「…きなさい」
誰かの声が聞こえる。目をパチクリ開けるとサーナイトが俺を覗き込んでいた。
リリイ博士のサーナイトだろうか…。
「サーナイト…。心配してくれたの?」
「サーナイトじゃないわよ私は…。ほら、起きなさい」
と、サーナイトが僕に手を差し伸べる。
手を取ろうとしたとき、気づく。手が黄色い。頭が重い…。僕の体が小さい。
「……僕の体なんか変じゃないですか?」
「……心して聞きなさい」
と、サーナイトは鏡を取り出した。
鏡を覗き込むと、僕は大きく声を出す。
「く、クチートになってるぅぅぅ!?」
どこからどう見てもクチートだ。
頭のもう一つの口も、手も足も!クチートと同じ!
「な、なんでクチートになってるの!?」
「わからないわ。ただ、あの粉…。あれが原因として間違いないと思う」
「あの男ッ…!」
クチートは好きだ。けど、この姿だとろくに研究が出来そうにない。
ってか、サーナイトってリリイ博士…なのか?
「って、僕のクチートは?」
「そこ。眠ってる」
と、クチートは壁にもたれかかり眠っていた。
か、可愛いっ!クチート可愛いっ!だがしかし、クチートわ起こして…と思ったが、サーナイトの隣にサーナイトが立っていた。
「やっほー、マルクさーん」
「……リリイのサーナイトか?」
「はいそうです。ポケモンになったことで意思の疎通も可能になったんですよぉ」
……ポケモン同士だから会話ができる…のか。
「サーナイト。あなた全部見てたわよね?本当にあの粉が原因?」
「それは間違いなさそうです。お二人が眠ってから少しして変化が始まりました」
「……元に戻れるのかな」
「無理そうね。成分もわからないんじゃ中和もクソもないわ」
……はぁ。
「っていうか博士。この後トレーナーになりたい人が来るんじゃなかったんですかぁ?」
「……あぁっ!?そうだ!でもこの姿じゃ無理…!」
「催眠術でも使ってみては?」
「使えるの?」
「私と似たようになるのならたぶん。マルクさんで練習したらどうです?」
え、僕が練習台になるの?
と思ってリリイ博士のほうをみるとやる気満々だった。え、マジで僕が練習台に!?
「さ、催眠術!」
……あれっ、なんか眠く。
僕はまた意識を手放した。そして、強制的に起こされる。ねむけざましか…。ねむり状態から強制的に目を覚まさせるやつ…。
「使えるみたいね!ならやるわ」
「勝手に人を練習台にしないでほしいけど…。とりあえず僕もついていきますよ」
「そうね。私のポケモンとして出てきなさい」
と言ったので僕はリリイ博士についていく。