新人トレーナーのハヤトたちはお母さんのところに報告しにいった。
僕はその場に座り込む。と、後ろに誰かが立つのがわかった。誰だろうと思って振り返るとクチートが立っている。
「ねー、あなたはもしかしてマルク??」
「うん?そ、そうだけど」
「マルクがクチートになった!!好き!!」
と、抱きついてくる。
こんな好かれてたのか……。有り難いし可愛いけど僕が人間じゃないことが減点。
クチートはほっぺをスリスリしてくる。
「人間の時も物知りでカッコよかったけどクチートになってもカッコいい!」
「あ、ありがとう」
クチートが抱きついてくるのをリリイ博士…サーナイト博士でいいや。サーナイト博士がニヤニヤと笑ってみている。人にポケモンバトルさせておいて……。
「青春ね」
「ですねぇ」
「サーナイト二人。ニヤニヤしない」
とりあえずクチートをボールにしまう。
リリイ博士もサーナイトをボールにしまった。
「……そういえば私たちってボールに入るのかしら」
「……さぁ」
嫌な予感がする。
「実験よ。入りなさい!」
「嫌ですよ今度は博士がやってください!」
「ポケモンバトルのこと恨んでるの!?しょうがないのよあれは!私って最終進化系だからレベルもそこそこあるのよ!」
「……」
「そんな私がレベルの低いポケモンと戦ったらもう勝負にならないわよ!?」
言われてみればそうなんだけど…!でも僕だってクチート以外のポケモンもいるからそっちで戦わせたらよかったと思うのは僕だけでしょうか。
「だから仕方ないの!ね、許して?」
「問答無用!」
近くにあったモンスターボールを投げる。
すると、リリイ博士がボールの中に入った。ゆらゆら揺れる。そして、カチっという音が聞こえた。
やったー!サーナイトを捕まえたぞ!
まあいいや。リリイ博士をボールから出す。
「……やりやがったわねぇ!」
「僕たちでも入れる…と」
博士が身を呈して証明してくれた。
博士、ボールに戻って。博士がまたボールに入る。そしてまた出してあげる。
「……もういいわ。悪かったです。ごめんなさい」
「わかればよろしい」
「でもこれ便利ね。片方どちらか入っておけば片方歩くだけでいいし。一応あなたも入っておきましょう」
「マジで?」
「マジで」
と言われた。
博士は思いっきりボールを僕に投げる。頭にコツンと当たると、ボールの中に吸い込まれていった。
……あっ。案外快適。すげえ心地いい温度…。なかなか快適空間じゃないか。モンスターボールってこんな快適なのか。
その時、なにか解放されたような気がした。
なるほど。出るときはこんな風になると。
「なかなかいい空間ですね」
「でしょ?心地いいんだよ。真っ暗なこと以外は」
「外の声も聞こえるんですね。あと、中から様子も見れるというのがなかなか」
モンスターボールってすげえいい空間。
「……で、これからどうするかしら」
「……っていわれても」
「旅でもする?」
「んな唐突な…」
「あの男についても追いたいし、何よりポケモンだけの旅というのもなかなか面白そうじゃない?」
「いやいやいや。博士はポケモン図鑑とかいろいろ…」
「ならあの子達の旅についていけばいいのよ!名案だわ!準備するわね!」
サーナイト博士が準備を始めた。
あの人思いついたら即実行だからな……。行動力の化け物というかなんというか…。
で、たぶん僕もついていくことが決定してるわけだ。
「僕も準備するかなぁ…」