あと挿絵を頂いたので2話に挿入しておきました。皆様是非ご覧ください。
キィィ…と、甲高い音を鳴らす少し錆びている門を閉める。
「はぁ…なんとか警察署に着いたな。アリシア、平気か?」
「う、うん。なんとか」
なるべく息が切れているように見せかけ答える。クレアと別れてから30分ほどだろうか。ここまで割と時間がかかった。
「よし、それじゃあ警察署に入る方法を探そう。そしたら1回休憩を取ろう。クレアを探すのはそのあとだな」
「うん。わかった」
「ああ、あと、アリシアの着替えに、靴も探さないとな」
少し笑いながらそう言い、墓地を歩き出すレオン。
恥ずかしい。流石にここに来る間に変な格好と思われてたようだ。
歩き出した後ろについて行きながら考える
(ここは一体…レオンは警察署と言っていたが、俺の知る限り警察署に墓地なんてなかった…警察署の正門に着かなかったからここは裏編…?いや、それでもこんな場所は…)
いくら考えようともわからない。だがそれでも考え、歩き続ける。今は道標があるから。必ず道は続いているから。
先に進み階段を下ると、右手にドアがあった。
「小屋があるな…クソ、ダメだ。チェーンがしてある」
どうやらドアは開けられないらしい。しかし、アリシアならばこの程度のチェーンならちぎれるだろう。だがちぎるということはしなかった。
(今だって少し変だって思われてると思うし、ここでそんなことをしたら、流石に何かあるとバレてしまう。それだけは、避けないと)
すると、バラバラバラ、と大きな音がする。
(ヘリかな?)
などと思っていると、どんどんと音は近づいてくる。そして
「なんだ!?まさか落ちたのか!?」
どうやらヘリは墜落したらしい。そういえばそんなイベントもあったなと思い出すアリシア。
「急いで確認しに行こう」
「そうだね」
急いで階段を上る。だが
「うっ…」
階段を上った先でレオンが唸る。前を見ると死体がいくらか転がっていた。
「アリシア、あまり見るな」
そう言って再びレオンは歩き出す。
そう言われたアリシアだが死体をしげしげと眺めていた。
(…どう考えても、動き出すよね。こいつら)
バイオプレイ者によくある思考回路。死体を見たらまず動き出すと言う考えであった。
「アリシア!早く来るんだ!」
流石にレオンに怒られてしまった。
「ご、ごめんなさい!」
急いでレオンについていく。
「いいかアリシア。あまりああいったものを見るな。本当は君のような小さい子が見ていいものでは無いんだ…」
少し悲しそうな表情。レオンはきっとこの場にいる人たちを救えなかったのを残念に思い、子供が死体に囲まれてしまっている状況に、囲まれざるを得ない状況を悲しんでいるのだろう。
「うん…わかった…」
「わかったならいいんだ。ほら、そこに扉がある。中に入れるかもしれない」
そう言って扉に手をかけるが扉は無情にも開かない。
「今度はカギがかかってるのか…」
だがちょうど、アリシアがとあるものを見つける。
「ねぇ、レオンこれ見て。これでさっきの扉を開けられるかも」
それはチェーンカッターであった。
「ああ、これであそこの扉のチェーンが切れるな。アリシア、よく見つけてくれた。ありがとう」
「たまたまだよ」
レオンに褒められた。嬉しい。
そしてちょうどタイミングよく扉の向こう、階段の上からクレアが現れる。
「おい!クレア!こっちだ!」
「クレア!こっちだよー!」
「レオン!アリシア!よかった、無事だったのね!今そっちに行くわ!」
そうしてレオンとクレアが会話を始める。
(だけど、本当にここは一体…レオンとクレアがこうやって会話するなんて、絶対に知らない。ヘリが墜落した時も本来は少し上で待機していたら結果的に警官に落とされてしまったはず。あんな勢いよく突っ込んでくることは無かった。やっぱりここは俺の知らないバイオの世界…?)
だがクレアとレオンの会話、アリシアの思考も直ぐに中断されることになる。ヘリが突然爆発を起こしたのだ。そして鳴り響く警報。その音に引かれ集まってくるゾンビ達。
「不味いな…クレア、続きはまた警察署の中で会ったらにしよう」
「…わかった。レオン、アリシア、無事でね」
「…ああ。そっちもな。アリシア、走るぞ!」
「うん。クレア、ケガしないでね!」
そう言うと直ぐに走り出す。警察署の周りの柵にゾンビが集まってきており今にも壊れそうである。
そして
(やっぱり、起きるよねー)
起き上がる先程までの死体たち。
「なんてこった…アリシア!俺がヤツらの動きを止めるから走ってさっきの階段下に行くんだ!」
「わかった!」
そしてレオンが狙いをつけ、進路上にいるゾンビの頭に2,3発程当てていく。
「アリシア!行け!」
「うん!」
そしてゾンビどもをすり抜けつつ走る。なるべく子供くらいの速度で走ったので途中でこちらに手を伸ばしてくるヤツもいたが問題なく避ける。
階段下の扉前につき、後ろを振り返る。どうやらレオンもヤツらを振り切り階段に着いたようだ。
「なんとかなったね」
「そうだな。アリシアもよく逃げ切った」
そう言って互いに一旦落ち着きつつドアノブに巻かれていたチェーンを切断する。
「よし。…こいつはまた使うかもしれないし、取っておくか」
(あ、現実だとアイテム使うかの判断はやっぱり勘なんだ)
小屋の中に入る。小屋の中は狭く、机とロッカー、そして
(おお、アイテムボックス。スゴい本物だ。やっぱり全部の場所と繋がってるのか?)
バイオでは必須と言っても過言ではないアイテムボックスがあった。
「ここで少し休むか…ん?こいつは…」
そしてレオンが見つけたものはハンドガン、ハンドガンの弾。そして制服であった。
「これは…M19に弾薬、破片手榴弾まで…。それに制服も…あー、悪いんだがアリシア。そのだな…」
「え?………ああ、そういうこと。いいよ、この中少し調べてるから」
「わるいな…しかし、こんな形で袖を通すことになるとはな…」
そしてレオンは着替え始める。俺は気になったのですこしアイテムボックスの中をあさる。まあゲームだと最初は何も入ってはいないが、ここはゲームではない。もしかしたら何か入っているかもしれない。…単純に構造が気になったというのもあるが。
(あれ?これって…)
そう言ってアリシアがアイテムボックスから見つけたもの。それは一丁のハンドガンだった。
(これは…もしかしてサムライエッジ?でもなんでこんなところに…)
アリシアは知らないがそれは本来、予約特典またはダウンロードコンテンツなどでしか手に入らない銃、その名もサムライエッジ・アルバートモデルであった。
(でもなんでだろう…片手だと持ちきれないし、構えながらだとセーフティにだってギリギリ届くくらい…なのに、なんか妙にしっくりくる?)
それはアリシアが彼のクローンだからか、それとも本当に偶然か。彼女の手にとても馴染むものであった。
「こら、それはおもちゃじゃないぞ」
「あっ」
しかし、着替え終わったのか後ろからレオンに取り上げられてしまう。青を基調とした制服に黒っぽい防弾ベスト、その上にかかれたR.P.Dの文字。確かによく見る制服のレオンだがなんだか知っているものとは違う気がする。よく見たことはないので詳しくはわからないが。
「レオンお願い、それを頂戴?」
「駄目だ。君が持つには危険だ」
「お願い、私も自分を守れるものが欲しいの」
「しかしだな…」
「自分の身は自分で守れるようになりたいから、それに本当に危ないときに使うだけでそれ以外はちゃんと逃げるから」
「はぁ…わかった。だが約束だ。これは本当に危ないときだけ使うんだ。だからそれ以外の時はちゃんと逃げるんだぞ?」
「うん。約束」
「よし。ほら、気を付けて持つんだぞ。使い方はわかるか?」
「一応わかるよ」
そう言って構えて見せる。
「まったく…最近の子供はどこで習うんだ…」
前世でよくサバイバルゲームに行っていたので知ってます。なんて言えるはずもないが。
「ん、もっと脇を締めて。それで腕は少しゆったりと…そうそんな感じだ。狙いをつけるときはゆっくりと落ち着いて狙うんだ」
レオンに指導してもらいつつしっかりとした構えを教わる。
「よし、とりあえずはそれでいい。いいか、もう一度だけ確認だ。基本的には俺の後ろにいる。そして奴らが来たら逃げる。本当にどうしても逃げられないときだけそいつを使う。いいな?」
「大丈夫、約束はきちんと守るよ」
そう言ってこれをコートのベルトに挟み込む。実際銃は必要はない。それより殴ったほうが強いからだ。ただ、なぜかこいつは手放したくない。何となくそう思った。
「セーフティはかけたか?…かかってるみたいだな。よし、着替えてるときにさっきの扉の鍵も見つけた。それじゃあ、行くか」
「うん」
そう言って小屋の外に出る。
左右を見渡すと早速階段に一人ゾンビが。
「まずはここを何とかしないとな…準備はいいか?」
「いつでもオッケーだよ」
「いくぞ!」
そうしてレオンが撃つ。ゾンビがひるむとすぐさま横を通り抜ける。そして階段を上り先ほどのゾンビのたくさんいた場所に行くと何体かがこちらに向かってくる。レオンが撃つがさすがに倒しきれない。
「くそ、弾切れか。さっき拾ったのを使うしかないか…」
そうして先ほど拾ったM19を片手で構えゾンビを撃つ。すると簡単に頭が砕け倒れていくゾンビ。
「流石45口径だな。威力は折り紙つきだ」
軽口を言いつつ残りのゾンビを避け扉の鍵を開ける。すぐさま中に入るとまた鍵をかける。これで奴らはここに入ってこれない。
「なんとか切り抜けたな。よし、警察署の中を調べるか」
「そうだね。クレアに追いつかないと」
近くに落ちてた弾薬と、何かに使えるかもしれないと木の板を拾い、手前の扉から中に入る。扉の中は警察官や市民の死体がたくさんあった。
「予想はしてたが、警察署の中も危険か…アリシア、油断するなよ」
「ええ、もちろん」
すると突然左の窓が割れゾンビが飛び込んでくる。だがすぐさまゾンビの頭を撃ち抜くレオン。流石である。
右にも扉があったがとりあえず目の前にオフィスがあったのでそこに入ってみることにする。そこにもなぜかチェーンが巻かれていたがチェーンカッターで問題なく切れる。
中に入るとたくさんの机が並んでいた。そして左のほうからバンバンと窓を叩く音。ゾンビが窓を叩いているらしい。
「さっきの通路の窓ガラスは割れてしまった…もしかしたら入ってくるかもしれない…さっき拾った板でバリケードしておこう」
そう言うとレオンはさっと窓にバリケードを張る。
(すご…一瞬で張ったように見えた)
板張り職人のレオンであった。
いまだに窓を叩いているゾンビを無視して探索を進める。窓の下の警官が45口径の弾薬を持っていたのでありがたくもらう。机の上にフラッシュバン、ガンパウダーがあり、更に、小さなオフィスの中にいたゾンビを倒し中を見ると
「これ…バルブハンドル?なんでこんなところに…」
バルブハンドルが落ちていた。まあこれは警察署の中のどこかで使うのだろう。レオンは持てないのでアリシアが持っておく。その奥の机には白いガンパウダーが置いてあったのでレオンが拾う。
そして入ってきたほうと反対の扉には椅子で軽いバリケードがしてあった。椅子をどかし扉を開ける。
「暗いな…ライトを使うか」
ライトで廊下を照らすが敵の気配はない。しかし廊下を歩こうとすると床が濡れている。どうやら浸水しているようだ。
左を見るとシャッターが閉まっていた。通れるかと近づき調べるがどうも電源が落ちてしまっているらしい。レオンが持ち上げてみようとするがさすがに少し隙間が空く程度だ。隙間からアリシアが中をのぞくとどうやらシャッターの向こうはエントランスのようだ。
「別の道を探すしかないな…」
「そうみたいだね」
今度は先ほどのオフィスを通らずに廊下を調べる。
少し進むと小さな部屋の扉が開いている。中を見ると弾薬と木の板が落ちていた。
「今はありがたいが、なぜこんなにもいろんな場所に弾薬が落ちているんだ?」
「どこでも補給できるようにかな?でもそれにしては非効率だとおもうけど」
実際はアイアンズ署長による妨害なのだろうがそれは言わないでおく。
次に見つけた部屋は大きな講堂だった。中には死体が転がっており、弾薬を持っていたので起き上がらないか警戒しつつもらう。
そして次に見つけた部屋。そこでアリシアは衝撃を受ける。
(ト、ト、トイレだぁぁぁぁぁぁ)
そう、常識的に考えればあるのだが、オリジナルでは存在しなく、7不思議とすら言われたトイレ。なんとそのトイレが存在した。しかし男子トイレにはバリケードが張ってあり女子トイレしか入れないらしい。
(いや…今の俺にはぴったりってか…まったく嬉しくないけど)
とりあえず中を調べることにする2人。中はほぼ浸水していた。個室を調べていくことにする。
1つ目の個室を開けると
「廊下が水浸しだった理由はこいつか」
どうやらこの便器が壊れていたせいで廊下まで浸水していたらしい。つまり廊下の水は…深くは考えないでおくことにする。
その後トイレを調べると救急スプレーが置いてあった。レオンにこいつは君が持っててくれと言われたのでサラにもらった鞄に入れておく。
そして警察署に入って来た時の扉の前に戻り、先ほど破られた窓を補強する。そして今度は出口のすぐ側の扉を開ける。すると
「あ"ぁー…」
中にいた警官の死体が動き出す。レオンは死体を撃つが頭を狙えなかったため中々怯まない。そしてそのままレオンが組み付かれてしまう。
「うおっ、くっ!」
「レオン!」
慌ててゾンビにタックルする。慌てたせいで少し力が入りすぎたのかゾンビが壁にぶつかる。壁にぶつかり止まったゾンビを、レオンが頭を撃ち抜きゾンビは永遠に眠ることになる。
「危なかった…アリシア、ありがとう」
「フォローは任せて。守られてばっかじゃないから」
「頼もしい限りだ」
そんなこと言いつつ先に進もうとするが
(あれ、これは…)
アリシアがあるものを見つける。それはどうも何かのページの切れ端であるらしい。
「レオン、これなんだろう」
「見せてくれ…これは、何かのメモか。しかしこれに書かれた像のようなものは一体…。まぁ、何かに使えるかもしれない。持っておこう」
そう言ってメモの切れ端をしまい込む。…レオンが持っていくということは後々使えるものだろうが、ゲームの時は何も思わなかったがリアルに見るとなんでそれが使えると分かるのだろうか? やはり第六感なのか。
その先は窓が多く並ぶ少し長い廊下であった。しかし、ここの廊下は見覚えがある。確か地下に通じている道のはずだ。まぁ、原作知識が合っていればだが。そしてなぜか右の壁にナイフが刺さっていた。どうやらまだ十分使えるらしいのでレオンが回収した。
階段前に進むと予想していた通り宿直室が見えた。レオンに教え宿直室に入る。中に入るとすぐ左にスイッチがあった。スイッチを押すと部屋の電気がつく。ゾンビの気配はない、どうやら安全なようだ。
「ふぅ…ひとまず安全だな」
「そうだね。一回休もっか」
少しばかりの休憩をとる。
「さて、とりあえずは何とかなったな。奥のベッドでヒューズと、50AE弾が落ちていた。弾はいいとして、ヒューズがあったおかげでシャッターが開けられるな」
「そうだね。そういえば外に階段があったけどあそこはどうする?」
「とりあえずはシャッターを開けてエントランスを目指そう。あそこに何かあるかもしれない」
「わかった、とりあえずはエントランスを探索だね」
「そうだな。…しかし、ここにもないか。仕方ないとはいえ…」
どうやらレオンは先ほどからアリシアの着替えを探しているようだった。
「服装はいいとして、せめて靴だけでもと思ったんだがな…」
「大丈夫だよ。私頑丈だから」
そう言うがレオンは苦い顔だ。
「いや、さっきから窓ガラスが散乱していた場所があったりしただろう。裸足は流石に不味い…。そうだ、たしかここに救急箱があったな」
そう言って救急箱を探すレオン。そして見つけた救急箱の中から包帯を取り出す。
「アリシア、足を少し出してくれ」
「いいけど、別に怪我はしてないよ?」
そう言って足を差し出す。事実足は汚れてこそいるが傷は見当たらない。怪我をしてもすぐに再生してしまうので当たり前だが。
「今は平気でも、あれだけガラスがあればいつ足の裏を切ってしまってもおかしくないだろ?包帯でも巻けば少しは足を保護してくれるだろう」
そう言ってアリシアの足に包帯を巻いていくレオン。
「…よし、こんなもんだろう。どうだ、問題ないか?」
少し歩いてみる。少し滑りやすい気もするが歩く分には支障はないだろう。
「うん、大丈夫。ありがとう、レオン」
「そうか、よかった。よし、それじゃ行くとするか」
そうして先ほどのシャッターを目指し歩く。途中で廊下の窓にゾンビがいたがバリケードを破ってくる様子はない。シャッター前に着きヒューズを電源ボックスに入れる。するとシャッターが上がり始めた。
「よし、これで先に進めるな」
「それじゃ、調べよっか」
シャッターを越えエントランスに入ると早速ゾンビが一体お出迎えしてくれた。しかしこいつもレオンが問題なく頭を撃ち抜きゾンビが倒れる。だがゾンビはそれでも生きていたらしいのでその頭にナイフを刺してとどめを刺す。
(それにしても…すごいなぁ、ここ。女神像は分かるけどそれ以外かなり違う。二階に行くのも梯子じゃなくて階段だし…)
アリシアはオリジナルの2をプレイした時の記憶を思い出すが、ここまで違うともはや2ではなく、別のシリーズに思えていた。
(でも大まかなところは一緒なんだよなぁ…一体何故なんだ…?)
そんなことを考えているとどうやらもう一体ゾンビが来たようだ。レオンも気づいたようですぐに銃を構える。
が、アリシアはそのゾンビを見たとき自分の目を疑った。なぜなら、そのゾンビはここにいるはずがないから。確かに現実であるここなら部屋をこえられるかもしれない。だが、あの部屋は鍵がかかっていたのだ。いや、
レオンが発砲する。レオンの撃ち放った弾丸はこれまで通りゾンビの頭を正確に貫く。そしてそのゾンビが倒れるときアリシアは無意識に彼の名前を呟いた。
「マー…ビン…」
エントランスにいたゾンビ。彼の名前はマービン・ブラナー、その人であった。
「ふぅ、一階はこれで平気らしいな…アリシア?どうしたんだ?」
アリシアは少しの間茫然としてしまった。マービン・ブラナー。彼は原作では少しだけ活躍する人物だった。オリジナルのレオン表編では警察署に着いたレオンになぜこんなことになってしまったのかを説明し、自分よりほかの生存者の救出を命令、そしてゾンビとなってしまった。だが彼はファンに人気が出たためその後の作品でも2関連に限り登場している。アリシアは詳しくは知らないが確かアウトブレイクに登場した際には仲間を逃がすため一人この警察署に残ったという話を聞いたことがあった。
アリシア自身特別彼に思い入れがあるわけではない。確かにカッコいいキャラだと思っていたがゾンビ化していたからと言ってショックを受けるほどではない。ではアリシアは何にショックを受けたのか。
アリシアは彼を見たときにあることを思った。アリシアは気づいてしまった。レオンもクレアも、死んでしまうかもしれないと。ゾンビとなってしまう可能性があると。たしかに二人とも抗体を持っているが、あまりにも多量のウイルスを浴びると感染してしまう例があったはずである。ここはゲームではないのだ。それに自分が知る話とは何もかも大きく違い、二人とも無事に帰れる保証はない。それをマービンを見たことで気づいてしまった。気づかされたのだ。
嫌だ、そんなこと。二人が、レオンが、死んでしまうなんてそんなことは
「…シア…アリシア。どうしたんださっきから」
レオンに声をかけられたことで思考の海から帰ってくる。
「なにかあったのか?…まさか、彼は知り合いか?」
レオンが心配そうに聞いてくる。アリシアは気持ちを切り替える。
そうだ、知らないからなんだ。わからないからなんだ。そんなのバイオハザードではいつものことじゃないか。だったら、自分が二人を守ればいい。そうだ、自分というイレギュラーがいる時点で変わってて当たり前なんだ、だったらその分自分の
「ううん、一瞬知り合いの人に似ててビックリしちゃっただけ」
「そうか、ならいいんだが…。そこのソファーで手帳を拾った。どうもさっき拾った切れ端と繋がっているみたいだ。あとで調べよう。それにさっき通ったカウンターにパソコンがあったはずだ。あれでもしかしたら署内の様子が分かるかもしれない、見てみよう」
「そうだね」
アリシアは思う。なんとしても二人を守って見せると。最悪は正体がばれても…。
そんな思いを秘めつつアリシアはパソコンをのぞき込む。だがアリシアは忘れていた。ここは
パソコンはどうやら監視カメラの映像らしい。画面には先ほどの宿直室前の通路。そして
男がカメラに近づいてくる。どうやらカメラに気づいたらしい。顔を上げしげしげとこちらを眺める。そして腕を振りかぶり、カメラに向かって殴る。映像が途切れた。
「おいおい、アリシア、そのコート流行ってるのか?」
レオンが軽口を言う。だが内心恐ろしいらしく少し冷や汗が出ている。
「う…そ…だろ…」
アリシアはあいつの正体を知っていた。あの大柄な体躯、自身が着ているものと同じデザインのコート。そして最後に見えたあの白い顔。
「タイ…ラント……」
暴君が降臨した。
補足メモ:タイラントはトラウマ。さすがに恐ろしい。
今更ですが地の文にアリシアの思考と第三者視点両方混ぜてしまっているせいでかなり分かりにくいですね。なるべく改善していきますので読みにくいとは思いますがご了承ください。
ゴーストサバイバーズ楽しいですね。今はネコミミにチャレンジしてます。
ダニエルは許さない
追記:活動報告にアンケもどきあるので良ければお読みください。
レオン、アリシアが進んでいく上でゲーム内の謎解きを
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して欲しい
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別にいらない
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どっちでもいい