異世界は後輩転生者のスマートフォンとともに。   作:ヒラメもち

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イーシェン編って、異世界スマホssを書いているのか不安になってくる。


戦国大名、そして妖精軍師

「助太刀、まことに感謝いたす。」

 

徳川家泰、その人だ。

『オエド』の領主が深々と頭を下げる。

 

「いえ、敵方の死霊術には、個人としても感じることがありましたので。」

 

「うむ。同感だ。」

 

一応、大義名分を出しておいた。

もちろん日本人として、個人的にも許せない。

 

 

「して、姫君まで連れて、遠い異国からはるばる何をしにこられた?」

 

ちなみに、

そんな姫君たちには椅子を使わせてもらっている。

 

さて、『ゲート』なしだとかなりの距離があるのだ。

まさか観光に来たと言うわけにはいくまい。

 

「『ニルヤの遺跡』、その調査です。私たちはそこを目指しております。」

 

ユミナが助け舟を出してくれた。

 

 

「ほう。宝探しか。『ニルヤ』とな……?」

 

「殿。確か、島津の領地にあったかと。」

 

「おお、それだ。」

 

「しかし海の底だと聞いております。」

 

「「海の底!?」」

「へぇ。」

 

望月と同時に声を上げる。

リーンが言っていた遺跡にたどり着くのはなかなか骨が折れそうだ。

 

 

「話を戻しましょうか。これからの武田の動きについてどう考えます?」

 

「また、態勢を整えて攻めて来るやもしれんな。」

 

「そう思います。」

 

俺もこのまま引くとは思えない。

屍兵のおかげで、武田の最大兵力もわからない。

 

「しかし真玄公らしくない。あのような死霊術に手を染めるなど。」

 

「殿。やはり山本完助の仕業なのでは。」

 

「それしか考えられぬか。」

 

たぶん武田の軍師だ。

しかし日本の史実とは、完全に別人だろう。

 

ともかく、

そのイレギュラーが死霊術を使わなければ、国同士の拮抗状態は続いていてこの戦が起こることもなかったのだろう。

 

 

 

「それで、天井裏に誰かいますよね。襲ってくる気はないようですけど。」

 

侍たちが焦って刀の柄に手をかける。

側近たちはすでにわかっていて、動揺はしていない。

 

「御免。武田四天王がひとり高坂政信様配下、椿と申します。徳川家泰様宛の密書をお持ちいたしました。」

 

「高坂殿か。」

 

膝をつき、懐から密書を取り出して床に置く。

くノ一は一歩下がって。再び膝をついた。

 

敵地であるし、生半可な覚悟ではないだろう。

 

 

「……どうやら噂は本当だったようだ。武田軍は今や傀儡の軍と化している。」

 

書状を読み終わった徳川さんは、憤りの表情を見せた。

 

「真玄公はすでに亡くなり、武田四天王も高坂殿以外、地下牢へ投獄されているらしい。」

 

混乱を避けるために広めていないのか、あえて広めていないのか。

 

「願わくば、どうかお力をお借りしたい。」

 

微動だにせず、

膝をつき顔を伏せたまま、言葉を発する。

 

そこに意思はちゃんとある。

 

「正直に言おう。徳川は武田を救う義理はない。」

 

「そう、ですか…」

 

「だが。高坂殿の亡き主君への忠義、そしてそなたの度胸に免じて、力を貸すこととしよう。みなもそれでよいか!」

 

「「「御意に!」」」

 

この国も温かい。

徳川さんも国民に慕われてそうだ。

 

敵国に対して救援を出すことと等しいのだ。

 

 

 

「俺たちも手伝わせてもらいますよ。」

 

「ふっ、やはり猫を被っておったか。」

 

それならあなたは狸でしょうか。

たぶんユミナの魔眼でも、一筋縄ではいかない。

 

「礼儀正しくしていただけです。」

 

「そうか。続けてのお力添え、感謝いたす。」

 

 

 

「望月はどうする?」

 

「手伝うよ。ここで放っておくのも後味悪いからね。」

 

「サンキュ。……さてと」

 

捕まっているらしい武将もいるし、一般兵も多い。

正面から突っ込むのは悪手だろう。

 

「リーン、策はあるか?」

 

「そうね……。トウヤとツバキと潜入してくるわ。」

 

「そうらしいです。」

 

「あいわかった。」

 

他のメンバーは潜入には向いていない。

 

 

そして、3人を動きやすくするためには。

 

「残りは牽制。つまり武田軍の注意を引きつけておくべき、かと。」

 

「うむ。その通りだ、婿殿。」

 

褒めてくれた。

たぶん徳川さんもすでに考えていたことなのだろう。

 

「皆の者、戦の準備を再び整えよ。城を出て、陣を構えるぞ!」

 

「「「はっ!」」」

 

あとは、望月やリーン、椿さん次第だ。

リーンがいるなら安心だろう。

 

 

「リーン、ヤバくなったら逃げろよ。」

 

「ええ、ありがとう。ポーラやユミナのことはよろしくね。」

 

「任せろ。」

 

ユミナを見る。

いつのまにか、お留守番するポーラがその腕の中に抱かれている。

 

そのポジションはポーラにだけ、譲る。

 

 

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