イリマくんはポケモンバトルが好きな青年。
今、ハルトくんとルリちゃんとポケモンバトルを行なっている。僕はリーリエの隣に座りバトルを眺める。
島巡り…か。僕は途中でやめたけどこの子達ならきっとできる気がする。
「……マルクさんも島巡りはしていたのですか?」
「まぁね。アローラの古くから伝わる風習だから僕自身の意思っていうより親がやれっていうからさ」
親は厳しかった。
島巡りが終わるまで家に帰らせてもらえない。島巡りを途中でやめたので僕は勘当されている。
「厳しい親だったのですね」
「まぁね。親がやれっていって、途中でやめてなけなしの金でカントーに行ってフーディン博士の前の博士に弟子入りして研究員になったんだよ」
オーキド博士のもとで日々学んでいた。その時に同じく学んでいたのはリリイ博士。彼女はカントー地方に住んでいたけれどアローラに行きたいという彼女自身の願望でこっちにきた。
「なぜ島巡りをやめてしまったのですか?」
「……実はポケモンが一匹死んじゃってさ。そこから勝てなくなったんだ。そして僕はね、僕が強いんじゃなくてポケモンが強いんだ、育てる才能はなくてポケモンが自分で勝手に育って力を得たんだって思ってさ」
僕にポケモントレーナーの才能はなかった。
ポケモンが勝手に強くなってたのを僕が育て上げたなんて勘違いして、その結果敗北が続いた。
島巡りなんていう風習、僕は嫌いだった。
「ポケモンは強いからみんな勝手に育ってくんだよ。僕はポケモンが好きだしその気持ちは変わらない。けど、自分にその才能はなかった」
「マルクさん……」
なんだか感傷的になってしまった。
リーリエの隣にいて少し安心したからなのかもしれない。打ち明けることができた。少し気持ちが楽になったかもしれない。
「マルクさんは才能がないんじゃなくて……ポケモンを亡くした喪失感がすごかったんじゃないでしょうか」
「……」
「マルクさんはポケモンを人一倍愛してるのはわかります!愛していたポケモンが亡くなって何もする気がなかったのではないでしょうか。マルクさんは元気に振舞っていたのですが心では悲しくて無茶をさせなくなったのではないでしょうか!」
……無茶はさせたくなかった。
それはあるかもしれない。もう死なないようにって。そんなに無茶な命令は出さなかった。堅実に戦っていた。
「マルクさんは才能がないわけではないんです!」
と、僕の話を否定してくれた。
そのことについうるっと来てしまう。才能がないわけではない。お世辞だしても、嬉しい言葉だった。
僕は手で涙を拭う。
「……その、ポケモンが怖い私が言うなって話ですがっ…出過ぎたマネすいませんでした」
「……いや、助かったよ。ありがとう」
「……はい!」
リーリエちゃんは、本当にいい子だ。
助けられた気がする。
「っと、ルリちゃんの勝負が終わったみたいだ」
僕たちはルリちゃんのもとに駆け寄った。