「やっぱりこのカードは抜いたほうがいいか?」
「ああ、ジェムナイトは通常モンスターやデュアルモンスターが多く含まれているからな。それらのサポートカードを入れたほうがいいだろう」
現在、俺は自室で三沢とデュエルをしてはデッキ調整をするということを繰り返している。
初日の新入生歓迎会で意気投合した俺たちは夕食後毎日のようにデッキ調整をしていた。
因みにエリアは最初の頃は俺の後ろから自分の意見を言っていたが、飽きたのか最近は精霊術の修行をすると言って何処かに出かけている。
一時間ほどデッキ調整とデュエルを繰り返した頃、三沢が
「さて、俺はそろそろ自室に戻るよ」
と言うので机の上の時計を確認してみると、既に消灯時刻の三十分前だった。
「もうこんな時間か。明日の授業の予習もしなきゃいけないしちょうどいいか」
「ああ、此処がデュエルアカデミアとは言え基本五教科ぐらいはしっかり身につけておかないとな」
「じゃあまた明日」
「ああ、また明日」
さて、俺も明日の予習したら寝るか。
ドンドンドンッ
「大変だ荘太っ!!翔が拐われたっ!!」
………予習は諦めるか。
詳しい話を聞いた後、俺は十代と一緒にボートを漕いで女子寮前の船着き場まで来ていた。夜間の外出ということで教師や警備員に見つかると厄介なので警戒して隠れながら移動したせいでもう12時近い。
で、翔を誘拐した犯人はというと………
「明日香、お前にそんな趣味があったとは知らなかったよ」
そう、犯人は明日香とその取り巻きの二人枕田ジュンコと浜口ももえだった。
「そんな趣味ある訳ないわよ!こいつが女子寮の風呂場を覗いたから捕まえたの!!」
「これが学校側にバレれば退学ですわ!」
「だから覗いてないってば!僕は無実だーっ!」
………翔にそんな度胸ないと思うんだが無実の証明も難しいしな……どうやって助けるかな。
「ねぇ、あなた達、私達とデュエルしない?もし私達に勝てば、風呂場覗きの件は見逃してあげるわ」
「だから覗いてないって言ってるのに!」
「なんだか良くわからないけどまぁいいや、そのデュエル受けて立つぜ!」
あれ?打開策を考えてる間に話が進んでるし。ていうか『あなた達』ってことは俺もか?
そのことを指摘してみると、
「ええそうよ。私達とあなた達、それぞれ三人でちょうどいいし二本先取のチーム戦といきましょう」
デュエルで解決できるような問題じゃないと思うんだけど、まああっちがそれでいいなら俺が気にする必要はないか。
調整したデッキの回り具合を見るのにもちょうどいいしな。
デュエルの順番は早くデュエルがしたい十代が先鋒、次鋒が俺、翔が大将ということになった。
「じゃあ行ってくるぜ」
「頑張れよ、十代」
「兄貴、頑張るっス」
「「デュエル!」」
さて、十代と明日香がデュエルしてる間に翔には何で女子寮にいたのか聞いとかないとな。
「……ということなんだ」
「………………」
なんというか、想像以上にアホな理由だった。
「………翔」
「な、何っスか?」
「偽ラブレターに釣られたのは男だし仕方ないとしよう。でも何で宛名が十代だってことに気付かない!?」
「だ、だって僕ラブレター何て生まれて初めて貰ったから舞い上がっちゃったんスよーっ!?」
ヘッドロックをかける俺に弁明する翔。
「サンダー・ジャイアントでダイレクトアタック!『ヴェイパースパーク』!」
「きゃあああっ!」
そんなことをしてる間に十代対明日香のデュエルは十代の勝利で終わった。あちら側では明日香が敗れたことに驚いているみたいだけど、何度かデュエルして十代の此処ぞという時の引きの強さを知っている俺にとっては別に驚くことではない。
「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ」
さて、次は俺の番だな。
「頑張れよ荘太」
「荘太君。一気に決めるっス。そして僕の無罪を証明して欲しいっス」
翔、お前の不注意がこの事態を引き起こしたことわかってるのか?
……よし、翔にも頑張ってもらうか。
「次はアタシが相手よ。かかって来なさい!」
「枕田だっけ?ちょっといいか?」
「何?いまさら怖じ気づいたの?」
「いや、そうじゃ無い」
「じゃあ何よ?」
「二人ずつ残ってるんだからどうせならタッグデュエルにしないか?」
俺の言葉に後ろの翔が驚愕の声をあげる。
「荘太君!?いきなり何言い出すんスか!?」
今は無視だ。
「………いったい何を企んでいるの?」
「別に何も。理由を挙げるならここで俺が勝って翔が何もせずに許されるのは良くないからだな」
「アンタ達友達じゃないの?」
「友達だからだよ。一度他人に頼ると頼りぐせがついてしだいに自分一人じゃ何もできなくなる可能性があるからな」
「荘太君……僕のことを考えて……」
「そういうことなら、いいわ、その申し出受けてあげる。ももえ、いいわね?」
「ええ、わたくしもよろしいですわ」
……まあ、理由の半分は遅くに呼び出された怨みなんだが言わないでおこう。
タッグデュエルをするには狭いので俺達は今はボートを降り、岸に立っている。既にデッキはデュエルディスクにセットされており、開始の合図を待っている。
「ライフポイントは共有で8000、フィールド・墓地も共有、パートナーの伏せたカードは自分も使用可能、最初のターンは全員攻撃不可。このルールに異存はあるか?」
俺の最終確認に首を振るやつはいなかった。
「「「「デュエル!!」」」」
俺のディスクが告げた数字は4。俺が行動できるのは全員が行動した後らしい。
「一番はわたくしですわね。ドロー」
ももえ:手札5→6
「わたくしは《デス・ウォンバット》を召喚」
デス・ウォンバットATK1600
相手のフィールドにずんぐりした獣が現れた。
確か自分への効果ダメージをゼロにする効果を持ってたな……バーンデッキか?
「《黒蛇病》を発動してさらにカードを一枚伏せてターンエンドですわ」
ジュンコ&ももえ:場、デス・ウォンバットATK1600、黒蛇病、伏せ1
ジュンコ:手札6
ももえ:手札3
黒蛇病か……早めに破壊しとかないと厄介なカードだな。
「僕のターン。ドロー」
翔:手札5→6
さて、翔のデッキは確か……
「《スチームロイド》を召喚!」
スチームロイドATK1800
機関車に顔の付いたモンスターが現れた。
………エリアならトー○スとか言いそうだな。
やっぱりロイドデッキか……って
「翔……俺、最初のターンは誰も攻撃できないって始める前に確認したよな?」
「あ」
おい。
「だ、大丈夫、罠で守るから。カードを一枚伏せてターンエンド」
荘太&翔:場、スチームロイドATK1800、伏せ1
荘太:手札6
翔:手札4
罠ってバラすなよ……。
大丈夫なのか?頭痛がしてきた……。
「アタシのターン。ドロー」
ジュンコ:手札5→6
「スタンバイフェイズに黒蛇病の効果でお互いに200ポイントのダメージを受ける。ただしアタシ達はデス・ウォンバットの効果でダメージを受けないけどね」
荘太&翔:LP8000→7800
俺と翔の足元に黒い蛇が出現し、足に噛み付く。
「続いて魔法カード《サイクロン》を発動。その伏せカードを破壊するわ」
「ああっミラーフォースがっ!?」
そりゃ破壊されるわな。
「そして《グリズリーマザー》を召喚してターンエンドよ」
グリズリーマザーATK1400
枕田のデッキは【水属性】か。
ジュンコ&ももえ:場、デス・ウォンバットATK1600、グリズリーマザーATK1400、黒蛇病
ジュンコ:手札4
ももえ:手札3
「やっと俺のターンか。ドロー」
荘太:手札5→6
まずは準備だな。
「俺は《ジェムレシス》を召喚」
ジェムレシスATK1700
現れたのは黄土色のモンスター。
アルマジロをモデルにしているくせに守備力の三倍近い攻撃力を持つ変わったモンスターだ。
「召喚に成功したジェムレシスの効果発動。デッキからジェムナイトと名の付いたモンスター一体を手札に加える。《ジェムナイト・オブシディア》を手札に加え、《凡骨の意地》を発動しカードを一枚伏せてターンエンド」
荘太&翔:LP7800、場、スチームロイドATK1800、ジェムレシスATK1700、凡骨の意地、伏せ1
荘太:手札4
翔:手札4
「わたくしのターン。ドロー」
ももえ:手札3→4
このターンから攻撃可能な訳だが、どう動く?
「スタンバイフェイズに黒蛇病の効果で400ポイントのダメージを与えますわ」
荘太&翔:LP7800→7400
始めのうちは小さなダメージでもほっとくと倍々に大きくなりやがる。これが黒蛇病の厄介なところだな。
「《コアラッコ》を召喚」
コアラッコDEF1600
顔がコアラで体がラッコのモンスターが現れた。………結局コアラなのか?ラッコなのか?
「コアラッコの効果を発動しますわ。一ターンに一度このカード以外の獣族モンスターが自分フィールド上に存在する場合、相手モンスター一体の攻撃力をエンドフェイズまで0にできますわ。スチームロイドの攻撃力を0にします」
スチームロイドにモフモフの体を押し付けるコアラッコ。すると、スチームロイドがふにゃふにゃになった。スチームロイドは何だか幸せそうな顔をしている。モフモフの体で相手を癒して力を抜くってことか?
スチームロイドATK1800→0
「デス・ウォンバットでスチームロイドを攻撃しますわ」
「うわあっ、助けて荘太君!」
仕方ない、この攻撃を受けるとヤバイし助けてやるか。
「罠発動!《マジカルシルクハット》自分のデッキからモンスター以外のカード二枚を攻守0のモンスター扱いとして自分フィールド上のモンスターと合わせてシャッフルし裏側守備表示でセットする。デッキから二枚の《ジェムナイト・フュージョン》をモンスター扱いとしてスチームロイドと合わせてシャッフルしセット」
シルクハットが三つ現れ、内一つにスチームロイドを、他二つにジェムナイト・フュージョンを隠す。
「ありがとう、荘太君」
軽く手を振って翔に応え、浜口に向き直る。
「モンスターが増えたことで戦闘の巻き戻しが発生する」
「でしたら攻撃対象をジェムレシスに変更しますわ」
なに?
「ダメージステップ開始時に罠発動!《幻獣の角》。発動後このカードは獣族または獣戦士族モンスターの装備カードとなりその攻撃力を800ポイントアップさせますわ」
デス・ウォンバットにヘラジカのような角が生える。角がデカくて重そうだな。
デス・ウォンバットATK1600→2400
その攻撃力はジェムレシスのそれを上回っている。最初は抵抗したジェムレシスだったが結局突き飛ばされ、攻撃力の差700ポイントが俺達のライフポイントから引かれた。
荘太&翔:LP7400→6700
「さらに装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、自分のデッキからカードを一枚ドローしますわ」
ももえ:手札3→4
「マジカルシルクハットでモンスター扱いとして出されたカードはバトルフェイズ終了時に破壊される」
フィールドからシルクハットが消え隠れていた裏側守備表示のモンスターが残る。
「さらに魔法カード《シールドクラッシュ》を発動。裏側守備表示のモンスターを破壊しますわ」
結局破壊されちまったか。
「これでターンエンドですわ」
ジュンコ&ももえ:LP8000、場、デス・ウォンバットATK2400(幻獣の角を装備)、コアラッコDEF1600、グリズリーマザーATK1400、黒蛇病
ジュンコ:手札4
ももえ:手札3
「僕のターン。ドロー」
翔:手札4→5
「《ジャイロイド》を守備表示で召喚。カードを二枚伏せてターンエンド」
ジャイロイドDEF1000
荘太&翔:LP6700、場、ジャイロイドDEF1000、凡骨の意地、伏せ2
荘太:手札4
翔:手札2
「アタシのターン。ドロー」
ジュンコ:手札4→5
「スタンバイフェイズに黒蛇病の効果発動。アンタ達に800ポイントのダメージを与えるわ」
荘太&翔:LP5900
「アタシはフィールド魔法《海》を発動!その効果で魚族、海竜族、雷族、水族は攻守が200ポイントアップし、機械族、炎族は攻守が200ポイントダウンするわ」
ソリッドビジョンによって周囲が大海原へと変わる。
ジャイロイドDEF1000→800
「僕のジャイロイドが錆びちゃった!?何てことするんだ!」
………翔、デュエルなんだから我慢しろ。それはともかく、何故に海?
「何でアトランティスじゃないんだ?」
疑問に思ったので聞いてみる。
その答えは、
「持ってないんだからしょうがないでしょ」
………さいですか。
「何同情してんのよ!アタシはマーメイド・ナイトを召喚!」
マーメイド・ナイトATK1500→1700
「これで終わりよ!コアラッコを攻撃表示に変更してまずはグリズリーマザーでジャイロイドを攻撃!」
「残念でした!ジャイロイドは一ターンに一度、戦闘では破壊されないよ!」
「っ!だったらマーメイド・ナイトでジャイロイドに攻撃!」
「罠発動!《スーパーチャージ》。このカードは自分フィールド上にロイドと名の付いた機械族モンスター以外にモンスターが存在しない場合、相手モンスターの攻撃宣言時に発動でき、デッキからカードを二枚ドローする」
翔:手札2→4
翔がドローした後、ジャイロイドがマーメイド・ナイトに斬り裂かれた。
「マーメイド・ナイトは海がフィールドに存在する時一度のバトルフェイズで二回攻撃ができる。マーメイド・ナイトでダイレクトアタック!」
マーメイド・ナイトが翔へと斬りかかる。助けてやりたいが今の俺にはどうしようもない。
「うわああぁぁっ!?」
荘太&翔:LP5900→4200
ソリッドビジョンて分かってても剣で斬られるのは怖いよな。
「罠発動!《ダメージ・コンデンサー》。手札を一枚捨てて受けたダメージ以下の攻撃力を持つモンスター一体をデッキから攻撃表示で特殊召喚する。《ユーフォロイド》を特殊召喚するよ」
ユーフォロイドATK1200→1000
ユーフォロイドか、この状況では後続を呼べるこいつがベストかな。
「デス・ウォンバットでユーフォロイドに攻撃!」
壮太&翔LP4200→2800
「幻獣の角の効果でドロー」
ジュンコ:手札3→4
「戦闘で破壊されたユーフォロイドの効果も発動するよ。デッキから攻撃力1500以下の機械族モンスター、《エクスプレスロイド》を守備表示で特殊召喚」
エクスプレスロイドDEF1600→1400
「エクスプレスロイドが特殊召喚に成功したことで効果発動!墓地に存在する、ロイドと名の付いたモンスター二体を手札に加える。スチームロイドとジャイロイドを手札に加える」
翔:手札3→5
「カードを一枚伏せてターンエンドよ」
ジュンコ&ももえ:LP8000、場、デス・ウォンバットATK2400(幻獣の角を装備)、コアラッコDEF1600、グリズリーマザーATK1400マーメイド・ナイトATK1700、海、黒蛇病、伏せ1
ジュンコ:手札3
ももえ:手札3
まさか二ターン目を迎えるまでにライフが3000を切るとは思ってなかったな。
「俺のターン。ドロー」
荘太:手札4→5
「俺がドローしたのは通常モンスター《ジェムナイト・サフィア》よって凡骨の意地で再びドロー。そしてこれも通常モンスター《ジェムナイト・ガネット》よって再びドロー」
荘太:手札5→7
「一気に手札を三枚も増やすなんて結構やるじゃない」
「この程度で驚くのは早いぜ。魔法カード《ライトニング・ボルテックス》発動!手札一枚をコストに相手フィールド上の表側表示のモンスターを全て破壊する!」
上空に発生した黒雲から雷が相手フィールド上に落ちて相手モンスターを全て破壊した。
「ライ○イーン!」
………今エリアの声が聞こえたような?
辺りを見回してみたが目的の人物は見つからず、何故か翔がひっくりかえっていた。
「………何やってんだ?」
「フィールドが海なのにあんなカード使われたからびっくりしたんだよ!」
たしかにソリッドビジョンのせいで凄い迫力だったけど泣く程怖かったのか。
まあ、気を取り直して、
「墓地に存在するジェムナイト・フュージョンの効果発動。墓地に存在するジェムナイト・サフィアを除外して手札に加え、発動。手札のジェムナイト・ガネットとジェムナイト・オブシディアを融合!堅き意思が宝石に万物を砕く拳を与えん。融合召喚!粉砕せよ!《ジェムナイト・ジルコニア》!」
ジェムナイト・ジルコニアATK2900
銀色の巨大な騎士が現れる。その最大の特徴は大きな腕と宝石の拳である。
「さらに手札から墓地に送られたオブシディアの効果発動。墓地に存在するレベル4以下の通常モンスター一体を特殊召喚する。蘇れジェムナイト・ガネット!」
ジェムナイト・ガネットATK1900→1700
「そして《ジェムナイト・アンバー》を召喚」
ジェムナイト・アンバーATK1600→1800
「まずはジルコニアでダイレクトアタック!」
全部通れば相手のライフを残り1400まで削れる!
「罠発動!」
っ!?しまった!攻撃反応型の罠か!?
「《リビングデッドの呼び声》。アタシの墓地に存在するモンスター一体を攻撃表示で特殊召喚する。アタシはグリズリーマザーを特殊召喚するわ」
グリズリーマザーATK1400
危なかった……《魔法の筒》だったら終わってた。
「なら、ジルコニアでグリズリーマザーを攻撃!『ジルコン・インパクト』!」
ジルコニアがその拳でグリズリーマザーを叩き潰し、その余波が枕田と浜口のライフを削る。
ジュンコ&ももえ:LP8000→6500
「グリズリーマザーの効果発動!デッキからグリズリーマザーを攻撃表示で特殊召喚」
グリズリーマザーATK1400
「ガネットでグリズリーマザーを攻撃!『ブレイズブロー』!」
ガネットの右拳が炎に包まれる。………フィールドが海なせいでちょっと弱火なのが物悲しい。
ジュンコ&ももえ:LP6500→6200
「グリズリーマザーの効果でグリズリーマザーを特殊召喚」
グリズリーマザーATK1400
またそいつかよ。
「アンバーでグリズリーマザーを攻撃!『エレクトリックナイフ』!」
電気をナイフにしてグリズリーマザーに投げつける。
ジュンコ&ももえLP6200→5800
これでグリズリーマザーは尽きた訳だが………何がくる?
「《ヒゲアンコウ》を特殊召喚」
ATK1500→1700
ダブルコストモンスターか。だったら今のうちに潰しとくか。
「速攻魔法《デュアルスパーク》!自分フィールド上のレベル4デュアルモンスター、ジェムナイト・アンバーを生贄にしてヒゲアンコウを破壊し、デッキからカードを一枚ドローする。さらに魔法カード《馬の骨の対価》を発動。自分フィールド上の効果モンスター以外のモンスター、ジェムナイト・ガネットを墓地へ送りデッキからカードを二枚ドローする」
………よし。
「墓地に存在するジェムナイト・フュージョンの効果でオブシディアを除外して手札に加え、カードを一枚伏せてターンエンド」
荘太&翔:LP2800、場、ジェムナイト・ジルコニアATK2900、エクスプレスロイドDEF1400、凡骨の意地、伏せ1
荘太:手札3
翔:手札5
「わたくしのターンッ。ドロー!」
ももえ:手札3→4
ライフはまだあるけど場は完全に俺達が有利だからか焦りが見えるな。
「黒蛇病の効果でお互いに800ポイントのダメージを受けますわ」
「これ以上くらってたまるか!罠発動!《サンダー・ブレイク》手札のジェムナイト・フュージョンをコストに黒蛇病を破壊する!」
「わたくしは《レスキューキャット》を守備表示で召喚し、カードを二枚セットしてターンエンドですわ」
ジュンコ&ももえLP5800、場、レスキューキャットDEF100、海、伏せ2
ジュンコ:手札3
ももえ:手札1
「僕のターン。ドロー!」
有利になったからか翔の雰囲気がさっきまでより明るくなっている。
翔:手札5→6
「僕がドローしたのは通常モンスター《サイクロイド》よって凡骨の意地の効果でドロー」
翔:手札6→7
「このカードは………」
?翔のやつ何を引いたんだ?
「翔、どうかしたのか?」
「っ!?な、何でもないよ!?僕は魔法カード《融合》を発動!手札のジャイロイドとスチームロイドで《スチームジャイロイド》を融合召喚!」
スチームジャイロイドATK2200→2000
「スチームジャイロイドでレスキューキャットを攻撃!『ハリケーン・スモーク』!」
スチームジャイロイドの煙突から噴き出した煙がレスキューキャットを覆い隠し、そこにスチームジャイロイドがプロペラを回転させて突っ込んで行った。
そして煙が消えるとレスキューキャットは………無傷、だと!?
「何でレスキューキャットが破壊されてないのさ!?スチームジャイロイドの攻撃は当たった筈なのに!」
「罠カード《和睦の使者》の効果ですわ。このターン相手モンスターから受ける全てのダメージを0にし、モンスターも戦闘では破壊されなくなりますわ」
「うぅ……僕はカードを二枚伏せてターンエンド」
荘太&翔:LP2800、場、ジェムナイト・ジルコニアATK2900、スチームジャイロイドATK2000、凡骨の意地、伏せ2
荘太:手札2
翔:手札2
「アタシのターン!ドロー!」
ジュンコ:手札3→4
「ももえ!あなたのカード使わしてもらうわよ!《リビングデッドの呼び声》発動。ヒゲアンコウを特殊召喚!」
ヒゲアンコウATK1500→1700
ちっ結局復活しやがったか。
「ヒゲアンコウを生贄に、《海竜
-ダイダロス》を召喚!」
海竜-ダイダロスATK2600→2800
ダイダロスだと!?
「最上級モンスターを生贄一体で召喚だって!?」
「翔、ヒゲアンコウは水属性モンスターの生贄召喚に使われるとき二体分の生贄に使えるんだ。ダブルコストモンスターはテストにも出ることがあるだろうから覚えといた方がいいぞ」
「何人の台詞取ってんのよ!アタシはダイダロスの効果発動!フィールド上に存在する海を墓地へ送り、このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する!」
ダイダロスの起こした大波がフィールド上のカードを押し流して行く。波が引いた時に残って居たのはダイダロスだけだった。
「僕達のモンスターが……」
くそっ、もし特殊召喚モンスターとか握ってたら終わっちまうぞ。
「ダイダロスでアンタ達にダイレクトアタック!」
ダイダロスが水のブレスを横薙ぎに吐いて攻撃してくる。つか、ソリッドビジョンって分かっててもこれは怖いわ。
荘太&翔:LP2800→200
「くそっ、二人纏めてとかソリッドビジョン空気読み過ぎだろ」
「もうダメだ~ライフもあと200しかないしフィールドも残ってないんじゃ勝ち目なんて無いよ~」
翔の弱気な発言に外野で観戦していた十代は言う。
「翔、ライフはまだ残ってる!一緒に戦ってるカード達と荘太を信じるんだ!」
「そうだぞ翔。諦めるのはまだ早い」
「アニキ、荘太君……わかった、僕最後まで諦めずにデッキと荘太君を信じるよ」
「話は終わったかしら?」
「悪いなお前のターンなのにまたせちまって」
「別にいいわよこれぐらい。別れの言葉になるかもしれないんだしね。アタシはこれでターンエンドよ」
ジュンコ&ももえLP5800、場、海竜-ダイダロスATK2600
ジュンコ:手札3
ももえ:手札1
手札にモンスターは一体だけしかいない。このドローで全てが決まる。
「でも、負ける訳にはいかないんだ!俺のターン。ドロー!」
荘太:手札2→3
ドローしたのは……よし!いける!
「魔法カード《死者蘇生》を発動!」
「くっ、この状況で死者蘇生ですって!?でもジェムナイト・ジルコニアを蘇生したとしてもダイダロスとの攻撃力の差はたったの300、次のターンでももえがバーンカードを引けばアタシ達の勝ちよ!」
「たしかにそうだな」
俺の負けを認めるかの様な言葉に枕田は勝ち誇った顔をする。
もっとも
「俺が蘇生するのがジルコニアだったらの話だけどな」
「え?」
「翔!お前のカードを借りるぞ!俺が蘇生するのは、ユーフォロイド!」
ユーフォロイドATK1200
「「「「ええええぇぇぇぇ!?」」」」
俺の行動に十代以外の全員が驚きの声をあげる。
「そ、荘太君!?何考えてるのさ!?バーンカードを使われたら負けちゃうんスよ!?」
おい翔、ついさっき信じるって言わなかったか?
「その通りですわ。その場しのぎにしてもジルコニアを出したほうがいいでしょうに」
「その場しのぎなんかじゃないぜ。こいつが逆転への第一歩だ。墓地のジェムナイト・フュージョンの効果発動。ジルコニアを除外して回収し、発動!手札のジェムナイト・ラズリーとフィールド上に存在する光属性のユーフォロイドを融合!」
巫女のような格好をした小さなモンスター、ジェムナイト・ラズリーとユーフォロイドが光に包まれる。
「聖なる力が宝石に新たな輝きを与える。融合召喚!輝け!《ジェムナイト・セラフィ》!」
光が収まるとそこにいたのはラズリーの面影を残しながらも大きく成長し、光輝く翼を持つ女性型のジェムナイトであった。
ジェムナイト・セラフィATK2300
「ユーフォロイドと融合した!?」
「きれい………」
「カードの効果で墓地へ送られたラズリーの効果発動。墓地に存在する通常モンスター一体を手札に加える。デュアルモンスターは墓地では通常モンスター。よって俺はジェムナイト・アンバーを手札に加え、召喚。さらに墓地のオブシディアを除外してジェムナイト・フュージョンを回収」
ジェムナイト・アンバーATK1600
セラフィの美しさに見惚れていた翔達だったが、俺の行動に我に返る。
「ふ、ふん、ユーフォロイドと融合したのは驚いたけどその攻撃力じゃダイダロスの足元にも及ばないわ」
「まあ、慌てるな。今から逆転してやるから」
「なんですって!?」
「ジェムナイト・セラフィの効果。このカードがフィールド上に表側表示で存在する場合通常召喚をもう一度行うことができる。ジェムナイト・アンバーを再度召喚!」
アンバーの身体に紫電が奔る。
「再度召喚することでアンバーは効果モンスターとして覚醒する。アンバーの効果発動。手札のジェムナイトと名の付いたカードを墓地に送ることでゲームから除外されたモンスター一体を手札に加える。ジェムナイト・オブシディアを手札に加える。そして墓地のジェムナイト・ガネットを除外してジェムナイト・フュージョンを回収し、発動。手札のジェムナイト・オブシディアとフィールドに存在する雷族のジェムナイト・アンバーを融合!雷纏う宝石が敵を撃ち抜く閃光となる。融合召喚!貫け!《ジェムナイト・プリズムオーラ》!」
銀色の甲冑から水晶が突き出た騎士が紫電と共に現れる。
ジェムナイト・プリズムオーラATK2450
「手札から墓地に送られたオブシディアの効果発動。墓地に存在するアンバーを特殊召喚」
ジェムナイト・アンバーATK1600
本日三度目の登場、お疲れ様です。
「いい加減にしなさい!そんなに並べても無駄よ!」
「それはどうかな。墓地のジェムナイト・オブシディアを除外しジェムナイト・フュージョンを回収。ジェムナイト・プリズムオーラの効果発動!手札のジェムナイトと名の付いたカード、ジェムナイト・フュージョンをコストに相手フィールド上の表側表示のカード一枚を破壊する!イレイズ・ジェム・フラッシュ!」
プリズムオーラの水晶から放たれた閃光がダイダロスに直撃する。始めは抗っていたダイダロスだったが、徐々に押されだし、遂には細かい粒子となって消え去った。
「そんな、ダイダロスが……」
さて、障害は何もない。
「三体のモンスターでダイレクトアタック!『トライアングル・ジェム・フラッシュ』!」
ジュンコ&ももえ:LP5800→0
「次にデュエルする時には今回みたいなマグレ二度と起きないんたからね!アンタ達!いい気になるんじゃないわよ!」
「ジュンコ、やめなさいって」
「でも明日香さん~」
「負けたのは事実よ、認めなきゃ」
「いや、枕田の言う通りかもしれないぜ?あんた達強いよ」
「そうそう、あの時サンダー・ジャイアントが出せてなければ俺の負けだったしな」
「俺たちの方も、浜口、デッキトップのカードは何だったんだ?」
俺の質問に浜口が答える。
「《火炎地獄》ですわ」
「………僕達も荘太君が死者蘇生を引いてなければ負けてたっスね」
「それか、翔がユーフォロイドを出してなくても負けてたな」
「と言う訳で枕田の言う通り今回は俺たちの運があんた達より強かったってだけだ。次やって勝てるかなんてわかんねえよ」
「ふふ、まあ何にせよ今回は私達の負けね。約束通り覗きの件は見逃してあげるわ」
「ああ!そういえばそれでデュエルしてたんだっけ」
「忘れてたんスか!?」
「このデュエルバカは……まあ、いいか。もう遅いし帰ろうぜ」
「ええ、暗いから気を付けてね」
さーて帰りますか。
「ところで十代、翔」
「ん?何だ?」
「明日の授業の宿題、やったか?」
「宿題?そんなのあったっけ?」
「装備魔法についての纏めをA4レポート用紙に二十行以上書けっていうのが三日ぐらい前に出てるんだが」
「げ、マジかよ~。荘太頼む写させてくれ!」
「はぁ、丸写しは無しな」
「サンキュー」
全く、授業中寝てばっかだから重要なことを聞き逃すんだ。
「あの、アニキ、荘太君」
「なんだよ翔?わかった、お前も宿題やってないんだろ」
「う、うん。それはもちろんそうなんスけど」
おい、もちろんって何だよ。
「けどなんだよ」
「む、向こうに何かいるんスけど」
翔が指差す方を見ると、そこにいたのは地面に横たわる真っ黒い人影と、白い人影。その白い人影がゆっくりとこちらに振り向き笑う。
「で、出たぁぁぁっ!?」
腰を抜かす翔。ビビり過ぎだろお前。
「で、何してんだエリア」
そう白い人影は修行に行った筈のエリアだった。しかも何故かブルー女子の制服を着ている。
俺の質問に対しエリアは
「デュエルしてる声が聞こえたから見に行ったらどざえもんを見つけちゃってさ、困ってたんだ」
「はぁっ!?どざえもん!?」
言われてみれば濡れている。
「どざえもんって何だ?新しい猫型ロボットか?」
「ちがうわ、バカ。どざえもんってのは溺死体のことだ」
「し、死体!?」
とりあえず本当に死んでいるのか確かめるため、仰向けにして脈をとる。
「って、クロノス先生!?」
「荘太、本当に死んじまってんのか!?」
「脈が………………ある」
「あるのかよ!」
全く、どざえもんとかゆうから無駄に焦っちまった。
「何でこんな格好で湖にいたんスかね?」
「たしかに、こんな真っ黒いウエットスーツ着てまるで不審者みたいだぜ」
まるでって言うか普通に不審者だろこれは。
「教師ってストレスが溜まる職業だからね。このかっこで泳いでストレス発散してたんじゃないのかな」
なるほど、それで十代の召喚したサンダー・ジャイアントの攻撃に巻き込まれたって訳か。水面に電流奔ってたもんな。
「で、これどうする?」
「これって言うな失礼だぞ。こんなでも一応教師だぞ」
「二人とも失礼っス」
「とりあえず医務室にでも運んだら?」
「そうだな。俺が足持つから十代は腕持ってくれ」
「わかった、任せとけ」
クロノス先生を担架みたいにして運ぶ。
「そういえば誰っスか?普通に馴染んでるけど」
「わたし?わたしはエリア。荘太の恋び「ただの幼馴染だ」ちょっとした冗談なのに………」
「まあこんな奴だ」
「俺は遊城十代。十代って呼んでくれ」
「僕は丸藤翔っス」
「よろしくねー」
俺達はそんな感じで駄弁りながら医務室までクロノス先生を運ぶのだった。
後日、デュエルアカデミアではクロノス先生には夜の湖で不審者ルックで泳ぐ趣味があるらしい。といった噂が流れた。情報源はおそらく奴だろう。
お久しぶりです。
まさか二ヶ月も空いてしまうとは……
もうしわけありません。
今後は月に一話か二話ぐらいは投稿できるように頑張ります。
もっともレポートとかあるので守れるかどうかわかりませんが。
それではまた次回も読んでいただけることを願っています。