたはずの男の子達がいない。
周りを見渡すと男の子達は何事もなかったかのようにレジで店員さんと話している。
何が起きたのかわからなかったわたしはとりあえず男の子達に話しかけようとその中の一人の肩に手を置いた。
正確には手を置こうとした。
何故言い直したかというと手が肩をすり抜けてしまったからだ。
「え?あれ?何で!?」
混乱して一人で騒ぐわたし。
その声も聞こえないようで男の子達はこちらを見向きもしない。
「やっぱり死んで幽霊になっちゃったのか、確かに未練あるけどさ、その未練が彼氏いない歴=年齢とかじゃなくてアニメ見れなかった事とか阿呆すぎるよぅ」
と若干落ち込んでいるわたしだったが店の隅に置かれている鏡がふと目についた。
「どうせ映らないんだろうなぁ」
と思いながら覗きこんでみるが、予想に反してそこには一人の少女が映っていた。
しかし、それは見慣れたわたしの姿ではなく
「水霊使いエリア?」
霊使いと呼ばれるモンスターの内の一体の姿だった。
どうやら幽霊ではなく精霊になってしまったようです。
とりあえず一話が完成したので投稿。
続きは完成次第投稿します。
誤字、脱字等ありましたらご指摘下さい。