リリイタウン。
しまキングであるハラさんが住んでいるところで孫のハウくんもいる。ハウくんもトレーナーになるんだっけ?
ライバルみたいだなー。青春だなぁ。
「……ちょっとやっぱクチートが心配だ」
僕は断って海岸の研究所に行くことにした。
クチートが入ったモンスターボールを置いてきたことが心残り。きっと心配している。クチートだけは連れて行きたい。
そう思ってきたのだが。
「……ん?」
海が打ち上げる砂浜。
ひとりの少女が倒れている。バッグもなんだか動いているし…。えっと、この状況って、マズくない?
し、死んでるっ…?
近づいて心音を聞いてみる。心臓は動いているようだ。
と、とりあえず研究所内に連れて行こう!
小さい手で引っ張っていった。
研究所内のソファベッド…リリイ博士が使っていたやつに寝かせる。
その間に僕はクチートをボールから出した。クチートは僕にほっぺをスリスリしてくる。
「マルクぅ!会いたかった〜!」
「僕もだよ…っと。クチート、上行こっか」
「うえ?」
「病人がいるから看病だよ。クチートお水もってこられる?」
「お水?もってける!」
「じゃあ頼んだよ」
「はい!」
階段を上っていくと女の子が目を覚ましたらしくキョロキョロと辺りを見回している。
どうしたんだろうか?と近づくと。
「ひっ…!」
と一歩後ずさった。
……避けられてる?
「だ、大丈夫?」
「ポケモン怖いっ…」
「ポケモン怖い?」
ポケモンが嫌なのかな?
「ごめんね。とりあえず話を聞いてもらえる?」
「……って、ポケモンが喋ってますね…!な、なぜ?」
「……まぁ、それはおいおい。で、大丈夫かい?」
「は、はいっ…!」
まだ僕を怖がってはいるけれど話はしてくれている。
「名前はなんていうの?」
「わ、私はリーリエと申します…」
「リーリエね。僕はマルク。しがない研究員なんだけど…ある事情でポケモンの姿になっててね。戻れないままなんだ」
「……ポケモンの姿に?元は人間だったのですか…?」
「まぁね…。僕は君を襲うつもりはないから安心して」
「……ど、努力します」
まあそんな簡単に克服はできないだろうから。
で、リーリエはなぜ倒れてたのか。それを聞きたいが…まず聞きたいことがある。
「バッグ動いてるけど何かいるのかい?」
「えっ、いや、何もいません…」
その時だった。
なにかが僕の顔にぶつかる。青い気体がぶつかった。銀河が中に詰め込まれているかよようなもの。
リーリエさんのバッグから飛び出したように見えた。
「〜〜♪」
「こ、こら!ほしぐもちゃん!ダメ!」
「ほしぐも…?そのポケモン…なに?」
「……わからないんです。なんのポケモンか」
「そうなの?僕はなんかどこかで見たことあるんだけど…」
なにかの文献で読んだ形とそっくりだ。
「ただ、すごい力があって…。あまりバラしたくないんです」
「そうなんだ…じゃあ秘密にしておくよ」
と、下からとてとてと足音が聞こえる。
クチートが器用にも顎に水を乗せて持ってきていた。
「ひっ…!」
「クチート。偉いぞ。あ、僕のポケモンのクチート。可愛いでしょ」
「そ、そうですね…」
「クチー!」
「こ、この子は喋れないんですね」
「…まあ普通のポケモンだからね。よろしくっていってるよ」
クチートはくるくる回ってみせる。
「リーリエはこれからどうするの?僕たちは旅に出るんだけど…ひとりは嫌だよね?」
「は、はい…」
「なら旅についてくる?」
「……か、可能ならついて行きたいな?って…」
「いいよ。じゃあ行こっか。その前に…」
僕はタンスの一番下を開ける。
封筒に包まれたお金を取り出した。
「はい、お小遣い」
「えっ、い、いいんですか?」
「この状態だと使えないしね。リーリエのために使ってよ」
「あ、ありがとうございます!」
リーリエは深く礼をした。
「さ、いこっか」
「は、はい!」
リーリエは扉を開けた…。